繭化の原因
俺は凪さんが話した内容についていけなかった。
ゴウライ様が記憶喪失になった。魔法の痕跡はなし、リリアーナ様が関与したかは不明。魔王軍で何が起こってるんだよ!!!
「嘘だろ、そんな、くそぉがぁ!」
ライネルは机を思いっきり拳で叩いた。
「机に八つ当たりしないでよ! 怒りたい気持ちは分かるわ、でも、机を殴らないで」
「分かってるけどよぉ! 俺のこの怒りを何処へぶつければいいんだ!!!」
「そんなの簡単よ。犯人にぶつけるのよ」
「でも、犯人が見つかってないんですよね?」
「そうなのよ。藍介、それか、緑癒かな、2人の知識を使えばゴウライがどのようにして記憶を無くしたのか分かると思うんだけど、今は繭状態で話なんて出来ないし」
「確か、緑癒には医神の眼って言うスキルがあるんだっけな」
「そうよ、それに藍介のスキル世界の図書館を使えば、緑癒の眼によって出た診察結果をより詳しく調べることが可能だと思うの」
「凪さん、紫水達がどうして繭になったかわかりますか?」
「それは、俺様が言おう! 俺様に名前が付き、正式な魔石精霊になった事によって凪のダンジョンクエストの報酬が原因なんじゃないかと俺様は考えた!」
「そしたら、私にクリア通知が来るから違うんじゃないかしら?」
「それなは、一度確認してみたらどうだ?」
『クエスト取得』
ダンジョン評価:F取得条件
ダンジョンの侵入者を退治しよう
「あれ? この前はOの取得条件だったのにF?」
「ほら、やはり、ダンジョン評価のクリア報酬なんじゃないか!」
「そしたら、通知来るはずじゃない! しかも、何段階? えーと、8つもクリアしてたら、分かるはずじゃない? 私が今まで分からなかったのおかしくない?」
「多分、凪が寝ている時に通知が来ていたのかもしれないな」
「そんな、寝てても、何度も来たら分かるじゃない」
「いや、凪さんなら気付かない」
「寝相わりぃもんな」
「寝相が悪くてごめんなさいね!!!」
「妻の豪快ないびきには驚かされたな!」
「私はいびきなんてしないもん! 私のいびきスヤァスヤァだもん!!!」
「それなら、今晩一緒に寝れば分かる事。俺様と一緒に寝ないか?」
「やってやろうじゃない! 私のいびきは可愛いのよ!」
ネルガルとライネルは目を合わせてその場から逃げることを決意した。
「じゃ、俺達はここで」
「待ちなさい。ネルガル、ライネルも私の寝相が悪いとか言ったわよね。それなら、あんた達にも私の寝相の良さを分からせてあげるわよ!!!」
「いや、俺は気付かないとしか言ってない」
「連帯責任よ! これで、今夜みんな安眠できるわね!」
「マジかよ」
ネルガルとライネルはその夜凪の家に泊まり、ネルガルとライネルそして、氷月は凪の寝相、いびきによって安眠できなかった。
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