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驚く2人

 ライネルは花茶と遊びに花茶の住処に足を運んでいた。


「花茶遊ぼうぜ!」


 花茶と藍介の住処が静まり返っていた。


「あいつまだ寝てるのか?」


 ライネルは2人の住処に入り、花茶の元へ向かった。


「花茶が寝坊なんて珍しいな!」


 花茶の部屋に着くとライネルは茶色の繭を見つけた。


「なんだ繭じゃねぇか、にしてもでけぇな」


 ライネルは繭を触った。


「花茶がこんな物集めたのか?」


 繭の隣には犬のぬいぐるみイヌヌンとウサギのぬいぐるみピョヌヌンが置いてあった。


「おい、おい、おい! もしかして、この繭、花茶かぁ!?」


 ライネルは慌てて藍介の部屋に向かった。


「マジかよ」


 藍介の部屋には花茶の部屋と同じ大きさの藍色の繭が置かれていた。


「藍介さんまで、こりゃあ、主人さんに聞くしかねぇな」


 ライネルは藍介と花茶の家から出ると、洞窟の主人の元へ向かった。


 そして、銀次と金色丸の元へネルガルが向かっていた。


 ネルガルは最初に銀次の元へ向かった。


「あれ? 銀次さーん!」


 普段の銀次は切り株の上で日光浴を楽しんでいる時間だったが、切り株の上には銀色の繭が置いてあった。


「にしても、なんだこれ?」


 ネルガルは銀色の繭に触った。


「うん、見た目はフワフワそうなのに触ってみると硬いな。金色丸でも探すか」


 ネルガルは金色丸が住む大きなクヌギへ向かった。


「おいおいおい! 次は金色の繭かよ!」


 ネルガルの前には樹液が滲み出ている所に金色の繭がへばりついていた。


「この繭ってもしかして、金色丸? 銀色の繭は銀次さんってことか!? 紫水!」


 ネルガルは慌てて紫水がいる凪の家へと向かった。


 2人は凪の家の前で鉢合わせた。


「ライネル! お前は繭になってなかったんだな!」


「俺が繭になるわけねぇだろ!!!! で、そんなこと言うってことは繭を見たんだな」


「銀次さんと金色丸、ついでに菊姫さんと百合姫さんも繭になってたんだよ」


「森の長達が全員が繭化したのか」


「あと、緑癒と黄結姫さんも繭化してた。もしかして、花茶ちゃんも」


「あぁ、藍介さん、花茶、灰土さんが繭になっていた」


「灰土さん、やっと蛹から蝶に羽化できたのに、次は繭化か」


「可哀想だよな、外に出れたからやっと筋トレができるって言って自慢の髭を付けながら楽しく筋トレしてたのによ。本当に可哀想だぜ」


「凪さんにこのことを聞いてみよう」


「よっし、じゃあ、じゃまするぜぇ!」


「おじゃましまーす!」


 2人は凪の家へ上がった。


 ネルガルは庭にいる紫水、ライネルは白桜の部屋に向かった。


「紫水、やっぱりお前も繭に」


「白桜ちゃんも繭になっちまってるな」


 凪が使う部屋に2人は集まった。


「なぁ、どうして凪さんがいないんだ?」


「そんなこと俺に言われても分かるわけねぇだろ。多分、繭になった長達を確認しに行ってるんじゃねぇか?」


「そうだよな、俺達はどうするか」


「どうするかね。喉が乾いたから麦茶とってくるが、飲むか?」


「俺の分よろしく!」


 ライネルは台所に向かい麦茶と藍介が作ったお煎餅を持ち出した。


「ほらよ」


 麦茶が入ったコップとお煎餅の入った茶色の器を机の上に置いた。


「ありがとうな」


「主人さんいつ帰ってくるのかねぇ」


 ライネルは麦茶を飲むと、お煎餅を齧った。


「確認し終わったら帰ってくると思うけど、藍介さんが繭の状態なら今日の昼は俺達が作るしかないか」


「朝メシは前もって藍介さんがつくってくれたけどよぉ、繭状態がいつまで続くのかによって、料理を作らなきゃならねぇからな」


 凪が帰ってこないので2人で料理を作り昼を食べ、夕方まで雑談をしていた。


「ただいまー」


 凪が氷月と一緒に家に帰ってきた。


「ちょっと! 私のお煎餅ないじゃない!」


 凪が部屋に着くと、ネルガルとライネルがお煎餅を全て食べ切ってしまっていた。


「やっと会えたな! 魔王軍お馬鹿コンビ!」


「だれが!」


「お馬鹿!」


「「コンビだ!」」


 最後は息のあった良いツッコミだった。


「てか、お前誰だよ!?」


 ライネルは知らない男を見て驚いていた。


「ふっ、俺様の名は氷月!!! この世に3体しか存在しない魔石精霊の1人だ!!!」


「主人さん、また変なのに絡まれたんだな」


「またって何よ、またって」


 凪は座椅子に座わった。


「あっ、氷月、台所にあるコップと冷蔵庫から麦茶持ってきて」

 

「仕方ないな、俺様の妻は甘えん坊だな!」


 氷月は台所に向かった。


「なぁ、いつの間にあいつの妻になったんだぁ?」


「話すと、長くなるけどいい?」


「こりゃあ、イデア様が怒るな」


「もう、怒ってたわよ」


「へぇっ?」


「イデアさんと氷月もう会ってるから」


「マジ?」


「マジよ」


「なぁ、ライネル、俺達はイデア様に会わないようにしよ」


「あぁ、これは絶対ゲンコツもんだなぁ。どうにか、逃げれたのに、こりゃあ、ないぜ」


「凪よ! 俺様が麦茶を持ってきてやったぞ!」


「はいはい、ありがとう。氷月もそこに座って」


「やはり、俺様の側にいたいのだな!」


「はいはい、早く座る」


 氷月は凪の隣に座った。


「これから、2人には魔王軍で起きた事件と繭について話すわね」


「魔王軍の事件?」


 ネルガルとライネルは顔を見合わせた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ノンキな二人♪マイペースでした。 [気になる点] 蝶々や蛾の体に筋肉ってついていたっけ? [一言] こころして聴きましょう。
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