ラックルからの連絡
「ここは一体」
藍介が眠りから目覚めたら、目の前には美しい女性が椅子に座っていた。
「目覚めましたね。私の名前は女神シンカ、これから私がする質問に答えてもらいます」
「女神シンカ!? 確か、生物の進化を司るという、あの女神様ですか!?」
「はい。それでは、まず最初の質問をします。貴方は最強チート能力で無双か恋愛ゲームの攻略対象どちらか良いですか?」
「はい?」
「最強チート能力で無双、恋愛ゲームの攻略対象どちらがよろしいですか?」
「えーと、その二つの中から選んで欲しいと言う事ですか?」
「そうです」
「それでしたら、その、二つの説明をしていただけないでしょうか? これだと、選びたくても選べません」
「なら、簡単に、見た目をそのままの姿に似た状態で最強の力を手に入れるか、見た目を人間そのものに変えて清本凪の恋愛対象になるか」
「恋愛ゲームの攻略対象でお願いします!」
藍介は即決した。
「それでは、人間ベース作成になります。貴方の前世の姿はこちらとなります」
藍介の目の前に古い日記で現れた愛之助の姿が現れた。
「はい! まさしく私の前世! この姿でお願いします! あと、少しだけ、お願いしてもよろしいですか?」
「願いというのはなんでしょうか?」
「私が前世で愛した女性と結ばれたいのです。だから! 前世の姿も良いのですが、できれば、もっとイケメンにして欲しいです! 前世の私はイケメンだとは思うのですが、それ以上のイケメンにして欲しいのです!」
「はぁあ」
「ですから、目元は」
それから、藍介は女神シンカに人間となる姿の注文をしはじめた。
その後、シンカはこれが長達分をやらなければいけないのかと、魔石精霊(仮)の名前が決まったことに後悔した。
一方、長達が繭状態の中、凪と氷月は2人で野球をしていた。
「俺様こそが! 野球の王だ!」
氷月はホームラン宣言をして、バットを構えた。
「何が、野球の王よ! ピッチング君改MAX! やっちゃえ!!!!」
ピッチング君改MAXは豪速球を放った。それは、まるで、レーザーの如く、球を受け取ったキャッチャー君が球の威力によって1メートルほど後退した。
「ふっ、なかなかやるな! だが、見切ったぞ! さぁ! こい!」
そして、2球目、氷月は見事に空振りをした。
「くそぉ! 後少し、早く振らなくてはいけなかったか!」
「ストライク!!! 次で交代だからね!」
「ふっ、俺様が負けるわけないじゃないか!!!」
その後、氷月は何度もピッチング君改MAXに挑戦したが、球に一度も掠りもしなかった。
「ふっ、ピッチング君改MAX、今回はダメだったが、次回こそホームラン打ってやるから覚悟しろ! 」
「はいはい、もう満足したでしょ」
「まぁな!」
「それにしても、推し人形の姿と物凄く違うのはどうしてなの?」
「それはだな! あの人形はナヨナヨし過ぎだからな! 俺様が望む姿に変えた! やはり、男なら、この筋肉! こそが、1番じゃないか!!!」
「はぁ、そうなのね。だから、細マッチョからゴリマッチョになったのね」
「なんだ、細マッチョとゴリマッチョというのは?」
「えーと、細マッチョは細身の筋肉質の人、ゴリマッチョはそれよりも筋肉が多い人? かな?」
「ほぉ! 凪は俺様の筋肉どう思う?」
氷月は腕の筋肉を私に見せてきた。
「凄いわね、でも、私は細身の方が好みかしらね」
「な、なんだと、俺様の筋肉が効かないだと」
「いや、好みの話よ」
「ふっ、俺様の筋肉を知れば、凪は俺様の虜になる。それなら、さぁ! 俺様の身体をみてくれ!!!」
氷月は服を脱ぎ裸になった。
「この変態がぁぁぁ!!!!」
私は氷月に魔石を柱を落とした。
「ぐへぇぼっ!!!!」
氷月は魔石の柱の下敷きになった。
すると、連絡専用の魔石を持ったDJが走ってきた。
「主人様! 紅姫様が、糸まみれになってしまい、しかも、青雷様から連絡が来ています!!!」
「あっ、DJありがとう、紅姫もやっぱり繭になっているのね。うーん、まぁ、考えても分からないし、出てみるか」
私はDJから連絡魔石を受け取って起動した。
「はわぁぁ! やっと出てくれた! す、す、すみません! 青雷君の連絡魔石を勝手に起動してしまって。でも、青雷君の、青雷君の体が糸でぐるぐる巻きみたいになって、話しかけても何も返ってこなくなっちゃったんです!!!」
連絡魔石から現れたのは魔王軍最高幹部八翼の一人、七翼のラックルだった。
「青雷まで繭に!? 連絡ありがとう。それが、私もまだ全員は確認していないんだけど、紫水と紅姫が繭の状態で、白桜も繭になっていたのよ」
「あの、凪さんの後ろで柱の下敷きになっている人は誰ですか?」
「ああ、彼は氷月、魔石精霊? なんだって」
「ん? 俺様の事を呼んだか! 妻よ!」
氷月は魔石の柱から脱出した。
「馬鹿!服着なさい!!!」
「分かった、分かった」
私は氷月に服を投げ、氷月は服を着てくれた。
「妻!? えっ、えっ!? 凪さんいつの間にご結婚を!? はわぁぁぁわ。イデア様が知ったらこれはやばいぞ、ぼ、ぼ、僕はどうしたら、はわぁぁわ」
「私は結婚したつもりはないのよ」
「そんな事をいうなよなぎぃ。俺様と凪は最高の相性だからな!」
「変なこと言うな! で、青雷の件なんだけど、ラックルさんに青雷の事を守って欲しいの」
「はい! もちろん友達は守ります! 僕だって、やる時はやるんです!」
「ありがとう、もし何か変化があったら連絡して頂戴」
「はい! あ、後、ゴウライさんの件で、お伝えしたいことが」
「何かあったの?」
「それが」
ラックルは深刻そうな顔で、魔王軍で起こった事件を話し始めた。
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