女神シンカの暗躍
「よっしゃあ!!! アちゃんに話しかけて良かった!!!! これで、めんどくさい社長を黙らせるわ!!!」
女神シンカはクエスと魔石精霊(仮)の取引を聞き、魔石精霊(仮)の姉である。アに、連絡した。
「アさん、私の声は聞こえますか?」
「急にどうしたのよ。私は通知がなくなるまで話しないって言ったじゃない」
「私は女神シンカ、魔石精霊であるアさんにお願いがあって連絡しました」
「ふぇっ!???? 女神!? シンカ様!? ふぇっ!?」
「驚かせてしまってごめんなさい。少しだけでいいから、私の話を聞いて欲しいの」
「はい! はい! わたしくめに何なりとお話ししてください」
「それが、アさんの弟の名前の件で」
「あー、わかりました。あいつには推し人形になれと言ってきます! いや、物理的にあいつの名前を推し人形にしてきます」
「あの、そうじゃなくて、推し人形って名前は可哀想だから、出来れば、彼の妻である洞窟の主人に名前を付けてもらえないか掛け合ってくれないかしら?」
「お願いというのは、洞窟の主人である凪ちゃんに馬鹿弟の名前を付けて欲しいって事でしょうか」
「えぇ、彼女が付けてくれた名前なら受け入れる代わりに推し人形の通知を消す取引を私ではない他の神がしてしまってね。それで、どうすれば洞窟の主人が人形になったあいつに名前を付けるか考えたのだけど、いい案が浮かばなくて。だから、アさんにお願いしようかと」
「はい! あの、私、彼女の友達である花茶ちゃんと仲が良く、彼女にお願いしたら、凪ちゃんがあいつに名前を付けてくれるかもしれません!」
「本当! お願いしても良いかしら?」
「はい! 今すぐに花茶ちゃんに話に行きます!」
「あっ、ちょっと待って、貴方にお礼がしたいのだけど、そうね。何か、私にお願いしたい事はないかしら?」
「そんな! それなら、私も弟みたいにシンカ様とお話ししてみたい。その、私、女神シンカ様のお友達になりたいです!」
「分かったわ。じゃあ、アちゃん、花茶ちゃんっていう子にお願いして、洞窟の主人に推し人形に名前を付けてもらえないか言ってもらってもいい?」
「はい! かしこまりました!」
「ごめんなさい、もう、休憩時間過ぎちゃうから、切るけど、これから、私がアちゃんに連絡する時間、夜遅くても大丈夫かしら?」
「はい! 私はいつでもお待ちしております!」
「ありがとう、それじゃあね」
「はい!」
アは早速、歌のレッスンに来た花茶に話をした。
「ねぇ、花茶ちゃん、お願いがあるんだけどいいかしら?」
「お願い? 花茶何すればいいの?」
「それがね、私の馬鹿弟いるじゃない」
「うん、名前長い人だよね」
「そうなのよ。それが、花茶ちゃん達が5層目にある巨大な魔石を持って行ったって言ってたじゃない」
「うん! 花茶すっごく引っ張ったよ!」
「あれ、私の弟なのよ」
「? 弟? あの大きな魔石が?」
「えぇ」
「えー!!!!!!!! そうだったの!?」
「私前に話したと思うんだけど、まぁ、そこは置いておいて、それでね、凪ちゃんが弟を推し人形にしてしまったでしょ」
「そうだね! 主人様が大きな魔石に触れたら、急にグニャァってなって推し人形にギューギューって感じに入っていってた!」
「かなり、押し込まれたのね。それで、弟って正式な名前が付いてなくて、私弟が可哀想だなって思っていたのよ」
「うん、名前ない時、花茶、辛かった。主人様に名前つけてもらった時花茶すごく嬉しいかったの!」
「でしょ。だから、弟の名前を凪ちゃんに付けてもらいたいのよ」
「花茶が主人様に弟さんの名前つけて欲しいって伝えればいいんだね!」
「そうなんだけど、私から言った事は内緒にして欲しいの」
「えぇえ!? どうして?」
「ほら、弟って長い名前が好きじゃない? でも、凪ちゃんに出来るだけ長い名前を付けてくださいなんて注文できないでしょ」
「長い名前かぁ、主人様、花茶達の名前つける時も考えてくれていたし、アお姉ちゃんから聞いた弟さんの名前、花茶覚えられなかった」
「でしょ、だから、出来ればそんな面倒な注文したくないのよ。それで、名前が短くなって弟に私が関与したとバレたら面倒事になりそうだから、お願い。花茶ちゃん、私がお願いしたとは言わないで欲しいの」
「それは、分かったけど、花茶、主人様になんで言えばいいのかな?」
「うーんと、それなら、推し人形に名前つけないのって聞いてみたらいいんじゃないかしら」
「分かった! 花茶主人様にお願いしてみる!!!」
花茶は主人の元へ向かった。
「花茶ちゃん、ありがとう!!!」
そして、花茶は凪に推し人形に名前つけないの攻撃を始めた。
「主人様。推し人形に名前つけないの?」
「ん? 花茶急にどうしたのよ? 推し人形は推し人形でしょ」
「でも、でも、推し人形さんの名前つけないの?」
「えーと、一応、元になったキャラクターのシュトルフって名前なんだけど」
「うーん、シュトルフって名前は主人様が付けた名前じゃないよね? 花茶は主人様に名前を貰って凄く嬉しかったの! だから、推し人形さんにも名前つけて欲しいなって」
「名前ねぇ」
「花茶が主人様に貰ったぬいぐるみさんに名前つけたの! 犬さんのぬいぐるみはイヌヌン! ウサギさんのぬいぐるみはピョヌヌン!」
「可愛い名前ねぇ。分かったわ、推し人形の名前考えるわね!」
「うん! 推し人形さん喜ぶと思うよ! それじゃ、ライネルお兄ちゃんの家に遊びに行ってくるね!」
「遅くならないようにね!」
「はーい! 行ってきまーす!!!」
花茶は満足してライネルの元へ向かった。
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