魔石精霊(仮)の活躍?
「シンカさん! 今日シンカさんの家に訪問してもよろしいですか!」
「訪問ってクエスさん、今、私の家にいるじゃないですか」
「いや、あの、ごめんなさい。えーと、一旦家に帰って身なりを整えてから、シンカさんの家に訪問してもいいですか?」
「いいけど、どうしてもう一度私の家に来るの?」
「それは、せっかくの休みですし、シンカさんと仲良くなりたいなと、その、恥ずかしい話なんですが、俺、友達いなくて休みの日なんて何すればいいのかよく分からなくて」
「だから、私の家に遊びに来たいってこと?」
「はい」
「分かったわ。それじゃあ、朝食作ってくれたお礼に昼食準備しておくわね」
「ありがとうございます! それじゃ、お邪魔しました」
クエスはシンカの家から出ると、駆け足で自宅に戻り、身なりを整え、シンカの家に向かった。
クエスはお昼が過ぎにシンカの家の前に着いた。
「ふぅ、今日2度目のシンカさんの家。今日こそはシンカさんに告白するぞ! いや、告白はシンカさんの家じゃなくて流行りのデートスポットでした方がいいか」
クエスはシンカの家のインターホンを鳴らした。
「はーい、クエスさんいらっしゃい」
シンカの声と共に家のドアが開いた。
「お邪魔します。シンカさんこれ、良かったら食べてください」
クエスはシンカの家に行く途中でお菓子を購入していた。
「あ! 豆大福だ! クエスさんありがとう!」
「喜んでもらえて良かったです」
「さぁ、お昼ご飯食べましょうか!」
「はい!」
2人はシンカが作ったお昼ご飯を食べ、食べ終わった後何をするか2人はソファーに座って悩んでいた。
「休みの日ってシンカさんは普段は何をしているのですか?」
「えーと、寝たり、寝たり、寝たり、配信見たり?」
「配信ですか? どんな配信を観ているのですか?」
「アロンズっていう神ドルグループの配信みたり、猫ちゃんの動画とか観てるわね」
「あろんず? 俺は初めて聞きました。どんな神達なのですか?」
シンカはクエスにアロンズの配信をみせた。
「うわっ、あいつ、こんなことやってるのかよ!」
クエスは水晶に映し出された神ドルグループの映像を見て驚いていた。
「クエスさんどうしたの?」
「俺の知り合いが映っていたので」
「え!? 知り合いってアロンズの中に知り合いいたの!?」
「真ん中に映っている奴ですね」
「うそぉ!!!アポロー様!!!」
「もしかして、シンカさん、こいつのこと好きなんですか?」
「このグループの最推しなのよ!」
クエスは顔を曇らせた。
「シンカさん、あいつのどこに惹かれたのですか?」
「顔よ!」
「他には?」
「顔よ!」
「シンカさん、あいつは顔はいいですか、中身はクソです。やることなす事全てが災いになる最悪の神なんですよ」
「それは、そうだけど、顔だけ推すのは悪い事?」
「じゃあ、もし、俺がアロンズのメンバーであいつと一緒にいたとしたら、シンカさんは俺を推しにしてくれますか」
「ん? そうね、クエスさんならアロンズのメンバーになっててもおかしくは無いわよね。だって、クエスさんとってもかっこいいからね」
「かっこいい! 俺! かっこいいですか!」
「うん。前の髪がすごく伸びててクマさんみたいな姿のクエスさんは可愛いなって思ってたけど、今は爽やかなイケメンよね」
クエスは今までの苦労が報われた事に、さっきまでの嫉妬心を忘れ、内心喜んでいた。
「クエスさんは知らないかもしれないけど、今じゃ会社の女神達がクエスさんを狙っているって話を聞いたことあるわ。確か、美の女神の」
クエスは告白するには今だと考え、シンカに告白する事を決心した。
「シンカさん! 俺! ずっと、前からシンカさんのことが」
すると、机に置いたあった連絡用水晶が爆音で鳴り始めた。
「うわっ!? うるさ! 急に誰よ!!!」
シンカはソファーから立ち上がり、水晶を起動した。
水晶から男の声が聴こえた。
「シンカ!!!! 頼む!!! この通知なんとかしてくれぇぇぇ!!!!」
連絡をよこしたのは『推し人形』になりますか? 通知を大量に送られている魔石精霊(仮)からだった。
「あんたね! 私の個人の方には連絡しないでっていつも言ってるじゃない!!!」
「そう言われても、シンカの部下にシンカ様はお休み中なので後日ご連絡下さいって言われてしまったら、直接シンカに連絡するしかないだろ!!!」
「あのね、これを受け入れたら済む話なんだからとっとと、推し人形になりなさいよ」
「いやだ!!!! そんな名前いやだ!!!!」
クエスは一大決心を邪魔された事に怒っていた。
「君、いつまでも名前が決まらなくてシンカさんの仕事の邪魔をしている魔石精霊(仮)君だね」
「ん? 知らない男の声? お前は一体誰なんだ?」
「俺の名前はクエス。クエスト管理部の部長をしている」
「ほぉ、お前があのクマさんか。そうか、シンカに春が来たって事だな! やっとクマさんに告白したんだな! 偉いぞシンカ! 片思いが実ったのかぁ。親友の俺様としては少し寂しいが、親友に恋人ができて嬉しいぞ!」
「バカ! 何言ってるのよ! 私とクエスさんは付き合ってないわ!!! そうでしょクエスさん!」
クエスはシンカが自分に片思いをしていた事を聞いて、嬉しい反面、魔石精霊(仮)から知ったのが、複雑な気持ちにさせた。
「シンカさん、俺が彼氏じゃ、嫌ですか?」
「え? 嫌じゃないですけど」
「それなら、俺たちの関係を彼の言った通りにしませんか」
「それは、つまり、私とクエスさんは恋人になるって事なの?」
「はい」
「クエスさんは私なんかで良いんですか?」
「そんな、私なんかなんて言わないでください。俺はずっと、前から、貴方に初めて出会ったあの日から俺は、おれは、貴方が事が好きなんです」
シンカは当然のクエスの告白によって、頭がパンクしていた。
「え、あ、ん????」
状況を理解できていない、シンカを置いて、何故か魔石精霊(仮)が喜んでいた。
「俺様、フライングしてしまっていたのか、すまない事をしてしまったな。でも、シンカ! 良かったじゃないか! ずっと2人は両思だったっと言うわけか!」
「あんたは黙ってなさい!!!」
シンカは連絡水晶を切った。
「クエスさん、本当に、貴方の恋人になるのが私で良いのですか?」
「はい。シンカさん、俺の恋人、出来れば、将来の伴侶として俺は貴方と一緒にいたい」
「それって、プロポーズじゃ」
「シンカさんは俺が恋人じゃ嫌ですか?」
「嫌じゃないです。嫌じゃ、でも、急に言われても気持ちの整理がつかないというか、私、真剣に告白されたの初めてて、告白されても、いつも罰ゲームとか、冗談ばっかりで、私、どうしたらいいのか」
「シンカさんを混乱させてしまってすみません。でも、俺は貴方の事が好きです」
「私も、クエスさんの事が好きです」
「それなら!!! 俺の恋人になってくれますか」
「はい」
シンカは恥ずかしそうに答えた。
クエスは喜びのあまり彼女に抱きつき、彼はその日ずっと彼女を抱きしめ続けた。
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