表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

253/590

神クエスは呼び出される

 ある神が主神ゼスに呼び出され、彼は憂鬱そうにしていた。


「疲れた。はぁー、シンカさんに会いたい」


 男はゼスの執務室のドアの前につくと、自身の顔を一度叩き気合いを入れた。


「失礼します」


「クエス遅いじゃないか!!!」


「遅いとおっしゃられても急に呼び出した理由は何ですか」


「そりゃあ、彼女のクエストの進行が止まってるからに決まってるじゃん。で、止まっている理由は分かったのかい?」


「はい、彼女が現在受領しているクエストは長全員と仲良くなろうというものです。そして、彼女は洞窟、森の長達と親交を深めクリア条件を満たしているはずでした」


「そう、そこなんだよ。どうして次へ進められないんだ」


「それが、5層目には知性が高い存在がいる為条件を満たしていないとシステムに判断されてしまっているのです」


「5層目にそんな奴いたかな? そもそも、5層目に住んでいた精霊はみんな消えてしまっただろ、知性が高い存在なんて‥‥。あっ!!!!!!」


「ゼス様も思い出しましたか」


「あいつか!!!! いつもシンカちゃんを困らせている魔石精霊(仮)君!!!」


「はい。彼が新たな5層目の長としている以上。彼の名前が決まらない限り、彼女は先には進むことができないのです」


「マジ?」


「マジです」


「うわっ、盲点だった。うわぁぁぁ!!!! せっかく記憶を取り戻したのにこれじゃ人間に進化できないじゃん!!! シンカちゃんには、早急に魔石精霊(仮)君の名前を決めてもらわないとね!!! クエス! 今すぐシンカちゃんのところへ行きあのお馬鹿魔石精霊に名前をつけてきて!!!」


「承知いたしました」


 クエスはゼスの執務室を後にすると、仕事でシンカに会える事になり、クエスは嬉しそうに彼女の元へ向かった。


 すると、シンカの部下の天使達がクエスを引き留めた。


「クエス様!!! シンカ様は取り込み中でお時間を頂いてもよろしいですか」


「ああ、いいが。すまないが、どのぐらい時間が掛かるか教えてくれないか?」


「はい! 確認してきます」


 天使がシンカの部屋に入ろうとした瞬間、女神シンカが大声で何かを叫んでいた。


「ざまぁぁみなさい!!!!! いつも私の仕事を邪魔してる罰よ!!!! ふははははははぁ!!!! 楽しいわ!!!! たのしい!!!!」


 クエスは驚き、天使に話を聞く事にした。


「あれは一体、シンカさんに何かあったのですか?」


「あの、魔石精霊(仮)に概念が付与された事によって、その概念の名前をシンカ様は彼につけようとしているのです。ですが、強制力が弱い為、彼自身がその名前を受け入れない限り、新たな概念による名前を付けれない。でも、シンカ様にとってはやっと名前が決められる好機。今まで仕事の邪魔をされてた分を彼にやり返しているのですよ」


「だから、あんなに楽しそうだったんだな。ちょっと、怖かったけど」


「まぁ、色々シンカ様もストレスが溜まっていたんですよ。新たな種族の進化形態の生成、特に星全体に及ぶ生態系の再構築。そのせいでシンカ様、なかなか家に帰れなくて相当怒ってましたからね」


「あー、その話聞いたことあります」


 シンカの部屋に入った天使が帰ってきた。


「すみません。シンカ様は今日は会えないと仰っていました」


「そう言われても、社長から直々に言われてしまってる手前、彼女に会えないとこっちも仕事ができなくなってしまうんだ」


「分かりました。シンカ様に再度お願いしてみます」


 もう一度天使がシンカの部屋に入り、10分後、女神シンカが部屋から出てきた。


「クエスさん、私はとっても楽しく仕事をしていたのに急に何ですか」


 女神シンカはクエスに冷たい態度をとっていた。


「すみません。魔蟲の洞窟の主人のクエスト進行が止まっている原因が、名前が無い魔石精霊が原因だと分かり、ゼス様にシンカさんと一緒に俺も名前を考えて欲しいと頼まれてしまったので、伺ったのです」


「そうなのね。それなら、直ぐには決まらないと思うけど、今年中には名前を決めされることができそうよ」


「はい、あなたの部下の天使から聞きました。やっと概念が付いたと」


「クエスさんには申し訳ないけど、この件は私に任せて」


「ですが」


「ゼス様には私が伝えておくから大丈夫よ。それに、クエスさん、クエス様は全く家に帰れてないって貴方の部下が話していたのよ。仕事を増やすよりも、他の人に任せて貴方は休むべきよ」


「休むですか、いえ、俺が仕事をしないと部下達が帰れなくなるので、俺は大丈夫です」


 クエスはシンカと2人きりで魔石精霊の名前を決め。その間に、シンカと仲良くなれればと考えていた。前のデートでは、頭が真っ白になり、料理の味なんて分からず、そもそも、緊張でお酒を入れた事によって、あの時何を話したかを忘れてしまっていた。


「そう? あっ! それなら、今晩2人で飲みに行かない? この前食事奢ってくれたでしょ。そのお礼がしたかったのよ」


「飲みに!? えっ!? あっ、はい! 飲みに行きたいです」


「それじゃあ、20時にエントランスに集合で」


「はい!」


 クエスはゼスの仕事を忘れ、彼女と2人で飲みに行ける事を楽しみにしていた。

ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] (社長という)禍から転じて(彼の)福と為す! [気になる点] 彼は無事にデートを終えられるのだろうか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ