『推し人形』になりますか?
俺様が妻である凪の部屋で寛いでいると、急に知らない通知がやってきた。普段ならシンカが仕事で忙しい時、俺様に連絡してこないでくれっていう内容なんだが、今回は全く別の内容だった。
『推し人形』になりますか?
YES/NO
急にどうしたんだろうか? だが、推し人形という名前なんてなりたく無いから、これはNOだ!
俺様はNOを選択した。すると、通知は消え去った。
もしかして、俺様が連絡してこないから寂しいのか? それなら、シンカに連絡するか!
俺様はシンカに連絡をした。
「なぁ、シンカ! 俺様はなんと妻の家にいるんだ!」
「知ってるわよ」
「そうか、なら、聞きたいことがあるんだが、どうして、俺様の名前は推し人形っていう変な通知を送ってきたんだ?」
「それは、貴方には名前がないから、この世には存在していない。という概念が、推し人形になったことで、貴方の名前が推し人形として概念付けれるようになったのよ」
「概念? それは一体」
「概念っていうのは周りにいる生物達がその事象などを認識し、把握することによって産まれるの」
「で、概念と俺様になんの関係があるんだ」
「さっきも話した通り、貴方は周りの生物が認識してもらえなくて、貴方自身が存在していないということになっていたわよね。だから、周りの生物に認識してもらうために名前が必要だった。でも、貴方は推し人形になったことで、周りの生物に認識してもらえた。そう、推し人形として、貴方は存在する。ということになったのよ」
「ん? はぁ?」
「だから、貴方はこれからの名前は推し人形になるのの!」
「•••。いやだぁ!!!!!!!!!!!!!」
「嫌でも推し人形になってもらうわよ!」
「嫌だぁぁぁ!!! 推し人形なんてカッコ悪い名前になってたまるか!!!!」
「そんなこと言われても、もう概念付けられてしまった以上、貴方が自身の名前を決めない限り推し人形から逃れられないわよ」
シンカはとても嬉しそうに話していた。
「シンカ!!! 俺様の状況を楽しんでいるな!!!」
「えぇ! すっごく! 楽しいわ!!! 今まで仕事の邪魔をしてきたことを後悔させてやるんだから!!!」
「俺様とシンカは親友じゃないか!!!」
「これと、それは、別よ!!! 愚痴を聞いてくれたのはありがたいけどね、それよりも、今まで貴方が私に苦労をかけてきたんだから、このぐらいはやり返しても罰は当たらないわ!!!」
「神に罰があるか分からんか! 大切な親友を陥れるのは間違っているぞ!!!」
「知ったこっちゃないわ!!! さぁ!!! これからは、私との我慢勝負よ!!! 覚悟しなさい!!!」
そして、シンカか大量の『推し人形になりますか』通知が送られてきた。
俺様とシンカの我慢対決が始まった。
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