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巨大な魔石の危機

 やっと! やっとだ! 洞窟の長達が俺様に挨拶をしにきた!!!


 俺様はアがとった弟子の話を聴いたり、シンカの愚痴話に付き合っていたりと忙しい日々を送っていたわけだが、ふと、妻である凪を洞窟の魔石を通じて観察していたら、色々楽しいことをしていて、俺様も仲間に加わりたかった。


 特に! あの獣を見るとは思いもしなかった。あの獣は大昔にアの森の守護者だったんだが、本人がその自覚がなくてな、人間に恋をして、その人間が巨人に殺された事を知ると、怒り狂い森の守護を忘れ、巨人を皆殺しにした。その後、守護者がいなくなったアの森は、星のクエストによって森が消滅した。


 アは新たに豊穣の森を、作らないといけなくなってしまった。そして、4つの森を作ったアだが、それも全て消滅、最終手段として、俺様を守護者にして、豊穣の森を守る為に、この洞窟を一緒に作ったんだが、俺様は俺様で名前が無いから、アは星のクエストを受けたいけど受けれない状態になってしまったという事だ!!!


 あの獣を見た時のアときたら、俺様の体に触ったら獣を殺してやろうと殺気立っていたな。あの、アは怖くて、俺様はその場から逃げたかったぐらいだ。まぁ、俺様の妻とデートしていたのは気に食わなかったが、毒を喰らって一度死んだ時はアと一緒に笑い転げたな。紫水、でかしたわよ!!! ってアは嬉しそうにしていたな。


 そして、俺様の周りには長達がいる状況なんだが、最初は俺様の事が分かり挨拶にしに来たと考えていたら、なにやら、少し違うようだった。


「これを取るとなると相当大変ですね」


「あたしだけじゃ無理だけど、みんなの力を集めたらどうにかなるとおもうのよ!」


「じゃあ〜、母さん〜、魔石に巻き付いて〜」


「分かったわ」


 俺様の体に黄結姫が巻き付いてきた。


 おいおい、俺様の体に巻きついて、もしかして、黄結姫は俺様に甘えたいのか?


 黄結姫は上半身を地面についた。


「よし〜、みんな〜、母さんの体掴んで〜。みんなで引っこ抜こう〜」


「なら、俺は地面を掘り起こすとするか」


 灰土は俺様の体を支えている地面を掘り始めた。


 えっ!? まっ、まっ、待ってくれ! お前達は俺様の体をどうする気なんだ!!!


「母様、あたし達は糸で引っ張りましょう!」


「そうしましょう!」


 紅姫が俺様の体にぶっとい糸を付けて、俺様の体を引っ張り始めた。


 やめて!!! 俺様、地面からぬけちゃう!!! えっ!? 俺様をどうしたいわけ!? お願いだ! やめてくれー!!!!


「花茶も引っ張る!!!」


 花茶は紅姫の糸を噛むと引っ張り始めた。


「僕は応援役ですね! みなさんがんばれ!!!」


「それでしたら、私も応援役ですね! フレーフレーみーなーさーん! がんばれ! がんばれ!」


 力が弱い藍介と緑癒は応援をしていた。


 俺様は必死に地面にしがみついた。いや、本当はしがみつきたいんだが、俺様は体を動かすことができないのだよ。うん! 俺様はどうなるんだろうな!


「皆さん! バラバラに引っ張ってはいけません! 私の掛け声と共に引っ張ってください。それでは、引けー!!!!! 引けー!!!!」


「分かった! 引けー!」


 花茶が藍介の掛け声と共に引っ張り始め、紅姫、黄結姫、紫水が引くタイミングが合うようになった。


 そして、1人俺様の命綱である地面を掘っている灰土は俺様の下半身露出まで後少しのところまできていた。


 やばい、やばい、俺様はこれからどうなるんだ!?


 1時間後、俺様は下半身を露出して、俺様は黄結姫の背中で運ばれていた。


 ふぅ、地面から抜けても死ぬことは無いんだな。よかった! よかった! だが、考えてみると初めての外出だな! 俺様! ワクワクしてきた!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ワンちゃんにそんな設定があったなんて?!だから「終末の獣」なのですね。 ここの事は忘れてるみたいですけど、思い出す時が来るのかな? [一言] 初めてのお外……余裕ありますね(・・;)…
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