白桜の提案
主人様にあたしが作った服を着てもらう為に必死にあたしの糸を使った布を部屋に篭り作っていた。
「まだ、布が足りないわ。これじゃあ、主人様の2年目のパーティーに間に合わない!!! 今回は別のプレゼントを準備する? そんな、でも、うーん」
あたしは気分転換をする為に外へ出かけることにした。
「今日は5層目に行こうかな」
あたしは5層目に行き、綺麗に輝く魔石を眺めていた。
「綺麗よね。これをとって主人様にプレゼントする? あたし! 何弱気になっているのよ! こんなゴミ石なんか主人様に渡せるわけないじゃない!!! はぁ、どうしよう」
あたしはフラフラと歩いていたら、魔石と魔石の間に道があるのに気付いた。
「こんな所に道がある。いってみよう!」
あたしがその道を歩くと、そこには今までに見たことのない巨大で美しい魔石を発見した。
「これだわ!!! これよ!!! これ!!! この大きさ!この輝き! 主人様に相応しいわ!!!」
あたしはこの頃、推し人形で遊んでいる主人様を見て、推し人形を羨ましく思っていた。
「あの推し人形よりもこっちの方が素敵よ! これでを渡せれば、推し人形から主人様を引き離せる! でも、この大きさの魔石どうやったら運べるの? お母様にお願いしてみようかしら」
私はお母様に5層目にある巨大な魔石を話した。そして、それを主人様に渡したいと伝えると、みんなからの贈り物ということにしようという話になった。
その後、お母様は洞窟の長達を集めて5層目で会議を開いた。
「主人様、2年間お疲れ様です。これからもよろしくお願いします。パーティーの時に渡すプレゼントの話をします」
「どうして〜、藍介じゃなくて〜、白桜ちゃんが進行役なの〜?」
「紫水様、あたしじゃ役不足ってことかしら?」
「いや〜、ただ疑問に思っただけだよ〜」
「それなら、今回、主人様へのプレゼントを個々で準備するって話でした。でも、あたしはみんなで決めたプレゼントも渡したいと考えました。特に、この1年、魔王軍達がやってきたり、森の長達が仲間になったりと主人様にとって大変な1年だったと思います。だから!大変でいつもお疲れの主人様に、あたし達みんなで決めたプレゼントを渡したいの!」
「それはいい考えですね。あの、反抗的な白桜がここまで立派に成長するとは。ぐすん、紅姫さん子供の成長は驚くほど早いのですね」
「お兄ちゃん頑張ったね!」
「藍介先生のお陰ですよ」
「で、あたしは主人様にぴったりのプレゼントを発見しました。それでは、あたしの後に続いてください」
あたし達は巨大な魔石がある部屋へ向かった。
その道中、黄結姫様とお母様と灰土様が体が大き過ぎて道を進むのに苦労した。特に、黄結姫様がどうやって転んだか分からなかったんだけど、転んでしまい、自身の体を結んでしまった為、紫水様が1時間かけて解いてあげていた。
「もう〜!!! 母さん〜! 狭い道で転ぶのだけはやめてよねって言ったじゃん〜!!!」
「ごめんなさい。ごめんなさい。紫水解いてくれてありがとう」
「もう〜!!!」
「まぁ、まぁ、紫水、黄結姫様も悪気があって転んだわけじゃないんだし、そんなに怒るなって」
「灰土もびっくりしてたじゃん〜」
「あれは、驚くな」
あたし達は巨大な魔石のある部屋に着いた。
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