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ゼスと藍介の対決

 イデアさん達が帰り、1週間ほど経ちました。私達はやっと普段の生活に戻れましたが、偽ダンジョン計画は停止中。主人様がお疲れのようで、いまだに寝たい!寝足りないと、毎日12時間以上眠っています。


 私はというと、夜眠った時に世界の図書館でドラゴンの呪いについて調べていました。


「ふぅ、今回も同じような内容の本しか見つかりませんでしたね」


 本を戻すと、また目の前に古びた日記が現れました。この日記、私は読む気にならなくて、無視しているのですが、7日間連続で目の前に現れるので鬱陶しくなってきました。


「この日記を読めという事でしょうか。仕方ない、少し読んで見ましょうか」


 私は日記を取り出して、読むふりをして。本棚にそっと戻しました。


「もうそろそろ、眠りますか」


 私は世界の図書館から精神を体に戻し眠りにつきました。



 天界にて、主神ゼスはお気に入りが日記を読まないことに腹を立てていた。


「くそぉ!!! あいつ! やっと読んだかと思ったらこっそり戻しやがった!!! 何度も目の届く所に移動させてるのに何で読まないんだよ!!!」


 書類だらけの机に埋もれながらも、仕事をしていたゼスはアートに愚痴を言っていた。


「まぁ、まぁ、仕方ないって、彼の防衛本能が反応したんじゃない」


「7回目だぞ! いや、8回目か! 彼が記憶を取り戻さないと次に進めないじゃないか!!! 勇者を倒せるのは勇者だけ、早く記憶取り戻してよ!!!」


「ゼス君が間違えたからこんな面倒なことになったんじゃないか、自業自得だね!」


「アー君、そんなこと言わないでよぉ」


 書類に判を押す仕事をしている時にゼスは閃いた。


「よし分かったぞ! あいつはムッツリスケベだから、日記の表紙をエッチな表紙にすればみるだろ! あと、日記に細工しておこうかな」


「それは、ゼス君だけなんじゃない?」


「ふっ、こんなこともあろうかと、あいつが愛してやまない女のエッチな写真を入手してるんだな!!! さすが僕!!! 全知全能とはまさに僕のことだよ!」


「えっち全開の間違えなんじゃない?」


「やめろって、よし、この表紙ならあいつは周りに誰もいないのに、周りを確認しながら読み始めるはずさ!」


「うわー。ひくわぁ」


 日記の表紙には凪がお腹を出して眠っている写真が使われ、タイトルには『魔蟲の洞窟主人のエッチな写真集Vol.1 禁断の入浴姿を大公開!!!』と書かれていた。


「うわー。彼女が可哀想だよ。でも、本当に彼女の入浴姿撮れたの?」


「そんなの嘘に決まってるじゃん! 僕はプライバシーを守る神さ!」


「それで、釣れるのかな?」


「これならいける!!! よし! 早速試してみようか!」


 ゼスは世界の図書館へ向かい、『魔蟲の洞窟の主人のエッチな写真集Vol.1 禁断の入浴姿を大公開!!!』を本棚に入れた。


 そして、その夜、藍介はいつも通りに本を探していると、『魔蟲の洞窟の主人のエッチな写真集Vol.1 禁断の入浴姿を大公開!!!』を見つけた。


「ふぁぁぁああ!?!?!? な、な、なんですか、この本!!! はっ!?」


 藍介は誰もいないのに、辺りをキョロキョロと確認した。


「あ、あ、主人様の、え、え、エッチな写真集。こんな本が存在していたなんて、どうして今まで気付かなかったんだ!!!」


 藍介は1ページ目開くと、そこには服を脱ごうとしている凪の姿の写真があった。


「キャッ!!! 主人様、なんて、エッチなアングル、ん? でも、この写真は一体誰が撮ったんだ?」


 藍介はまた辺りを確認すると、表紙が見えないように大切に抱き抱えて、世界の図書館から本を持っていった。


 その様子をゼスとアートが見ていた。


「よっしゃあ!!! あいつ持っていったぞ! やっぱりムッツリスケベなんだな!!!」


「ゼス君の方が変態だよ」


「これで、3ページめくったら僕の細工が発動して、やっと、記憶を取り戻してくれるはずさ! さすが僕!」


「本当に可哀想」


 だか、ゼスの思惑通りにはいかなかった。


 藍介は表紙を開いたが、5日間が経っているのに2ページ目を見ていなかった。


「あいつ、なんで1ページ目ばっかり見てるんだよ。次のページめくれよぉぉぉおおおお!!!」


「なんか、こっちもこっちで引くわ」


 今回の対決は、一応藍介に本を持っていかせたことによってゼスの勝利? となった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 何してるの?あなた、ホントに神? ま、元になったのもこんな性格だったからな~。
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