もう1人の獣が目覚めると
クティスは藍介達の声が聞こえた時、洞窟にいたのに、気付くと森の中にいた。
「あるじさぁまぁぁあああ!!! たすけてぇ!!!」
何故か僕が凪に向かって助けも求めていた。
これどうなっているの!? 僕、さっきまで洞窟の中にいたよね? どうして、森に、そもそも、僕は何から助けて貰いたがってるの?
「もう! 藍介、あいつらに恨まれているんじゃない!」
凪だ! ん? 藍介? 凪、僕はクティスだよ。
「そんなこと言われても、初めて見たので恨まれていると言われても知らないですよ!!!!」
あれ? 藍介の声が僕からする?
「仕方ない、藍介、嫌だと思うけど我慢してね」
凪は胸元の服を引きちぎると僕を胸に入れた。
「なっ!? ヘャァハァッ!? ホォヘェッ!?」
凪!? えっ!? あの、えっ!? どう言う、ふぁぁぁぁあああ!!! とぉーってもやわらかーい!!!
「ブラのワイヤーを足場にして!」
「は、は、はい!」
「よし! これなら、藍介を守れるわね! ムカつく化け物はこうよ!!!!」
凪は周囲に魔石を作り出し、追いかけてくる成れ果てを鋭利な魔石で串刺しにした。
「ふぅ、どんなもんだい!!! 私はやれば出来る子よ!!!!!」
「あのぉ。主人様、どうして、私を主人様の胸の中に入れたのですか」
僕はブルブル震えていた。
「いや、藍介の大きさなら、ポケットに入れようかと考えたんだけど、藍介が魔法使え無くなっちゃうでしょ? それなら、前が見えるようにするには丁度いいかなってね! ブラつけてるから立ちやすいでしょ」
「えぇ、ブラジャーのおかげで前よりも落ちにくくなりましたが、あの、思考する事ができなくなってしまうので、肩の上ではいけませんか」
「そう? こっちの方が動きやすいと思ったんだけどな? あっ、もしかして、汗臭かった!? ごめん!!!」
「いえ、主人様は汗臭いなんてありません。その、主人様は私が胸に挟まれているのは不快ではないのでしょうか」
「不快? 1年前の私なら無理だったけど、今の私は全然そんなこと思ってないわよ。大切な仲間が追われているなら助けてあげるのが友達っていうもんじゃない」
「主人様。分かりました。それでは、壁へ向かいましょう!!!」
「魔石に乗るからしっかり掴まっててね!」
「はい!」
そうか、これは、藍介の記憶。こんなに凪と触れ合えるなんて、あぁ、僕、し・あ・わ・せ♡
クティスは過激な刺激によって、気絶してしまった。
イデアは暗闇の中にいた。そして、クティスが気絶した事によって意識を取り戻した。
「ふぁぁぁあ! よく寝ました! うーん、おや? クティスが眠っていますね」
暗闇の中にクティスが現れ、幸せそうに気絶していた。
「クティス、クティス、って、死んでいる。いえ、気絶ですね。クティスが気絶すると言うことは、まさか!? クティスよりも強い存在が現れたのですか!? これは、死んでいる場合じゃない! はやく目覚めなくては!!!」
そして、イデアは体の権限をクティスから奪い取った瞬間、クティスが体験した記憶がイデアに流れ込んできた。
「なに!? ふぇっえ!? えっ!? クティス!!! 凪さんのファーストキスを奪ったのですか!!! それに、何ですこの記憶は、凪さんの胸の感触がぁぁぁぁああああ!!! なっぎっさぁぁぁあん!!!! あぁぁぁぁああ!!!」
藍介のスキル愛祭の力でイデアは無事に? 目覚めたのでした。
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