獣は男の集いに参加する
クティスは青雷に凪の贈り物を渡すと嬉しそうに草原を駆け抜けていた。
「ほっぺにキッス〜。ほっぺに〜、凪がキスしようとした時に口に当たるようにしようかな〜。そしたら、凪との2回目のキスになる!!!」
クティスは夜遅くに洞窟へ着いた。
「ふぅ、疲れたぁ。明日には帰らないといけないから、凪に沢山甘えよーと」
真っ直ぐに凪の家へ向かったのだが、毒の道の方に藍介と紫水、緑癒、灰土の匂いがした。
「ん? どうして、こんな時間にこいつら集まってるの? そういえば、藍介、凪の胸の中にいたよね。よし! 一発死なない程度に攻撃しよう!」
クティスは例のアレで集まっているとは知らずに藍介達の元へ向かった。
例のアレで集まった紫水、緑癒、灰土は藍介にスキルの発動を促していた。
「はやく〜。はやく〜。約束したでしょ〜。主人様のお胸〜。はやくぅぅ〜」
紫水が我慢できずに藍介に自身の触角をペシペシと当てていた。
「ちょっ、地味に痛いですからやめてください」
「藍介さんだけ主人様のお胸を触れているなんてずるいですよ! この変態!!!」
紫水の触角攻撃を受けている藍介に緑癒は前脚を使って藍介の体をつっついていた。
「なんで私が、緑癒に怒られなきゃいけないんですか!」
「まぁ、あんなご褒美を独り占めするのはいけないよな」
「灰土さんまで、その、スキルを発動しないのは、主人様を守る為でもあるんです」
「へぇ〜、そう言って〜、自分はちゃっかり〜スキル使って〜、主人様のお胸のあの柔らかな感触思い出してるんでしょ〜。あ〜、藍介ってムッツリさんだね〜。みんなで共有しよ〜って最初は言ってたのに〜。自分だけねぇ〜」
「そうですよ! 自分だけいい思いして、僕達には教えてくれないなんてずるいです! この変態!!!」
「いや、変態って言われても、貴方達も主人様のお胸の感触を知りたがっているなら貴方達だって変態じゃないですか!!!」
「うん、紫水の言う通り、紫水と約束していながらアレをやらないのはどうかと思います。だが、それを言うなら紫水、俺と緑癒様抜きで、藍介様と二人で楽しもうとしていたのはいけないな」
「え〜、そん時に〜、灰土と緑癒いなかったじゃん〜。結局は付いてきたんだから別にいいじゃん〜」
「藍介様と紫水が何かコソコソしていると緑癒様に話さなかったら、緑癒様が一人ぼっちになるところだったんだぞ。4人で開くのがこの会なのに全員揃わず始めるのはどうかと思うが」
「分かったって〜、ごめんよ〜。でも〜、俺よりも〜藍介の方が悪くない〜」
「あぁ、藍介様、さぁ! スキルを発動してください」
「なんで、灰土さんに仕切られなきゃ。うわぁぁぁああ!!!」
藍介は小さな竜巻に巻き込まれた。
「さぁ、藍介様、スキルを発動してください」
「灰土〜、竜巻を発生するのはやりすぎじゃない〜?」
「何度もお願いしているのに発動してくれない藍介様が悪いのですよ」
「灰土さんもっとやっちゃってください!」
緑癒はシュシュっと、エアーパンチを何度か繰り出していた。
「わぁあわかぁぁわりぃぃわぁぁあ!! ました! 分かりましたから! お願いぃ、たすけてぇぇぇぇ」
「分かればよろしい」
灰土は竜巻から藍介を解放した。
「うぷっ、目が回って気持ち悪いです」
「はいはい、鱗粉かけますね」
緑癒は目が回って気分が気持ち悪くなってしまった藍介を治してあげた。
「ふぅ、ありがとうございます。はぁ、みなさんにこれだけは伝えておきますが、今回のアレは刺激があまりにも強過ぎるので覚悟してください」
「そんなのはいいから〜、はやく〜、はやく〜」
「それでは、愛祭!!!」
藍介はスキル愛祭を発動した。スキルの効果範囲には、紫水、緑癒、灰土、クティスがいた。
「主人様〜♡ もう〜、はぁ〜、はぁ〜♡ もう〜♡」
「うわぁぁぁ!?!? そんな主人様、僕には刺激がぁぁぁああ!!!」
「あばぁぁばぁぁわ!!??!?!? これは、考えていた以上に」
紫水は地面に転がり、緑癒は羽を何度も羽ばたかせ、灰土の顔は真っ赤になり気絶しかけていた。
「だから、言ったじゃないですか、刺激が強いと」
そして、クティスは藍介が凪の胸に挟まった記憶を追体験したのであった。
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