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閉幕の花火

 ゴウライとクティスの戦いが決着がつき、絶華と盾護はゴウライを死なせない為に彼の元へ駆け寄った。


「盾護! ゴウライを止血して!」


「はい! 草爛お願いします!」


「ぷっぎゅう!」


 盾となっている草爛はゴウライの周りに薬草を生やした。


 盾護は薬草をすり潰しゴウライの傷口に塗った。


「止血はこれで大丈夫ですが、この状態ではゴウライは」


「みんなに迷惑かけて自分は責任を取らずに死ぬなんて絶華ちゃんは許さないんだから!!!」


「絶華はゴウライを生かしたの?」


 クティスは絶華に話しかけた。


「イデア様、ゴウライには生きて罪を償って欲しいの」


「分かった! 凪の友達に傷を癒すのが得意な奴いるから連れてくるね!」


 クティスはそう言うと壁へ走っていった。


「うわっ、もう行っちゃった」


「緑癒様ならこの程度の傷癒してくれる。俺が気になるのは、ゴウライはどうやって急激に強くなったのだろうか?」


「絶華ちゃんにも分からないよ。でも、普段のゴウライなら仲間を殺すなんてあり得ないのよね。あぁー見えて、ゴウライは仲間思いだったから、訓練は厳しいけど、部下達から好かれていたし。あぁ、もう! これは絶対にあの女が仕掛けたのよ!!!」


「あの女というと誰なんだ?」


「リリアーナよ!」


「リリアーナ!? あっ、そうか、リリアーナ様は現在魔王軍にいるのだな。でも、君の言う事が正しければリリアーナ様はゴウライを使って俺達を襲った。でも、リリアーナ様は俺達の主人が嫌で、他のダンジョンへ向かったと話で聞いた。逃げ出す程嫌いだった場所にどうして軍を。俺達への復讐か? いや、軍は囮で成れ果ての方が本命か?」


 考え込んでいる灰土に藍介が体をプルプルと震わせながら話しかけた。


「灰土さん、すみませんが、私を天高く打ち上げてもらってもよろしいですか。もう、我慢の限界で、爆発しちゃいそう」


「爆発!? あっ、そうですよね。藍介さん思いっきり発散してきてください」


 灰土は慌てて藍介を空高く打ち上げた。


「ちょっと! どうして仲間を空へ飛ばしちゃうのよ! 絶華ちゃん助けに行ってくる」


「助けに行かなくて大丈夫ですよ。逆に今の藍介様に近付くのは危ないからな」


「危ない? どう言う事なの?」


「多分、もうそろそろ藍介様は爆発しますね」


「爆発? ですか? えーと、敵がいないのにどうして爆発を」


「藍介様は魔力が増え過ぎるとたまに魔力爆発するんだ」


「変な体質なのねぇ」


「ブボォッン」


「草爛もう疲れたでしょう。元に戻っても大丈夫ですよ」


「ぷっぎゅぎゅぅ」


 盾から元の豚の姿に戻った草爛は盾護の頭に乗っかった。


「ブギィィィ」


「ブボォッンブボォッン!」


「はいはい、2人とも元に戻っていいよ」


 零鐘と炎燃も元の豚の姿に戻った。


 灰土の力で天高く飛んだ藍介はスキル『愛大爆発』が発動し、爆発のカウントダウンが始まった。


『10.....9....』


「私、あの状況の中、とぉーっても我慢しましたよ。皆さんに褒められるぐらいそれはもう我慢しました」


『8.....』


「それにしても、ドラゴンの呪いで作られた成れ果てはどこからやってきたのでしょうか?」


『7.....6.....』


「灰土さんも考えていたみたいですが、ふぅむ。今回は謎が多いですね」


『5....4....3....』


「イデアさんのあの力も凄かったですね。一撃でゴウライを討ち取るとは」


『2....』


「でも、今回の私の収穫は、あるじしゃまのお胸に挟まれた事です!!!」


『1.....』


「ふぅー。それでは」


『0』


「あるじしゃまぁぁぁぁぁ!!!!」


 藍介は前回の魔力爆発よりも強力な魔力爆発だった。


 赤、青、黄色、緑など様々な色で七色に変色する花火だった。


「うわー! とっても綺麗!!!!」


「ブボォッン!?」


「ブギィ!!!」


「ぷっぎゅ! ぷっぎゅ!」


「草爛そうですね。綺麗ですね」


「今回の爆発はこれまでよりも盛大だな」


「うわぁぁぁあ!!! イデアさん!!!! はやいぃぃぃぃ!!!」


「緑癒連れてきたよ! あの爆発藍介だよね! 綺麗だね!!!」


 一方、壁の上にいる凪は。


「たまやーーー!!!! あの花火は絶対藍介だよね」


「主人様! あの爆発は新たな敵ですか!!!」


 菊姫が花火に驚き凪の元へ駆け寄った。


「多分、これは藍介の力だから大丈夫よ」


「藍介さんが?」


 すると、奥から紫水と水球に拘束されているネルガルと共にやってきた。


「藍介〜。やっと解放されたんだね〜」


「花火は綺麗だけど、紫水! 拘束といてくれよ!」


「わかったって〜」


 紫水はネルガルを解放した。


「ふぅ、にしても、ゴウライ様が負けるとはな」


「クティスなら仕方ないと思うな〜。イデアなら俺でも倒せると思うけど〜、クティスと戦うのは嫌だな〜」


「イデア様よりも紫水の方が強いのか?」


「俺は〜、一度イデアを毒殺したからね〜」


「まじかよ!」


「毒殺? 紫水、イデアさんに何かしたのね。後で詳しく話を聞かせてもらおうかしら」


「あ〜。俺〜、緑癒が心配だから行ってくるね〜。ネルガル行くよ〜」


「おう! あれ? 絶華と盾護がいるなら俺は行かない方がぁ」


 紫水はネルガルの体に巻き付き、そのまま水に乗って緑癒の元へ向かった。


 突然、黄結姫から思念が送られてきた。


『主人様! 洞窟に侵入しようとする成れ果てを全て倒しました! 銀次さんと金色丸さんと蝋梅妃さんが森中を確認し、成れ果ては全て倒し終えたみたいです!』


『了解! 黄結姫、みんなに繋げて頂戴』


『はい!』


『みんなー!!! 黒い化け物は全て倒し終えたわ!! あと、魔王軍との防衛戦は私たちの勝利よ!!! 明日、立派に戦った戦士達の追悼式を行うわ。だから、今日はゆっくり休んでね!!! 』


 虫達は一斉に歓喜の声を上げた。


 そして、藍介の花火は虫達の勝利の思い出となったのでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] か~ぎや~!!締めとして最適なタイミングでした♪ いわゆる完全勝利でした。 [気になる点] 丸々とした豚さん達……美味しそう♪と目を輝かせてませんか?主人さま。
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