式神纏衣
ラックルと青雷の2人の前には全身白い鎧を身に纏った盾護がゴウライの攻撃を耐えていた。
「カッコいい!!!!」
「あ、あ、ありがとうございます!!!」
「ラックル様お逃げください!!!」
「もしかして、盾護さん!? その姿は一体!」
「そんな事よりも、クッ、早く!!!」
「はい! 青雷君逃げるよ!」
「うん!」
ラックルは青雷を手に乗せその場から逃げた。
「盾護! 盾護ではないか!!! 式神纏衣のお前なら我を楽しませてくれよう!!!」
「お前を楽しませる為にやっているのではない!!! 姫! 今です!」
「ぷぎゅううぅううう!!!」
絶華は普段の装いとは違い、真っ赤な鎧を纏っていたのだが、彼女は鎧を着ているのに肌の露出度が異様に高く、彼女の豊満な胸がはみ出てしまうのではないかと思うぐらい胸を露出し、腹も出していた。そう、彼女はビキニ鎧を着用していた。彼女の周りには青い数珠が浮遊しながら回っていた。だが、その中でも一番目立つのが、脚の部分だった。
彼女の脚にはこの世界では異様なジェットエンジンに似た物が両脚に4本取り付けられ、そこから炎が溢れ出し、絶華はその炎の力を操りながら空を駆け抜けていた。
「絶華ちゃぁぁぁーーーーん!!! キィーックゥ!」
彼女のしなやかな体と炎の推進力によって凄まじい威力の蹴りをゴウライに喰らわせた。
「フン! この程度か姫よ!!!」
「炎燃!!! やっちゃえ!!!!」
「ブホォォォオオオオ!!!」
絶華の脚は爆発し、ゴウライは後ろへ吹き飛ばされた。
「零鐘! ゴウライに追撃!!!」
華麗に地面に着地した絶華は周りを飛んでいる数珠に命令した。数珠は飛んでいったゴウライの方へ飛んでいった。
「ブギィィィイイイイ!!!」
数珠は少しずつ間隔を広げ、ゴウライを囲むと、ゴウライを足から凍らせていた。
「まずい」
ゴウライはすぐさま数珠から距離をとろうとしたが、数珠はゴウライを追いかけた。
「ブギィィィイイイイ! ブギィッ! ブギィッ!」
数珠となった零鐘はゴウライの行いに腹を立てていた。
「零鐘めっちゃ怒ってるねぇ。まぁ、絶華ちゃんもプッチンときちゃったけどねぇ!」
「なぁ、炎燃。もう少し姫の露出を抑えてくれないか」
「ブボォッン!」
「無理だって。絶華ちゃんは動きやすいから好きなんだけどな」
「どこを見ていいか分からなくなってしまいます」
「そう? 式神纏衣の絶華ちゃんなら魔王様を悩殺できちゃうかな」
「姫! それだけはおやめください!!!」
「盾護、久しぶりの式神纏衣の調子はどう? ちゃんと馴染んでる?」
「ぷっぎゅ! ぷきゅっぷきゅっ!」
すると、2人の上空に大きな蝶がやってきた。
「魔王軍の者だな」
「うわっ、暴風蝶がきちゃったよ」
盾護は盾を構えた。
「俺の名前は灰土、魔蟲の洞窟の長をしている。ゴウライを倒す手伝いがしたい」
「へぇ〜。絶華ちゃん達じゃ足止めが限界だと思ったけど、君が手伝ってくれるなら、ゴウライを倒せそうじゃない? 盾護どう思う? 絶華ちゃんは賛成かな」
「姫がそう仰るのでしたら、私は何も言いません。ですが、私達には攻撃しないでくださいね」
「感謝する」
「それじゃあ、君は遠距離からの攻撃に専念して、直接やり合うのは絶華ちゃんがするよ」
「姫、それは危険ですので、ゴウライの攻撃を私が防ぎ、隙をついて攻撃といった形の方がよろしいかと」
「じゃ、それで、2人ともいくよ!!!」
「おう!」
「はい!」
3人は共闘してゴウライと戦い始めた。
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