ラックルの覚悟
ゴウライは撤退中の兵士達を嬲り殺していた。
「ゴウライ様、どうして、どうしてこんなことを!!!!」
「煩いな」
バキッと兵士の首をへし折り、兵士達はゴウライから逃げた。
その地獄のような光景を見たラックルは絶望した。
「どうして、どうして、仲間を、うげぇっ、げほっ」
彼はゴウライの残忍な殺し方を見て嘔吐した。
「ラックル君! 大丈夫? あいつ僕許さないんだからね!!!」
「ダメだよ!!!! 青雷君じゃ敵わない!!!」
「でも、あいつこっちに向かってくるよ。そっちがやる気なら向かい討たなきゃ!」
「ダメだ! 青雷君、逃げるよ」
ラックルは青雷を肩に乗せて、旗を折りたたみ、走った。
「ラックル!!! 逃げるだけじゃ、何も解決しないよ! あいつは危険だから倒さないと!」
「それが、無理なんだよ!!! 見ただろ、兵士達を一撃で殺せるんだよ。僕らに勝てるわけない!!!」
「ラックル君」
「はぁ、はぁ、はぁ、僕は戦えないんだ。逃げるしか、逃げることしか僕にはできない」
兵士達の悲鳴を背にラックルは走った。
「もう、なんで、やめてよ。どうして、こうなるんだ」
ラックルは涙を流しながら必死に走った。
ゴウライは次に遊ぶ相手を探した。そして、走っているラックルを見つけ、彼目掛けて走った。
「ラックル!!!! 危ない!!!」
ゴウライの一撃を青雷は凪から貰った手袋の力を使い一瞬にして巣を張り、ゴウライの一撃を防いだ。
「ほぉ! 面白そうなやつがおるな!!!」
「くぅぅぅ。ラックル君に何するんだぁぁあ!!!」
青雷の健闘虚しく、青雷は後方に吹き飛ばされ、ラックルの側から離れてしまった。
「青雷君!!!」
「ラックル、お前は我をどんな風に楽しませてくれるのか」
「ヒィィィッ!!!! ご、ご、ゴウライさん!!! どうして、仲間である兵士達を殺したのですか!!!」
「そんなの、我が遊びたいからだ!」
「そんなことで、命を奪っていいわけない!!! 魔王様に報告したら、貴方はもう」
「そんなの、報告できればの話だろ!!! お前はここで死ぬから無理な話だな!!!」
「そんな、ダメ! イデアおじちゃんにお願いされたのに!!! ラックル君!!!」
吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた青雷は痛みを堪えながら、ラックルの元へ戻ろうとしていた。
「僕だって!!!! 七翼なんです!!!!」
ラックルは叫んだ。
「幸運星!!!!」
ラックルのカチューシャの7つある黒星の左の星が1つ砕け散った。
雲が割れ、空からとても小さな星がゴウライ目掛けて降ってきた。
ゴウライは向かってくる星を殴ったが、星とゴウライの力は拮抗していた。
その圧倒的な力によってラックルは青雷の方へ吹き飛ばされた。
「うわぁぁぁあ!!! あっ! 青雷君!!!」
「ラックル君!!! 大丈夫!!!」
「うん! 僕の運を貯めてた星を1つ使っちゃったけど、生き残る為には使わないとね!!!」
「ラックル君強いんだね!!!」
「でも、星を持ってしても、足止めしか出来ないなんて、ゴウライさんの身に何があったんだろう?」
星を砕いだゴウライはラックルの評価を変えた。
「ラックル! まさか、こんな力を隠しているとはな!!! さぁ! もっとだ! もっと我を楽しませろ!!!」
「ヒィィィッ!!!!! 青雷君怖いよぉぉ!!!」
「さっきまでの威勢はどこにいっちゃったの!?」
「怖いものは怖いんだよ!!!」
ゴウライはラックルに一撃を喰らわそうとした。すると、赤い光が目の前を通り過ぎ、目の前には草が生えた白い盾が現れた。
盾にゴウライの拳が当たり、ドォーンと音を立てた。
「ぷきゅぅぅぅうううう」
「草爛耐えてください!!!!」
白い盾には沢山の草が生えた。
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