洞窟から出てみよう!やっぱり無理かぁ
私は藍介捜索に1日費やしたが、藍介を見つけることができなかった。私たちは、解散して明日また探すことになった。
藍介捜索2日目
私たちは庭で話し合っていた。
花茶、緑癒、紫水は庭に残り、紅姫、黄結姫は配下達を使って洞窟内を探していた。
「お兄ちゃん、どこいっちゃったの」
「藍介さんどこにいってしまったのですかね」
「ねぇ〜、花茶ちゃん〜、花畑以外で遊びにいったところってある?」
「うーんと、うーん」
花茶は頭を抱え考えていた。
「あ!精霊山登ったことあるよ!」
「精霊山ですか?藍介さんが1人で向かう場所ではないと思いますけど」
「でも、花茶がお兄ちゃんと一緒に遊びにいった場所、他にはそこしかないもん」
「それじゃあ〜、今日は〜精霊山に探しに行こうか〜」
「ちょっといいかしら、精霊山ってどこなの?」
私はゲームの中に出てくるダンジョン名は知っているが、精霊山は聞いたことがなかった。
「精霊山はね〜、この上にある山なんだ〜、リリアーナ様が精霊山にいる〜、精霊達を皆んな連れていっちゃったから〜、今はただの山だよ〜」
確か、魔蟲の洞窟の上にあるダンジョンって妖精山だったわね。
名前変わったのかな?
ん?精霊達は元々山の住民ってことなのかしら?
「精霊は洞窟の住民じゃなかったってこと?」
「そういうこと〜、リリアーナ様が精霊を勝手に連れてきてさ〜、しかも〜、連れてきた精霊めっちゃ態度悪くて〜、精霊に低知能が勝手に住処に入ってくるな〜とか、言われたりして散々な目にあったよ〜。だから〜、リリアーナが精霊と一緒に消えてくれて俺は嬉しいんだよね〜」
「それは僕も同意しますね」
「リリアーナってそんなに嫌われていたのね、まぁ、初めて会った時、藍介、嬉しそうだったわね」
「えぇ、一番当たりが強かったのが藍介さんですから、いなくなってせいせいしたと思いますよ」
「花茶もリリアーナ様嫌い!主人様みたいに撫でてくれなかったもん!」
花茶が私に近づき、頭を下げてきた。
これは、撫でて欲しいのね。
私は花茶の頭を撫でた。
それを見た2匹は、俺にも僕にも撫でて欲しいと私に迫ってきたので、なでなで大会が始まった。
3匹が満足するまで私は撫で続けた。
貴方達、藍介のこと忘れてないわよね?
「よし!皆んなその精霊山に行って藍介見つけるわよ!」
「主人様〜♡、俺が運んでいってあげるから〜、俺に乗って〜♡」
紫水が私の腰に巻きつき私の頬にすりすりし始めた。
紫水はクールに見えて甘えん坊さんなのね。
「いえ、僕が空を飛び主人様をお運びします。さぁ!僕の足に掴まってください!一緒に空を飛びましょう!」
緑癒は羽をパタパタと羽ばたかせていた。
確か、私って洞窟から出られないって言われたけど、まだ実践してなかったわね。
いや、だって、1層目まで行くの結構歩くのよ、6層目はゴキブリ達が多すぎて歩く場所ないし‥‥。
空飛ぶのはちょっと怖いから、紫水に乗せてもらいますか!
「紫水、背中に乗っていいかしら?」
「いいよ〜♡ほら早く乗って〜、乗って〜」
紫水は私の腰に巻き付くのはやめて足に頭をこすりつけていた。
「主人様、紫水より花茶に乗ってよ!私走るの早いよ!」
花茶は私に頭を下げてまた撫でて欲しそうだった。
皆んなもうそろそろ、藍介を見つけにいきましょう。
「今回は紫水に乗らせてもらうわ、花茶は次回お願いしようかな」
「わかった!紫水!次は花茶の番だからね!今回は譲ってあげる」
「はぁ〜い、それじゃあ〜主人様〜、俺のスキル使って体固定しておくから座ってて大丈夫だよ」
紫水は水を操るスキルを使い自身の背に椅子を作り出した。
私はその椅子に乗らせてもらい1層目のムカデ達の住処に向かった。
「主人様〜いっくよ〜」
紫水は走り始めた。
思ってたより、早いわね。
まるで、オープンカーに乗ってるみたい!
花茶が先頭でその後ろに私を乗せた紫水、緑癒の順で4層目、3層目、2層目まできた。
私は2層目に行くのが初めてだった。
基本、黄結姫が引っかかるのが3層目と4層目だからね、そこの横穴は把握しているけど、2層目は横穴ないのね。
それにしても、小さい蚕、いや、この子達が普通サイズなのね。えーと、緑癒と同じ大きさの子は‥いないわね。
私達は、蚕達が可愛い2層目を抜け、1層目のムカデ達の住処まできた。
私が徒歩でここまできたら数時間はかかるんじゃないかしら?それを1時間程度でこれるなんて、素晴らしいわね!
藍介見つけ終わったら洞窟探検でもしようかしら?
まだ、行けてないところあるから楽しみね!
洞窟の入り口まで来た。
私は、一旦紫水から降りて入り口まで1人で向かった。
入り口の外には木々が生え、久しぶりに太陽を見た。
太陽を見た時、目頭が熱くなった。
私は外に出ようとすると見えない壁にぶつかった。
「ぶへぇ!痛いなぁ!ん?なにこれ?」
私は見えない壁を叩いてみたが、何も起こらなかった。
まぁ、そうよね、外出れないって言ってたもんね。
仕方ないので、花茶、緑癒で藍介を探しにいってもらった。
紫水には私の護衛として残ってもらった。
「主人様!絶対お兄ちゃん見つけてくるから待ってね!」
「花茶1匹では心配なので僕もついていきます。紫水、主人様の護衛任せましたよ」
「はぁーい、俺に任せて〜いってらっしゃい」
「外出れなくてごめんなさい、藍介のこと頼むわね」
花茶と緑癒は洞窟を出て精霊山に向かった。
精霊山にいればいいんだけど、藍介、ほんとどこいったのよ。
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