ネルガルと紫水の勝負
黄結姫を助けにいったネルガルと紫水は無事に黄結姫を助け出した。
「母さんは〜、紅姫さんが守ってる洞窟の入り口に行ってあげて〜。残りは俺とネルガルで倒しておくよ〜」
「紫水、ネルガルさんありがとう。紅姫さんの所に行ってくるわ! ネルガルさん、紫水の事頼みますね」
「はい! 任せてください!」
「いやいや〜、母さん〜、俺が〜ネルガルの面倒をみるんだよ〜」
「俺だと頼りないってか!」
「うん〜」
「俺、隊長だったのになぁ。どうしてかなぁ」
「俺が〜、ネルガルよりも遥かに強くてごめんね〜」
「くそっ、否定できなくて悔しい。そうだ! 紫水! 俺と勝負しようぜ!」
「勝負〜? 何するの〜?」
「ルールは簡単。あの化け物を多く倒した方が勝ちだ!」
「了解〜。負けたら〜、勝った人の言う事を〜、3日間聞くって言うのはどう〜?」
「ああ! いいぜ! それじゃあ、始めるか!!!」
「よ〜い! ど〜ん!」
紫水とネルガルは合図と共に一斉に成れ果てを倒し始めた。
「これで! 13体目! どうだ紫水! 俺は13体倒したぜ!!!」
ネルガルは成れ果てを水槍で突き刺し、息の根を止めた。
「たったの〜13体なの〜。俺はもう〜、15体倒しちゃったよ〜。まぁ〜、ネルガルにしては頑張ってるじゃない〜」
「くそぉ! 残りはいないか!!!」
ネルガルは成れ果てを探しに辺りを見回したが、ネルガルと紫水の近くにいる成れ果ては全て倒しきっていた。
「俺の勝ちだね〜。ネルガルに〜、3日間何してもらおうかな〜。俺の抱き枕になってもらおうかな〜。あとは〜、そうだな〜。主人様と〜、俺の関係を邪魔しようとする〜。藍介と緑癒の足止めでもしてもらおうかな〜」
「そんな、俺の最高のサーフィン生活が」
「てか〜、ネルガル〜。主人様にサーフィンを教わった時からず〜っとサーフィン、サーフィンで全く仕事してないよね〜」
「いや、洞窟掘り手伝ったりしてるだろ!」
「それだけじゃん〜。空いた時間あればすぐにサーフィンだもん〜」
「まぁ、そうだな。否定できないな。そう言えば、凪さんから貰った手袋、俺の手によく馴染むんだよな」
「主人様からプレゼント貰えて羨ましいな〜。まぁ〜、俺の方が〜主人様に沢山プレゼント貰ってるけど〜」
「でも、手に馴染むだけで凄い魔法が付与されてるのかよくわからないんだよな。水槍の威力が上がってるかと言うと‥‥。うーん、分かんないな」
「どれ〜、どれ〜。いただきま〜す」
紫水はそぉっとネルガルの水槍に近付くと水槍を食べ始めた。
「おい! 急に食べるなっておい!」
「バリボリ。う〜ん、バリボリボリ。魔力が〜。濃くなって〜。これは〜〜。うまい〜!!!」
「うまいんかい! って、いつものと変わらないような気がするんだけどな?」
「主人様の魔力が込められてるから〜。水槍の魔力が濃くなって〜。前よりも〜、深い味になったね〜。これは〜。とっても美味しい〜!」
「紫水のご飯がいつもよりも美味くなっただけか。なんかなぁ。凪さんの事だから凄い能力とかあってもいいような気がするんだけどな。はぁー。サーフィンしたいな」
手袋はネルガルのサーフィン愛に反応して、ネルガルの前に水の球体を作り出し、水の球体はサーフボードに変化した。
「うわっ!!! すげー!!! これ乗れるのかな?」
ネルガルが地面から少し浮いている水でできたサーフボードに乗ろうした。
「美味しそう〜!!! いただき〜」
紫水は水で出来たサーフボードを一口食べた。
「こら! 俺が乗るよりも先に食おうとするな!」
「もっちゃもっちゃもっちゃ。弾力がすごい〜。もっちゃもっちゃもっちゃ。これは、これで美味い〜!」
「美味いんかい! って、何度突っ込めばいいんだよ!!!」
ネルガルがサーフボードに乗ると、サーフボードのしたから水が流れ出し、水が直径3メートルの円状に溜まり、少しすると小波がたった。
「これって、もしかして、陸でもサーフィン楽しめるのかよ!!! 最高だな!!!」
「ネルガル〜、前に進める〜?」
「やってみるぜ!」
ネルガルはサーフボードに横になると、波は高くなり、波の一番高い位置になると、体を起こし、波に乗り始めた。
「ひゃっほぉぉーーー!!!! 最高の波だぜ!!!」
ネルガルは物凄いスピードで森を駆け巡った。
「勝手にどっか行かないでよ〜」
「紫水! これ楽しすぎる!!! 凪さんって凄いな!!!」
ネルガルは手袋の力にご満悦だった。
「もう〜」
「これで、移動できるって事は! 紫水! まだ勝負はついてないぜ! って言うわけで、先に行かせてもらう!!!」
ネルガルは高波を想像すると、ネルガルの想像に応じて波の高さが変化した。そして、紫水を置いて森にいる残りの成れ果てを探し始めた。
「あっ、ずるい!!!」
紫水も負けじと走りだし、2人は競い合いながら成れ果てと戦い始めたのであった。
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