私は迷子になりました。
私は主人様から貰った水が無限に出る水筒と私の体に合わせてもらったなんでも沢山入る鞄を持ち、洞窟の真上にある山、精霊山に登っています。
精霊山はその名の通り、精霊が多く住む山だったのですが、リリアーナが全ての精霊を連れ去った為、ただの魔力がある山となってしまいました。
「ふぅ、ふぅ、やはり、花茶がいない登山は体にきますね」
なぜ、私が精霊山を登っているかと言うと、それは主人様のためでなのです。
昨日の主人様は随分悲しんでおられました。
私達を、いえ、私以外の者たちを撫でることに成功し、あんなに主人様はお喜びになっていたのに私の番になったら、急に険しい表情をしていて少しすると涙を流していました。
私は、主人様に涙の理由を尋ねたのですが、答えてくれず、主人様は家の中へ帰ってしまいました。
庭に残された私達は主人様のことが心配でしたが、今日はそっとしておいてあげよう、理由は明日尋ねてみようっとなりまして、皆は解散し、私も花茶と一緒に家に帰りました。
ですが、私は納得できませんでした。
紫水、緑癒にはあれ程沢山触っていらっしゃったのに、どうして私は触ってもらえなかったのでしょう?
私は理由を知る為に主人様に会いに寝室へと向かいました。
すると、主人様は布団の中で泣いていました。
それはもう、声をあげて泣いていて、それを聞いている私の心臓がキュッと握られたような気がしました。
あんなに泣いている主人様を見るのは初めてでした。
私は、主人様に嫌われているのでしょうか、涙を流すほど嫌われた存在なのか?いえ、そんなことはないと思います。
主人様にとって私は一番!大切な存在なのです!
私は毎朝、主人様を起こし、一緒にジョギングをし、私の作った朝食を食べ、あっ、私は6層目の抜けた森で野菜を栽培していまして、そこで採れた野菜を使って料理を作っています。
それと、料理で使う調味料も森で採取しています。
家の掃除、お風呂掃除が一番好きですね、主人様がお風呂に入っているのを想像するとぉ‥‥、心臓がもたないのでやめておきましょう。
私は主人様に信頼をされているからこそ、様々な主人様のお世話を任されています。
これほど頼られるということは、主人様にとって私は!
一番大切な存在なのだといえます!
自称でも、構いません、主人様にとって私は一番大切な存在なのです!!!
私はできるゴキブリ!
主人様の悲しむ姿を見てしまった以上やることは一つ!
素敵な花束を用意して、主人様に渡すのです!
その、この前、『人間の男性が女性を口説くためにする事』という本を読みました。
これは、人間でもある主人様を知るために読んだのであって、主人様を口説く為に読んだものではありません!
あくまで、人間を知るために読んだのです!
本の中で、男性は女性に喜んでもらうために花束を贈るみたいで、それなら、私もその行為を真似しようと思い、精霊山を登っているのですが、私が探している花が見当たりません!
結構前に花茶と登山した時に見た花なのですが、それはもう綺麗で私の名前の由来の藍、藍色の花が沢山咲いている花畑があったのですが、なぜでしょう?見当たりません。
結構前なので記憶が曖昧だったのか?
それとも今は時期じゃなかった?
いえ、この前もこの時期に登って見つけたので時期は間違えではないと思うのですが‥‥。それか、道を間違えた?
この私が?そんなはずないですよ!
私は有能万能ですからね!
私は数時間歩きました。
いつもは2足歩行で歩いていますが、流石に登山するのには適していないので6足歩行で歩いてますが、疲れてきましたね。
そのまた数時間後、私は迷子になっていますね!
有能万能でも、迷子にはなるものです。
やはり、花茶と一緒に行けばよかった。
凪が作り出したアイテム紹介
◼️水が無限に出る水筒➕タライ◼️
水が飲みたい時いつでも水が出てくる優れ物。
長達にプレゼントした。
・花茶は茶色で花柄
・藍介はシンプルに青色のみ
・紅姫は紅色で蜘蛛の巣の柄
・黄結姫は体が大きすぎる為タライで妥協
・紫水は水色で紫色の水玉模様
・緑癒は食事不要の為いらないと言われた
◼️なんでも沢山入る鞄『なんでも入る君』◼️
空間魔法を付与されなんでも沢山入る夢見たいな鞄。
作った本人は空間魔法とか知らないけどなんかできたと言っている。
とっても便利な為、長達に作ってあげた。
柄は水筒と同じ。
・黄結姫には巨大な籠を作ってあげた。
《こんなに大きいなら魔法付与しなくていいんじゃ?》
凪は作った時にそう思ったらしい。
・緑癒は緑色で蚕の姿の黒色のマークがついている鞄
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