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黒い化け物

 私は現在、壁の近くの森で粘着ピンクちゃんを大量に生産していた。そして、虫達は粘着ピンクちゃんを大砲に装填して魔王軍に向けて発射していた。


 魔石で作られた防御壁の上に飛べる虫達が百合姫と菊姫の指揮の元、大砲を撃っていた。


「ヒャッハァッ!!!」


「お前楽しんでるだろ」


「あんた達! 手ぇ休めんじゃないわよ!!! どんどん撃って撃って撃ちまくるのよ!!!」


「百合姫さん爆発した豚生きてますよ」


「どうして生きてるの!? 自爆したくせに、あんた達! あの豚目掛けて撃ちな!」


「へい!」


「ヒャッハ!」


 菊姫は戦況を主人様に思念伝達を使い伝えた。


『主人様、菊姫です。戦況は私たちが有利、主人様がお作りした桃色球によって、魔王軍達は足止めをくらっています』


『了解、もっとバンバン撃っちゃって!!!』


『かしこまりました』


「百合姫さん、主人様がもっと撃って欲しいとおっしゃっていました」


「あんた達! 聞いたかい! もっと、もぉーと! ぶっ放しな!!!」


「おう!!!!」


「ヒャッハァ!!!」


 防衛戦は虫達が有利だった。


 魔王軍と虫達の戦を空の上から眺めている2人の男と女がいた。


「あらあら、ゴウライ様やられてるじゃない。でも、あのピンク色の塊は何なのかしら?」


 女の正体は魔王城で会議に参加しているはずのリリアーナだった。


「リリアーナ様、これではあのゴキブリを捕獲できませんね」


 白衣を着た若いメガネの男はリリアーナに話しかけた。


「分かってるわよ。でも、魔王軍があれじゃあ何もできないじゃない」


「それでは、アレを放ってもよろしいですか」


「気持ち悪いものを目に入れたくないんだけど」


「そう言われましても、魔王軍が押されている今、壁の向こうに居る虫達は、油断していると考えられます」


「それもそうね。2足歩行のゴキブリを最優先で捕獲、残りの虫達は皆殺しでいいわ」


「かしこまりました」


 白衣の男は懐から試験管を取り出すと黒い液体を森の上空にばら撒いた。


 黒い液体はみるみる人の形となり、森へ着地する頃には、真っ黒な人間が四つん這いとなり、首は捻じ曲がり、顔は口が上、真っ赤な目が下にあり、奇声を発し、森にいた虫達は黒い化け物に出会った瞬間、黒い化け物は手で虫を握りつぶしながら、2足歩行のゴキブリを探し始めた。


『主人様!!! 上空から突如敵が飛来してきました』


 黄結姫は降ってくる化け物を魔法を使い殺しながら、主人様に伝えた。


「分かってるわよ!!! きもい、キモ過ぎ!!! こんな化け物まで魔王軍なの!?」


 私は黒い化け物を魔石で囲い、封じ込めた。


 私の側にはネルガルとライネル、藍介、紫水、花茶が側にいた。


「いいや、違うぜ、こんな魔物見たこともねぇ!」


水槍アクアスピア


 ネルガルは水槍アクアスピアを作り出し、構えた。


「こいつらは魔王軍に関係ない。だから、俺も戦いに参加させてもらう」


「今、チェルーシルさんがイデアさんの所に向かっているので、状況を伝えるのに時間がかかります」


 懐中時計からチェルーシルの声が聞こえた。


「はぁ、はぁ、はぁ、あと、少しで、王城に着きますわ」


「あー、もう、魔王軍じゃないなら殺してもいいわよね」


『黄結姫!!! みんなに私の思念を直接送って欲しいの!!!』


『はい! 少々お待ちを、って、痛いです!!!』


「母さん!? ごめん〜、俺母さんを助けにいってくる」


「俺も一緒に行くぜ」


「ネルガル〜、俺の足手纏いにならないでね」


「俺は隊長任されてたんだ。俺はそれなりに強いぞ!」


「それじゃあ、こいつら殺しながらいってくるね。ネルガル俺の背中乗っていいよ。でも、振り落とされないように気をつけてね」


「おう!」


「あっ、ネルガルちょっと待って、これ使って」


 私はネルガルに小さな水の魔石が埋め込まれた手袋を投げ渡した。


「手袋?」


「水の魔石を埋め込んであるから戦闘で役立つはずよ」


「私は皆さんに『筋力・中』『防御力・中』『素早さ・中』選択強化魔法チョイスリインフォーメント!!!」


「凪さん藍介さん、ありがとう」


 ネルガルは紫水の背に乗ると紫水は走り始めた。


「紫水が黄結姫を助け出すまで、私達はこいつらをやっつけるわよ!!!」


「花茶こいつら嫌い!!!」


「俺は単独行動させてもらうぜ」


「なら、花茶も一緒にライネルお兄ちゃんと戦う!」


「俺の力は味方関係なく攻撃しちまうから花茶はついてくるな」


「えー、でもぉ」


「ライネルにも補助防具あげるから、それはどんな感じの力なの!」


「俺は声を使って周りを攻撃することができるが、攻撃範囲は俺の声が届く所まで、味方関係なく攻撃しちまうからあまり使わないんだが、こいつらを倒すにはこれを使うしかねぇからな」


「声ね。それなら、これよ」


 私は2つのスピーカーがついた黒いマスクをライネルに渡した。


「はぁ? なんじゃこりゃぁ?」


「本来のスピーカーは音を拡散させるけど、これは音を収縮して真正面の相手にだけ伝わる感じって想像したスピーカーマスクよ。これなら、花茶も一緒に戦えるでしょ」


「主人様すごーい!!!」


「まぁ、使わせてもらうわ。花茶俺の攻撃が当たっちまったらすぐに主人さんの所に戻れよな」


「うん! ライネルお兄ちゃんいっくよぉー!!!!」


「行くなら、森の中にいる戦えない虫達を助けてあげて!!!」


「おうよ!」


「はーい! 花茶はぁぁああ! さいきょーー!!!」


 こうして、私と藍介の二人きりとなった。


「主人様、行かせてもよろしかったのですか?」


「ライネル一人だけ行かせるのは危険でしょ。それに、これで藍介が思う存分暴れられるでしょ」


「主人様、やはり気付いていたのですね」


「イデアさんと戦った時に使った魔法、超重力球ブラックホールを使われたら、周りも巻き添えになっちゃうじゃない」


「あの時はイデアさんにムカついたので、つい」


「ついじゃない!!! 発動した本人が死にかけてどうするのよ!!!」


「はぁーいぃ」


 そして、チェルーシルさんがイデアさんと合流し、藍介がイデアさんに状況を説明してくれた。


 その間、私は黒い化け物達を魔石で押し潰したり、内側から魔石を増殖させて倒していた。


 もう!!! 次から次へどういうことなのよ!!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 新装備の実力や如何に♪ [気になる点] 兄の方を狙ってる?嫌いじゃなかったっけ? あ、若さの陰りが原因か!小じわ対策の化粧品欲しさに、こんなことするなんて( ==)
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