緊急事態
私は藍介と一緒に藍介が作ってくれたアイスを食べていたら、黄結姫から緊急の思念が私と長全員に送られた。
『緊急事態です! 西の平原ガルバスで軍勢を確認。まっすぐこちらに進軍しているみたいです!!! はぁわわわぁ。主人様!!! この場合どうすればいいのですか!!!』
「なんですって!!! 軍勢ってどういうこと!」
「今すぐに確認しに行きましょう」
「主人様! 母さんが凄く慌ててるから俺先に行くよ」
紫水は黄結姫の元へ走って行った。
「あっ、乗せてってよ。仕方ない、乗り物作るか」
私は魔力で走るバイクを作り出した。ヘルメットをかぶってさぁ!行くわよ!
「藍介! 私に捕まりなさい!」
「はい!」
私はバイクを走らせて森へ向かった。
森では長達が皆集まり菊姫指揮をし、情報収集を始めていた。
「主人様! 軍勢を見た場所に百合姫さんと配下のもの達が向かっています。主人様のカメラを百合姫さんに持たせました」
「分かったわ。黄結姫! 百合姫の思念繋げてくれる」
「わかりました!」
『百合姫聞こえるかしら』
西の平原ガルバスに向かって飛んでいる百合姫は主人の思念を受け取った。
『主人様! あたいの兵士が軍勢を見たって騒いでるから先に向かってます』
『百合姫、軍勢を確認するだけで戦闘は絶対にしちゃダメよ』
『あたいだってそれは分かっているわよ。もうそろそろ、兵士がみた場所に。主人様!!! これはヤバい!!! 人、いや、あれは魔人と鬼人に獣人、人獣までいやがる。なんてことだい。あたい達は隠れながら軍勢を監視することにするわ。カメラを回すわね』
私はすぐにモニターを作り黄結姫の祀念結びを使いカメラの映像をモニターに投影した。
モニターには平原には数えきれないほどの武装した人たちが映し出された。
「どう言うことなの」
「これは!? もしかして、魔王軍!?」
ライネルとネルガルもモニターを観ていた。
「まじかよ。ゴウライ様がいるぞ」
「はぁ!? どうして魔王軍が、しかも、うげぇ、絶華の隊までいるぞ」
「何がどうなっているんだよ」
「主人様! 今すぐにイデアさんに連絡を!!!」
「このまま進軍されると森へついちゃうわよね。あんな量と戦うなんて自殺行為よ。イデアさんが来るまで時間稼ぎもしないといけないと、藍介! 貴方がイデアさんに連絡して、ネルガルとライネルも藍介と一緒に状況報告! みんな! 戦闘は避けて! 私達は魔王軍と防衛戦をするわ!」
「ですが、防衛戦と言っても森の中で対処するのですか?」
「違うわよ。これから作る魔石を等間隔に配置してもらって、巨大な魔石の壁を作ることにするわ。側面から来たら迎撃しましょう」
私は防御壁を作り出すことができる魔石を大量に作り出し。素早いスズメバチとミツバチ達が急いで魔蟲の森と平原の境目に魔石を埋めに向かった。
藍介とネルガルとライネルはイデアさんの腕時計に連絡をしたが、彼は出てくれなかった為。チェルーシルさんが持つ懐中時計に連絡をした。すると、チェルーシルさんはイデア様は現在会議中なので屋敷には居ないと言っていた。
「チェルーシルさんお願いします。イデアさんにこの事を伝えてください」
「分かってますわ。だから、私が走っているんでしょ!」
チェルーシルは懐中時計から藍介とネルガル、ライネルが写っている状態で街中を走っていた。
「あっ! ネルガルとライネルは死んだことになっているので画面に映らないでください!」
「その設定すっかり忘れてた」
「お前、今すぐに止まれ」
チェルーシルは王城に入ろうとすると城兵に止められた。
「はぁ、はぁ、はぁ、ふぅー。私はイデア様の屋敷のメイドをしているチェルーシルと申します。これが通行手形です」
彼女は息を整えると城兵に通行手形を見せた。
「イデア様のメイドがどうして息を切らして走ってきたのですか」
「ごめんなさい、イデア様に今すぐに話さなさればいけないので、すみません」
「ちょっ」
チェルーシルはイデアの元へ向かった。
「おい! そこのお前! ってチェルーシルじゃないか久しぶりだな!」
彼女を呼び止めたのはオビリオンの元で働いている獅子の獣人だった。
「メビウスさんお久しぶりです。あの、イデア様が出席している会議はとごの部屋ですか」
「それは、魔王様が作った幹部会議室」
「ありがとうございます」
「って、おい! あんなに慌ててどうしたんだよ」
チェルーシルは幹部会議室の前まで着いた。会議室前に2人の兵士が扉を守っていた。
「イデア様に至急お伝えしたいことがあるのでイデア様を呼んでもらえませんか」
「それはできない。会議が終わるまでここで待っているんだな」
「はぁーぁ。私はあまりこういうのはしたくなかったのですが、緊急事態なので、ごめんなさい」
チェルーシルは風を操るスキルを使い2人の兵士を壁に磔にした。
「くっ」
「こんなことしたら、おまえ」
チェルーシルは幹部会議室の扉を開いた。
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