洞窟開通間近!
歓迎会から2ヶ月が経った。そして、偽ダンジョンの土台である洞窟が後少しで開通する所まで進んだ。開通した後はお待ちかねの罠作り! 絶対楽しいに決まってるわ! 定番は押さえておきたいけど、みんなで話し合って決めたいわね。
居間で寛いでいた私に藍介が話しかけてきた。
「主人様、もうそろそろ洞窟を掘り終えるみたいなのですが、肝心の罠は主人様がこの前おっしゃっていたように皆に罠のアイディアを募集するっと言う事でよろしいですか?」
「そうしようかな、私が作りたいのは丸い大岩が転がってくるのと、ガラス張りの迷宮が作りたいわ」
「主人様は2つと、紅姫さんがDJの力を使えば複雑な罠を作り出すことも可能だと言っていましたよ」
「そっか、DJのスキル会場設営は催し物を開催すれば発動できるんだから、罠に引っかかる侵入者を巨大モニターで配信して娯楽にすることで発動条件をクリアできるわね」
「その、罠作りの際に罠の動作確認をしたいと考えているのですが、誰か罠にかかってくれるいい人いませんかね?」
「そうだ! ネルガルとライネルにお願いしましょうよ」
「流石に可哀想ですよ。ネルガルはサーフィンばかりしているので、働かざる者食うべからずということで罠の動作確認役にするのはいいのですが、ライネルは花茶の面倒見てくれるので見逃してあげたいですね」
「相棒がいないと可哀想じゃない」
「それなら、紫水ではどうでしょうか。この前、推し人形を壊す為に居間を水浸しにしましたし。それに、推し人形を湖に投げ入れたりしていましたからね。主人様の私物を勝手に持ち出し捨てるのはいけない行為。罰を与えた方がいいかと思います」
「なんで、推し人形を執念深く攻撃するのかしらね?」
「紫水は推し人形が気に食わないんだと思いますよ」
「そういえば、白桜が部屋に篭りっきりじゃない、私が呼んでも部屋から出てくれないし、入ろうとすると嫌がられるし。もしかして、思春期!!!」
「あれは、えーと。白桜は趣味を見つけてそれに没頭しているので、そっとしておいてあげてください」
「思春期じゃないの?」
「えぇ、思春期ではないですね」
「ご飯は食べてる?」
「ちゃんと食べてますよ。この前なんて料理のリクエストで鶏肉は飽きたから他の肉が食べたいと置き手紙が置いてありましたからね」
「だから、この前ステーキだったのね!」
「ライネルと花茶が牛に似た魔物を狩ってきてくれたおかげですね。まぁ、1日で食べ切ってしまいましたけどね」
主人様と藍介が居間で寛いぎながら雑談していた時、百合姫の配下であるスズメバチの3人組は魔蟲の森から西に1キロ離れた大平原をパトロールしていた。
「ヒャッハァー!!!」
「この辺飛んでるだけでハチミツ貰えるなんて、いい仕事だよなぁ」
「おい! 姉御が主人様から直接もらった仕事なんだ、気を引き締めやがれ!」
「へーい」
「ひゃぁーはー」
「なぁ、暇だからもう少し遠くを観にいかないか?」
「姉御はここを見張れと言っていただろ」
「でもなぁ。暇だし、もう少しパトロールの範囲広げてもいいんじゃないか? 侵入者は早めに見つけた方が絶対にいいだろ」
「まぁ、そうだな。やるからには俺達が行けるギリギリまで行ってみるか」
「いいじゃねか! やっぱりお前も暇だったんだよな!」
「毎日同じ道を飛んでるだけで、飯が貰えるのは気が引けていたんだ」
「ひゃぁっはぁー!」
「お前もか! よし! もっと遠くへレッツゴー!」
「おー!」
「ヒャッハァア!!!!」
スズメバチの3人は西へ向かった。
森が見えなくなった所で3人は平原の異変を感じた。
「おい、なんか地響きしてないか?」
1人は地面につき、地面が揺れていることを感じた。
「ヒャッハ! ヒャッハ! ヒャッハ! ヒャッハ!」
先を行っていた1人が慌てて2人の元へ飛んできた。
「そんなに慌ててどうしたんだ!」
「ヒャッハ! ヒャヒャッハァ!」
「俺には分からん」
「俺も分からないな」
慌ててきたスズメバチは2人を原因の場所に連れて行った。
「なんだこれは!」
「うそだろ。おいおいおい! こんなのって、ヤベェよ。今すぐ百合姫様、いや、主人様にお伝えしないと!!!」
「ヒャッハ!」
3人は慌てて平原から魔蟲の森に帰還した。
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