古びた日記
私は家に戻り、寝る前に本を読んでいました。
「人間になれる方法。くそぉ。何度探しても出てきません! くぅぅ、推し人形には負けたくない!」
フカフカの布団に入り寝転がりながら、藍介は本を読んでいた。
「お兄ちゃんおやすみなさーい」
「おやすみなさい」
花茶は主人様から貰ったぬいぐるみ達と一緒に眠りについた。
「やはり、検索しただけでは見つけられませんね。直接本棚から探しに行きましょうか」
藍介は眠りにつき、スキル世界の図書館へ自身の精神を送った。
藍介の精神体は沢山の本が収納されている本棚の前にいた。
「どれどれ、人間になれる魔法とかありませんかね」
藍介は人間になれる方法を探し始めた。すると、『異性を堕とす最強料理』と書かれた本を手に取ってしまった。
「ほう、どんな料理が記されているのでしょうか。どれ、少しだけ」
藍介は『異性を堕とす最強料理』を少しだけ読み始めた。
「うーん、微妙ですね。そもそも、中毒性のある薬を使って支配すると書いてありますが、使えないですね」
次に藍介が手に取ったのは、『異性にモテるテクニック100選! これで、モテモテ神になっちゃおう!』
「なんですかこれ、ふぅむ。神の世界でもこのような事を気にする方達がいるのですね」
藍介は1時間程人間になれる方法が書いてある本を探したが、見つからなかった。
藍介は他の棚に向かい『女神シンカの力』と書かれている本を見つけた。
「女神シンカ様はえーと、生物の進化を促しこの世界の生物を管理していると。この方に会えれば、人型に進化できるようにお願いできませんかね。まぁ、神になんて会えるわけないですよね」
藍介は本を読み終わり、進化するにはかなりの時間が必要な事を知った。
「女神様の力を持ってしても、生物を進化させるのは莫大な時間をかけなければいけないのですね。はぁー、私は人間にはなれないのでしょうか」
藍介は俯き、人間にならないと嘆いていた。
藍介はふと、顔を上げると和装の古びた日記が目についた。
「ん? これは、なかなか古い本というか、他の本とは違う形をしていますね。えーと、あれ? 表紙に日記しか書いてないですね? 誰が書いたのでしょう?」
藍介は日記を開いた。
「愛之助、という方が書いた日記なんですね。今は関係ないので後で読むことにしましょう」
藍介は日記を本棚に戻すと、人間になれる方法を探し始めた。
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