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藍介、失踪する。

 私はクエスト報酬なしのせいで怒っていたが、急に悲しくなって涙が零れ落ちた。


 私、頑張ったんだよ。

苦手だった虫を克服して、一緒にサッカーしたり野球したり、黄結姫助けに行ったりしてこの半年で色々なことをして、すごく楽しかったわよ。

でもね、人間は私1人だけなのよ。

その中でここまで虫達と仲良くなったのすごくない?

私こんなにコミュ力あったんだっていうくらいすごくない?

ねぇ、神様、いや、神!

こんなに頑張った私に何かくれないの?

お前がこの状況なってみなさいよ!

あぁ、もう嫌だ。

もう疲れた。

私はもう何もしません。

次のクエスト一年間暮らせでしょ、それなら、ダラダラ過ごしてやるわよ!


「主人様!?どうして涙を流しているのですか、何か悲しい事があったなら、私に仰ってください」


「藍介、ごめんなさい。今日はもう、1人になりたいの」


「涙を理由を聞かせていただけませんか?」


「ごめんなさい」


私は庭から寝室に向かい、1人布団の中でまた泣き、いつの間にか眠っていた。


次の日、私は花茶の慌てている声を聞き目覚めた。


「主人様!主人様!どうしよう!お兄ちゃんどっか行っちゃった!」


「んん?花茶、おはよう。藍介が見当たらなくなるのはいつものことじゃない」


「今回は手紙?っていうのが、花茶が起きた時に目の前にあって、紫水に読んでもらったら、お兄ちゃん洞窟から出て行っちゃったの!」


「ん?洞窟から出るって、藍介はよく6層目の花畑に行くじゃない、なんでそんなに焦っているの?」


「お兄ちゃんが花畑にいなかったの!」


「ええ!!!花茶、今すぐ手紙見せて」


 私は花茶から藍介の書いた手紙を貰った。

その手紙というか葉っぱに文字が書いてあり、


『少しだけ遠くへ行ってきます』


とだけ書いてあった。

ゴキブリの癖に字が私よりも綺麗じゃない!

って、遠くへって書いてあるけど、花畑じゃなかったらどこに行ったの‥‥?


あ!!!

もしかして、私が昨日触ってあげなかったから怒って出ていっちゃった!?

いやー、そんなことで怒るような藍介じゃ‥‥。

これは、私のせいね。

そうよね、いつも藍介にはお世話になっているのに、私は何もしていないし、この頃はお母さんにみたい口煩くなった藍介が少し鬱陶しく思っていたわね。

うわー、どうしよう。

私、藍介だったら何しても大丈夫って思っていたから、ご飯作ってもらったり、掃除、洗濯の家事全般全部任せてたし、藍介からいつも本借りていたし。

ん?

私、藍介が居なかったら暮らしていけないんじゃない?

はわわぁぁ、どうしよう。

私の生命線がいなくなっちゃった!

そのぐらい藍介は有能万能!できるゴキブリってことね!

今すぐ捜索しよう!

藍介を見つけたら、今までの事と昨日のことを謝って、思いっきり抱きしめてあげよう!

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