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新たな侵入者???

 私はお昼ご飯を作りに主人様の家に向かいました。すると、花茶が庭から走って出てきたので、話しかけました。


「花茶、そんなに慌ててどこへ行くのですか? これからお昼ご飯作りますが、今日は主人様の家でお昼食べないのですか?」


「お兄ちゃん! えっ、その、ライネルお兄ちゃんの所行ってくる!」


「分かりました。日が落ちる前に帰ってくるのですよ」


「はーい! お兄ちゃん行ってきまーす!」


「いってらっしゃい」


 花茶はライネルさんの元へ向かいました。それでは、私はお昼の準備をしましょうか!


 私は玄関から家へ入ると、台所に向かいました。手を洗い、料理を作るために手袋を付けて、今日はそうですねぇ。卵焼きと砂糖があるので甘辛ソースを作って鶏肉に絡ませますか、後はサラダと山菜の味噌汁。今日も完璧な献立ですね! ふっふっふぅっ。主人様の胃袋は私が掴んだのも同然。結婚する為には、異性の胃袋を掴めと本に書いてありましたし、遠くない未来主人様と結婚! まぁ、大きさが違い過ぎて交尾できないですが、ふーむ。もう1年以上、人間になる為の魔法を探していますが、悲しいことに見つからないのですよね。幻影を使えば人の姿を見せる事はできますが、触れる事ができないし、そもそも、触れられても私には何も感じないので意味がないんですよね。


 私は主人様がいるであろう、居間に向かいました。


「主人様! お昼は鶏の甘辛ソース焼きとサラダ、卵焼き、山菜の味噌汁なんかどうでしょうか」


 襖を開くと、居間では主人様が人間の男の服を脱がしている光景が私の目の前に現れました。


「侵入者!!! って!? 主人様!? 何をやっているのですか!!!」


「うわっ!!! 藍介! びっくりしたぁ。驚かせないでよ」


「驚くも何も、主人様は侵入者に何やっているのですか!」


「あー、これは、人形なのよ」


「人形? 触ってみてもよろしいですか?」


「えぇ、人間そっくりに人形作ってみたのよ。なかなかクオリティが高いわよ」


「どれどれ」


 私は人形の腹を触ってみました。人間の肌の感触と同じで、唯一人間と違うのは体温がないと言う事でしょうか。それに、人形なのにどうして陰部がついているんですかね?


「主人様、どうしてこの人形に陰部がついているのですか?」


「え!? そこまで再現できたっていうこと!? 私そこまでは考えなかったわよ」


「ほら、下半身もっこりしてますよ」


「もっこりって言うのやめなさいって。はぁ、まさか、推しの下半身をもっこりと言う日が来るとは思いもしなかったわ。あー、そうだ。人間の男性ぽくって考えたからアソコついてるんだ。はぁー、何だろう。推しを完全再現するあまり、はぁー。急に覚めてきたわ」


「主人様大丈夫ですか?」


「自分の変態具合を嘆いているところよ。はぁー。やっちゃったわ。でも、壊したくないしな」


「主人様どうして、この人間の男の人形を作ったのですか?」


「あー、それね。花茶が私の好きな男の人が知りたいって言うから乙女ゲーのキャラを紹介したのよ」


「えーと、確か、架空の人物、キャラクターを画面で動かして遊ぶのがゲームなのですよね。で、主人様はこのキャラクターが好きだと」


「えぇ!私最推しのシュトルフ君!」


「推し? ですか?」


「えーと、何で言えばいいのかな、気に入っているキャラクターって言えばいいのかな」


「主人様はこういう男が好きなのですね」


「ええ! シュト君カッコいいでしょ」


「そうだ、主人様、お昼ご飯なのですが、鶏の甘辛ソース焼きとサラダ、卵焼き、山菜の味噌汁でよろしいですか」


「甘辛ソース! 絶対に美味しいに決まってるじゃない! お米これから炊くのよね?」


「はい、この献立でいいか確認したくて、まだ作ってません」


「それなら、私も手伝うわよ。お米研ぎはまかせて!」


「ありがとうございます。台所に向かいましょうか!」


「ええ! 甘辛ソース味見してもいい?」


「もちろん」


 私は主人様と一緒にお昼を作り、2人でお昼を食べました。


 その後、ネルガルに捕まっていた紫水が主人様の推し人形に攻撃をし始め、居間が水浸しになってしまいました。


 紫水、その気持ち痛いほど分かります。ですが、水浸しにする必要ありましたかね? 掃除するのが面倒じゃないですか!!! もう、気に食わないのでしたら、周りの被害を考え、こっそり湖に沈めるとかに、すればよかったのですよ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 想像力豊かですね♪ [一言] 過激な事を言ってます。先ずは追い出すことからでは。
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