危うく死にかけた
藍介に触ることができた私は庭に虫達を集合させた。
藍介は緑癒に回復してもらって意識を回復していた。
「皆んな集まってくれてありがとう。これから私は、私の手で貴方達を触るから、出来れば、あまり動かないようにしてくれると嬉しいな」
皆、困惑していた。
それは当然の反応である。
私は、半年間マジックハンド越しでしか触っていなかったからである。
「紅姫から、触るわね」
「えぇ!!!私からですか?その、心の準備が整ってなく最後に‥。」
私は紅姫の前脚を触った。
蜘蛛の足って細かい毛が沢山生えているのね、知らなかったわ。ふむ、ふむ、普通に触れるわね。
私が紅姫の足を触ってる間、紅姫はというと
「あぁ!あっ、そこは、もぅ、あっあっそれ以上触られては、私は、私は‥。はうぅぅぅ、あっもう、あぁぁぁあ!!!!」
紅姫の声は大人のお姉さんって感じの色っぽい声なのである。そんな紅姫が喘ぎ声みたいな声を出したらもう、私が変態みたいじゃない!
ちょっと、喘がないでよ!
私、恥ずかしくなってきたわよ!
足触ってるだけなのよ。
変な空気になるからやめてよ!
「主人様、すみません、少し離れてもらってもいいですか」
私が紅姫の足を触るのをやめ、少し紅姫から離れた。
すると、紅姫はその場バタンと倒れた。
「えぇ!?紅姫大丈夫?」
「はぁ、はぁっ、すみません、体に力がはいらなくなってしまいました。私は、大丈夫ですから次を方を触ってあげてください」
「緑癒!回復してあげて」
「主人様、そっとしといてあげましょう」
「ん?回復しないの?」
「HPは減っていないので、そのままで大丈夫です」
「うーん、緑癒がそう言うならそれでいいけど、紅姫、本当に大丈夫?」
「はぁ、はぁ、はい、主人様、私は大丈夫です」
「わかったわ、それなら次!花茶で」
「うぇええ!!!いいの!やったぁ!!!!」
花茶は嬉しそうに私の目の前まで来てくれた。
私は花茶の頭を触った。
ひぇぇぇぇ、触覚ながーい。
触った感じはツルツルしているわね。
「お兄ちゃん!主人様が、主人様が、花茶の頭撫ででくれた!!!!!嬉しい!嬉しい!もっと撫でて主人様」
「よかったですね。花茶」
「うん!」
花茶はとても喜んでくれたみたいで良かった。
花茶の為に頑張ったといっても過言ではないわ。
私は花茶が満足するまで頭を撫でてあげた。
よく頑張ったわ!私!
「それじゃあ、藍介」
「すみません、主人様、私は最後にしてもらってもよろしいですか?」
「どうしてよ」
「さっきまで気絶をしていたので、もう少し回復したいのです」
「それなら仕方ないか、それじゃあ、黄結姫!触ってもいいわよね?」
「はぁ!はい!私の体を触っていただけるなんてとても嬉しいです」
「それじゃ、触るわよ」
黄結姫は体が大きすぎるので紅姫と同じで足から触ってあげた。
黄結姫は何も言わずに無反応だった。
「足触るのはこれぐらいにして、頭撫でてあげるから頭下げてもらっていい?」
黄結姫から反応がなかった。
「おーい!聞こえてる?黄結姫!!!おーい!」
黄結姫から反応がなかった。
あれ?どうしたのかしら?
「あ〜、かあさん〜固まっちゃったみたい〜」
「固まるってどうして?」
紫水は私の隣に来た
「かあさん〜、主人様に触ってもらえて嬉しすぎて〜動けなくなっちゃったんじゃない〜」
「私に触られるのってそんなに嬉しいことなの?」
「そりゃあ〜、嬉しいに決まってるよ〜」
「よし!次いくしかないわね。紫水、触っていいかしら?」
「いいよ〜、沢山撫でて〜欲しいな〜」
「任せなさい!紫水が満足するまで撫でてあげるわ!」
「やったぁ〜!」
私の腰の辺りにいる紫水の頭を撫でてあげた。
紫水の触覚が動き私の体にあたったが、私は不快には感じなかった。
なかなかの硬さね。
そういえば触覚触ったことないわね。
触ってみようかしら?
私は紫水の触覚を触った。
「主人様〜♡だ〜いす〜き〜♡」
紫水は突然の私に抱きついてきた。いや、巻きついてきた。
私は紫水の体重を支えるのに精一杯で、私は何もすることができなかった。
ひゃぁぁぁぁ!怖い!重い!動けないぃぃ!!!
紫水は私の体に巻き付くと私の頬に頭を当てスリスリし始めた。
甘え過ぎでしょ!!!
私に巻き付かないでよ!
貴方の頭、私の顔に近すぎよ!
てか、スリスリしないでぇ!
口こっわ!噛まないわよね?噛まないわよね!?
誰か!助けて!
「紫水!主人様から離れなさい!」
藍介が紫水を注意した。
紫水は藍介の方を向いた。
私は紫水の頭スリスリから解放された。
あいすけぇぇぇ!ありがとう!!!
助かったわぁ!!!
「え〜、嫌だよ〜、主人様は俺を触ってくれたんだよぉ〜。それなら〜、俺からも主人様のことを触ってあげなきゃ〜」
「離れなさい!それになんですか!告白みたいなことを言うとは!」
「だって〜、俺〜主人様のこと大好きだもん〜。大好き〜って、伝えることはダメじゃないよね〜。ねぇ〜、主人様は〜、俺の事〜どのぐらい好き〜?俺は〜、大大大だぁ〜い好き〜♡」
「紫水、貴方が私のこと大好きでいてくれるのは嬉しいわ。でもね、急に巻きつくのはやめて欲しいな。紫水、ほんの少しでいいから、ちょっと離れてくれないかしら?」
「え〜、主人様〜俺の事嫌い〜?」
少しだけ私に巻き付く力が強くなった。
このままだと私、死ぬわ!
なんとかして紫水の機嫌とらないと!
でも、紫水だけ好きって言うと角が立ちそうだから、ここはみんなが好きってことにしよう!
「私、紫水のこと嫌いじゃないわよ」
「それなら〜、好き〜?」
「えぇ、紫水が私のこと大好きなぐらい、私も皆んなが大好きよ!だから、紫水のこともみんなと同じぐらい大好きだわ!」
私は必死に『皆んな』を強調して言った。
皆んなが喧嘩するは良くないからね。
「へぇ〜、そうくるんだ〜」
紫水から私に送られてくる思念が小さくてなんて言っているのかわからなかった。
「紫水さっきなんて言ったの?」
「なんでもないよ〜。主人様は〜、みんなの事が大好きなんだね〜」
「そうよ!私はみんなの事が大好きよ!」
「わかった〜。離れるね〜」
紫水は私から離れてくれた。
助かったぁぁぁぁぁ!!!
ほんと死ぬかと思ったわよ!
まさか、紫水が私の事を好きでいてくれるなんて‥。
これは主人として好かれているって事なのね。
まぁ、もう半年ぐらい経つし、大好きって言われるぐらい仲良くなれたってことね!
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