メイドとの会話 後編
私は寝る前にイデアさんに砂糖を調達してもらえないか連絡することにした。
懐中時計をタンスの中から取り出して机の上に置き、月の模様を押した。
少し経つとイデアさんの家の中が映し出された。だけど出てくれたのはイデアさんではなくウサ耳のメイドさんだった。それから少しだけウサ耳メイドさんと話すとちょー美人なエルフさんと羊かな? 羊の角が生えたメイドが現れた。
エルフのメイドさんはとても礼儀正しい方という印象をもった。羊のメイドはおっとりとした印象だった。
「凪様、砂糖ですがご用意はできますが、荷車は1台しかなく往復で運ぶとなると大変だと思うのですが」
「それなら、一台分でお願いしてもいい?」
「かしこまりました」
「砂糖のお礼で何か渡したいんだけど、何か欲しいものある?」
「それでしたら、イデア様とご結婚していただけませんか」
「け!けっこん!? 砂糖のお礼がどうしてそうなるのよ!」
「イデア様が喜ぶ事は凪様と結婚することしかないと思いましたので」
「結婚以外で何かない?」
「はーいはーい! 甘いもの食べたい!」
「エーデルは甘い物より窓ガラスを片づけなさい」
「はーい。ごめんなさい」
ウサ耳メイドは画面から消えた。
「甘い物。あっ! それなら、ハチミツはどうかしら」
ハチミツと聞いた瞬間、チェルーシルさんは驚いていた。
「ハチミツ!? 森の黄金と呼ばれている物をどうして凪様が知っているのですか!」
「いやだって、ミツバチが友達にいるから」
「ハチミツ。はぁーぁーーー!!!!!」
チェルーシルさんは体を捩らせた。
「チェルねぇどうしたの!?」
「はぁっ!!! 申し訳ございません。ハチミツの味を思い出してしまい」
「この瓶いっぱいのハチミツと砂糖交換しましょうよ」
私は両手でやっと持てるぐらいの大きな瓶を作り出して見せた。
「そんなに大量のハチミツをいただけるのですか!」
「えー、荷車1台分も砂糖用意するのにだった1瓶だけなの」
「人数分って言ったらどう?」
「3瓶も貰えるのですか」
「そうよ」
「すぅーーーー。エーデル、メルトこっちにきなさい! 凪様、少しだけ話し合ってもよろしいですか」
「えぇ、いいわよ」
メイドは3人集まると小声で話し合っていた。
「エーデルこの前カイルさんのお店で欲しい物があったけど高すぎて買えなかったと仰っていましたね」
「そうだけど、チェルねぇなんか怖いよ」
「私が買ってきてあげるのでハチミツをいただけませんか」
「おっとまって、その前にチェルねぇハチミツって何なのさ」
「ハチミツはエルフの国では森の黄金と呼ばれ、最強の戦士にしか取りに行くことができないと言われる。エルフの国では最高級品の甘味とされています」
「甘味! チェルねぇ1人で独占しようとするのはいただけませんなぁ」
「チェルねぇあの大きさの1瓶でどのぐらいの価値があるの?」
「教えたくないのですが、仕方ない。あの大きさの瓶に一杯入っていたとしたら、金貨10枚以上の価値があると思います」
「金貨10枚!? 砂糖よりも高いじゃないか!」
メルトは驚いて大きな声を出してしまった。
「しぃー! メーちゃんのバカバカ! 貰える量減っちゃうじゃない!」
「ごめん。だって、金貨10枚だよ」
「エーデル、メルト凪様の提案を受け入れることでいいですね」
「意義なし!」
「金貨10枚」
「これから私たちの目標は凪様とは友好関係を結び、イデア様と凪様を結びつけそして! ハチミツをゲットしますよ!」
「おー!」
3人のメイドは一斉に腕を上に掲げた。
「あのー、話し合い終わったかしら?」
「はい! 砂糖荷車1台分とハチミツ3瓶と交換でお願いします」
「了解! イデアさんにこの事を話してもらってもいいかしら?」
「はい! お任せ下さい!」
その後、私はメイド3人と雑談をして楽しい時間を過ごした。いつの間にか深夜になったので次回は女子会でもしようと話になった。
まさか、メイドさんと仲良くなれるなんて思いもしなかったわ。女子会か、何年ぶりだろう。仕事始めてから随分女子会なんてした事なかったかもしれないわね。
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