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願っていた事が叶った

 あたいは東の女王達と一緒にハイベアーと戦っていた。あたいはまだ戦えるが、兵士達は疲弊していた。


「これでは埒があきませんわ。本来であれば私達だけで対処しないといけませんが、仕方ありません。誰か、主人様を呼んでください」


 東の女王の一声により、巣穴から1匹のミツバチがやってきた。


「かしこまりました!」


 ミツバチは洞窟に向かって飛んでいった。


「皆さん! 主人様が来るまで粘りますよ!!!」


「おう!!!!」


 ミツバチ達は一斉に声をあげて士気を上げていた。


「あんた達も負けるんじゃないわよ!!!」


「おうよ!」


「ヒャッハァー!!!」


「お前、それしか言えないのかよ」


「ヒャッハァー?」


 主人様に使いを出して20分が経過した。そして、とうとうハイベアーが動き始めた。


 ハイベアーの額から魔法陣が出現して、ハイベアーの周りに2つの小さな竜巻が現れた。


「こいつ、風魔法が使えるのかよ!」


 竜巻が兵士達に直撃すると、兵士達は上へ飛ばされ今まで拮抗していた状況が一変した。


 ハイベアーはゆっくりと歩みを進め、巣へと近付いていた。


「竜巻をどうにかしないとハイベアーに近付けない。どうすればいいのでしょうか」


「そんなの魔法陣をぶっ壊せばいいってことだよ!!!」


 あたいは竜巻の隙をついてハイベアーの額目掛け針を突き刺した。


 あたいのスキル針崩烙はりほうらくによって針に触れたものを烙印をつけ、何でも崩壊させる事が出来る。だけど、このスキル針崩烙はりほうらくは1日に一回しか使えないからあまり使いたくなかったが、今使うしかない。ハイベアー本体に使いたかったけど、体毛が邪魔すぎて今まで使えなかった。そもそも、ハイベアーの肉に当たらなければ本体を崩壊することはできない。それなら、魔法陣を消す為に使うしかなかった。


 そして、針崩烙はりほうらくによってハイベアーの魔法陣を消す事に成功した。


 ハイベアーは大きな前足であたいに殴りかかってきたが、ミツバチの兵士達の防御魔法によって攻撃を防いだ。


「主人様はまだこないわけ!!!」


「そんなの分かりませんわ! 私達は耐え凌ぐことしかできません」


「あんた達はもっと戦うことを学ぶ方がいいんじゃないか」


「それなら、貴方達は防御する事を学んでください」


 東の女王とあたいは少しだけ言い合いをしていたら兵士が叫んだ。


「姉御! 今すぐに逃げて」


 兵士の声が聞こえた瞬間、東の女王の足元の地面に魔法陣が出現した。


 まずい、こいつは東の女王を狙ってたんだ。


「させるかよ!!!!」


「きゃっ!!!」


 あたいは全力で東の女王を押して魔法陣から脱出させた。そして、あたいは竜巻をもろに受けた。


「こんぐらいのそよ風で、あたいが負けるわけないだろ!!!」


 正直に話しますと、キツイ、魔法で作られた風だから当たると痛いし、あたいの羽根がとれそうな程の強風。主人様はいつになったら助けに来てくれるのよ!!! あたい十分頑張ってると思うんだけど!!!


「北の女王!!! どうして私を」


 一方、観戦していた緑癒と藍介は北の女王が竜巻に囚われてしまったのを確認するとすぐさま加勢する事に決めた。


「これは、いけませんよ! 藍介さん早く魔法を!」


「わかってますよ。風矢ウィンドアロー!!!」


 藍介は風矢ウィンドアローを竜巻目掛けて放った。


 風矢ウィンドアローは竜巻に命中すると、竜巻の向きとは違う風を作り出し、竜巻を相殺した。


「怪我をした方! 僕の鱗粉で治してあげますよ」


 藍介を頭に乗せた緑癒は蜂達の元へ駆けつけた。


「援護ありがとうございます!!!」


「あたいはあんたらに助けて貰わなくても余裕だったんだからな」


 あたいを助けてくれてありがとう!!!!


「皆さん下がってください! 私の魔法でハイベアーを消し炭にしてやります!」


 藍介の側にいたフヨフヨさんが赤く光り始めた。すると、ハイベアーに高速で近付いて来ている人物がいた。


「熊鍋にしてやるわ!!!!!!!」


 それは、凄まじい勢いで魔石の上に乗って飛んでくる主人様でした。主人様からが放つ殺気はあたいが今までの人生で感じたことのない程の殺気だった。


 ハイベアーは主人様の殺気と強大な魔力量に恐れをなしてあたい達と戦うのをやめて、主人様から逃げるように走り去った。


「くそぉがぁ!!!! 逃げるんじゃないわよ!!! 熊之助の仇は私がとるんだから!!!!」


 主人様は逃げるハイベアーを追いかけて行った。


 あたい達は主人様によって助かったのであった。


 あの、これは主人様の作戦なんですよね? なんで、あんなに怒ってハイベアーを追いかけているの?


「北の女王、私達と共に戦ってくれてありがとうございます。私達だけではハイベアーを食い止める事ができませんでした。それに、私を助けていただきありがとうございます」


「あたいはやりたいようにしただけよ」


 東の女王はあたいに近付くと兵士達には届かない小さな思念であたいに伝えた。


「今度、貴方と2人きりでお話がしたいわ」


「え!? あ、あ、あたいはあんたと2人で話すような事ないけど」


「そんな、寂しいこと言わないでください。私貴方が女王になってからずっと仲良くしたいなと思っていたんです」


「しかたないわね。今日は疲れたから帰るけど、今度1人で会いに行ってあげるわよ」


「ありがとうございます。楽しみにしていますね」


 やったー!!!!! 主人様! とうとう東の女王と2人きりで話す事ができます!!! 主人様の作戦は完璧ですね!!!!

おまけ『逃げ切るハイベアー』


 ハイベアーはこれまでの人生の中で生命の危機を感じたことは一度もなかった。だが、今回は違かった。


 ハチミツの香りを嗅ぎつけて巨大な蜂の巣を見つけたハイベアーは巣目掛けて走った。すると、蜂達が攻撃してきたが、痛いちゃ痛いが、死ぬ程の攻撃じゃなかったので巣に近付く事だけを考えて歩いていた。


 流石に長く攻撃されるので魔法を使い蜂達を蹴散らす事に決めた。


 その後、強大な魔力を持つ化け物に出会い。ハイベアーは恐怖した。


 こんな強大な魔力と殺気を感じ命の危機を悟りすぐに逃げる事にした。


 逃げ出したものの化け物は追いかけてくる。花畑をから去り、森の中を走っていたが。それでも、化け物は追いかけてくる。とうとう、森から出ると化け物から逃げる事に成功した。


 ハイベアーはもうこんな森には一生近付かないと誓ったのであった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 作戦終了。無事、お友達に成れました。 [一言] 逃げ切れた、そして誤解されたままになった。……鍋はまた今度ですね。
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