主人様の言った通りに
あたいは主人様に言われた通りにあたいの群れの中で強い兵士達を連れて東の花畑に向かった。
主人様は東の女王を助けにいけば、仲良くなれると言っていたけど助かるって何を助ければいいんだろう? それに、兵士達を連れって行ったら余計東の女王が警戒してしまうと思うんだけどな。
花畑であたいは兵士達といっしょに飛んでいると、東の女王が護衛を連れて会いにきた。
「どうして、兵士達を連れてきているのですが。もしかして、昨日の続きということでしょうか」
「あたいが何しようとお前には関係ないだろ!」
「姉御の言う通りだ!」
「今日は喧嘩をしに来たわけじゃないのですか?」
「喧嘩したいならあたいが買ってやろうか!」
「私はただ疑問に思っただけなのにどうして、貴方は喧嘩早いのですか。貴方は長同士仲良くなろうとは、思わないのですか?」
「なんだい、あんたはあたいと仲良くなりたいのかい。それなら、蜜をあたいらによこしな。それなら、仲良くしてやってもいいわよ」
「そんなに蜜が欲しいのです」
「女王様!!! 今すぐにお逃げになってください!!!」
ミツバチが慌てた様子で飛んできた。
「急に逃げろとはどう言うことなのですか」
「ハイベアーが巣目掛けて走ってきているのです」
「ハイベアー!? おいおい、どうして外に住む魔物がここにいるんだ?」
えっ!? は、は、ハイベアー!? どうして、森の外の魔物がここまでこれているの! そうか! ハイベアーから東の女王を助ければいいのか! 主人様はどうやってハイベアーを連れて来たのかしら? まぁ、主人様が関与していれば兵士達を失うことはないわよね。これは、主人様の作戦だしあたいは全力でハイベアーを倒せばいいってことね。怖いけど、主人様がいるなら大丈夫よ!
「多分ですが、蜜の香りに誘われて来たのではないのでしょうか」
「今すぐに防御陣形を」
「そしたら、こいつの討伐はあたいらの仕事だね」
「え!? 戦うなんて無謀ですよ」
「ハイベアーなんかにあたいらが負けるかよ。なぁ! あんた達! あたいらの方が強いよな!!!」
「姉御!ハイベアーなんか余裕ですよ」
あたいと兵士達はハイベアーに攻撃を開始した。
「あんた達あたいに続けー!!!」
あたいは顎を使い漆黒のハイベアーの耳を噛みちぎった。ハイベアーの耳から血が出た。兵士達もあたいに続き、尻の針でハイベアーの体を刺し始めた。
この調子ならハイベアーを倒す事が出来るわね。なんだ、案外弱いじゃない。ベアー系の上位種と言う話を聞いたことあるけどあたい達の敵ではなかったわね。それとも、主人様があらかじめ弱いハイベアーを連れて来てくれたのかしら?
あたい達はハイベアーに猛攻撃をかけているが、ハイベアーの体力は想像以上に高く、あたい達の毒を喰らっていても東の女王の巣へ向かってハイベアーは歩いていた。
「姉御! もしかして、俺らの攻撃が全く効いていないんじゃないか!!!」
「そんな事ないわよ。あたいは耳を噛みちぎってやったのよ」
あたいが噛みちぎったハイベアーの耳を見ると耳が治っていた。
「ハイベアーって回復魔法が使えるの!?」
「姉御のどうします。これじゃあ、こいつを倒せられませんぜ」
「そんなの攻撃し続けるしかないでしょ! 弱点に一点に集中して攻撃するわよ! あんた達!ハイベアーの目を攻撃しなさい! 胴を攻撃しても体毛でそれほどダメージを負わせてられてないわ! それなら、体毛がないところを一旦集中して叩くのよ!!!」
「へい! おめぇら! 姉御の言う通りに動くぞ!」
「合点承知!」
「ヒャッハァー!!!!」
ハイベアーの目を攻撃し始めたらハイベアーは堪らず、巣に向かうのを止めてあたい達に攻撃を始めた。
あたい達はハイベアーの腕から繰り出される衝撃波を避けながら攻撃していた。
「私達も協力いたします」
東の女王が兵士達を引き連れてあたい達に加勢してくれた。
「あんたは巣にでも引きこもってればいいんだよ!」
「そんなことできません。私達の為に戦ってもらっているのに何もできないなんて私は嫌です」
「死ぬんじゃねぇぞ」
「私は死にに来たわけではありません。貴方と共に敵を打ち倒す為に来たのです。防御陣形! 花円! 攻撃してくれているスズメバチの兵士を守るのです!!!」
「はい! 仰せのままに!!!」
ミツバチ達は1チーム5人をスズメバチの兵士達分のチームを作り、スズメバチ兵士1人につき5人のミツバチがスズメバチを守り始めた。
ミツバチは5人で円を作り、5人で一つの防御壁魔法を展開していた。
「守りは私達が得意とすること、攻撃は任せましたよ」
「へっ、なかなかやるじゃねぇか。あんた達! 攻撃に専念しな!!! 攻撃司令!!!」
あたいは司令スキルである攻撃司令を発動した。攻撃対象に対して、あたいの配下が攻撃した場合、攻撃している配下の筋力が上がるスキルである。
防御のミツバチ、攻撃のスズメバチまさか共闘する事になるなんて思いもしなかったわ。これなら、あたいの兵士達も東の女王の配下と信頼関係が築くことが出来る。主人様はあたいと東の女王の仲だけではなく、種族全体での仲を取り持ったのね! 主人様はなんて素晴らしいのかしら!!!
ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。