仲良くなりたい女王
私は北の長である女王と森の中で2人きりで話すことになったんだけど、彼女は辺りを確認すると私に頭を下げて謝ってきた。
「主人様!!! あの様な口の聞き方をしてしまい、本当に申し訳ございません!!! あたいはその、兵士達の前に立っていると言葉が荒くなってしまってつい、兵士達の前では頼れる姉御を演じてしまうのです」
「あー、そう言うことね。だから、銀次は2人きりで話してくださいと言ったのね」
「本当に申し訳ごさいません!!!」
「貴方はなんで、東の長を襲おうとしたのかしら?」
「それは、あたいはただ東の女王である彼女と話してみたくて会いにいったんですが、兵士達が勝手に付いてきてしまってそれで」
「それで、仲良くなりたいのに喧嘩をふっかけちゃったのね」
「はい。そうなんです。あたいに向けられている兵士達の期待を裏切りたくないんです。でも、彼女にどうしても話をしてみたくて、出来れば、友達とかなれたらいいなと考えていたんです。だから、何度もこっそり巣から出てこっそり会おうとした時もあったのですが、その都度兵士に見つかってしまい。それでこんな事になっちゃったんです!!! あたいは女王失格です!!!」
「貴方の言い分は分かったけど、被害者である彼女にはキチンと説明するべきだと思うわ。兵士達にもちゃんと自分の気持ちを伝えないといけないと思うし、兵士達の期待を応えようとする貴方は素晴らしいわよ。だけど、それで他人に迷惑はかけちゃいけないわ。そう言えば、食糧がなんとか言ってたけど、本当は食糧目当てじゃないのよね?」
「はい! 冬を越す分の食糧は毎年確保していますし、兵士達にも食糧は行き渡らせてます」
「食糧不足ではないと、うーん、ねぇ、貴方は彼女と仲良くなりたいのよね? それなら、私にいいアイデアがあるんだけど、どうかしら?」
「主人様!!! お願いです。あたいは彼女と仲良くなりたんです。なんだっていたします! そのアイデアを教えてください!!!」
「いいでしょう。それはね」
私は北の女王にある作戦を話してみた。
彼女はその作戦を承諾して明日作戦を実行する事になった。
「主人様。馬鹿なあたいにここまでしてくれるなんて、本当にありがとうございます!!!」
「馬鹿なんて言わないの、私だって期待に応えようとすることがどんなに難しいか知っているし、貴方が頑張って長として仲間達から信頼されようとしているのは良い事よ。でも、周りに流されちゃうのはいけないから反省するように」
「はい。反省します」
「明日の作戦準備は私が全部やっとくから、貴方は出来るだけ強い兵士を連れて花畑に来てね。怪我をした時は緑癒に話を通しておくから大丈夫よ。思いっきり戦ってね」
「はい! あたい戦うのは得意なんですよ!」
「それなら、良かったわ。銀次と藍介、緑癒には私から話をつけておくわ」
「主人様があたい達のトップになってくれて本当に嬉しいです」
「花畑に戻るわよ」
「はい!」
私は北の女王と花畑に向かった。
北の女王は兵士達の所に向かった。
「あんた達! 今すぐに帰るわよ!!!」
「姉御大丈夫でしたか、お怪我は」
「何もされてないわよ。それより、彼女はあたい達のトップになってくれるみたいだから、あんた達! 彼女を怒らず行為はするんじゃねぇぞ!!!」
「ひぃぃい!はい! 分かりました」
「それじゃあ、あたい達は帰る。その、今回は主人様に免じて見逃してやるからな!!!」
北の女王は東の女王にそう言い放つと兵士達を連れて自身の巣へと帰って行った。
「主人様、北の女王に何を言ったのですか? あの人が簡単に帰ってくれるなんて初めてです」
「まぁ、色々話ししたのよ。彼女も悪い面があるけど、良い面もあるわ。今まで起こった出来事を全てを水に流せとは言わないけど、私としては彼女達と仲良くして欲しいのよ」
「主人様がそうおっしゃるのでしたら、私は貴方の言う通りにいたします」
「ありがとう。それで、名前なんだけど北の女王帰っちゃったから明日でいい?」
「はい! 明日で大丈夫です」
「それじゃあ、私達も帰るわよ!」
ネルガルが槍で金色丸を攻撃していた。金色丸は槍を体で受けていたが、彼の体は傷一つ付いていなかった。
「え〜、もう帰っちゃうの〜。ネルガルと金色丸の試合楽しいのに〜」
「なに、喧嘩しているの! こら! これ以上戦うなら私も参加するけどいいのかしら!!!」
「凪さん、馬鹿に礼儀を教えるには痛みを与えないといけないんだ」
「礼儀ってネルガル一体金色丸に何されたのよ?」
「じゃあ〜俺が話すね〜。金色丸が〜、ネルガルの事をかわいい子ちゃんって言って〜交尾しようとしたんだよ〜」
「ネルガル、どんまい! さぁ! みんな帰るわよ!」
「えっ!? もしかして、俺を置いていくのか」
「ネルガル、金色丸の教育頑張ってね! 期待しているわ!!! 銀次! ネルガルと一緒に金色丸にマナーを教えてあげてね」
「なっ、儂がなぜ!?」
「銀次ネルガルの事をよろしくね!」
「銀ジィとネルガル頑張ってね〜。俺〜、心の中で〜、応援してるね〜」
「ネルガルまじでドンマイだな!!! 教育係頑張れよ!!!」
ライネルは嬉しそうにネルガルの肩を叩いた。
「頑張れよ!!!」
花茶はライネルの真似をしてネルガルの肩を優しく叩いてあげていた。
「嘘だろ、紫水!!! 俺と一緒にって!? もう走り始めてるだと」
「ネルガルと言ったか、その、金色丸のせいですまぬな」
「もうやけだやけ! 銀次! 俺と一緒に馬鹿を教育するぞ!!!」
「はい、儂も微力ながらお手伝いします」
置いて行かれたネルガルはその後、金色丸と戦い彼にボロボロになりながら、銀次と2人で金色丸にマナーを教えてあげたのでした。
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