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森の長達

 私が銀次と金色丸を引き連れて花畑に到着すると、スズメバチは蔦で拘束されていた。


「主人様!!! 蜂達の争いを止めることに成功しました!」


「花茶が蔦でスズメバチさん達をぐるぐる巻きにして拘束したんだよ!!! 花茶さいきょー!!!!」


「藍介と花茶すごいわね!!!」


「えっへん! 花茶はすごいんだぞー!!!」


 花茶は隣にいた蔦で拘束されているライネルに威張った。緑癒はまだライネルに担がれていた。


 ライネル、花茶と緑癒のおもちゃになっちゃっているわね。まぁ、仲良しなのは良い事よね!


「なんで俺まで拘束されてるんだよ!!!」


「だって、スズメバチさんの近くにいるの気付かなくて一緒に捕まえちゃった! てへっ」


「てへっじゃねぇよ!!! 今すぐに解けって!」


「はーい」


「ライネルさんはおっちょこちょいなんですね!」


「俺がおっちょこちょいじゃないだろ! これはどう見ても花茶がおっちょこちょいなだけだろ!!!」


「てへっ!」


「てへっで済ますな!!!」


「仕方ないわね。私が蔦切ってあげるから動かないでね」


 私はライネルを拘束している蔦をナイフで切ってあげた。


「ありがとうな」


「主人様、後ろにいるのは森の長の方でしょうか?」


「えぇ、銀次! 金色丸! こっちに来なさい!」


「はい、お初にお目にかかります。西エリアを管理している銀次と申します」


「オラは! 金色丸! 南エリアの長だ!」


「銀次さんに金色丸さんですね。ん? そしたら、今花畑には4つのエリアの長達が集まっているということになりますね!」


「そうなるわよね! 長を見つけに行くの時間かかると思ったけどラッキーじゃない!」


「藍介様、そちらの方がもしかして、私達の主人様なのでしょうか?」


 大きなミツバチが藍介に話しかけていた。彼女が、東の女王ね。頭に花冠を被っていて可愛いわね。


「初めまして、私の名前は凪。魔蟲の森の主人にこの前なったばかりだから、私に至らないところもあると思うけどよろしくね」


「そんな至らないなんて、私達の主人として居てくれるだけでとても心強いです。私は東のエリアを任されている名前がないので東の長とお呼びください」


「西の長と南の長には名前つけてあげたから、貴方の名前も考えていいかしら?」


「私に名前ですか!? そんな、私なんかに名前を付けていただけるなんて、私に名前など勿体無いです」


「そんなことないわよ。貴方の家とっても立派ね! それに、貴方はキチンと長としてこのエリアを管理しているのだから自分を卑下しなくてもいいのよ」


「それでしたら、有り難く名前を頂戴いたします」


「うんうん! あとは、北の長か。ねぇ藍介、北の長はどうして東の長と敵対しているの?」


「スズメバチとミツバチには因縁があるらしく、犬猿の仲ということみたいですね」


「それで、北の長は東の長に喧嘩をふっかけにきたという事なのね。そうよね、私のいた世界でもスズメバチって攻撃的ってニュースでやってたし、ミツバチを襲うって言ってたわよね。異世界でもスズメバチとミツバチはそういう仲という訳ね。よし! 北の長が誰なのか教えてもらえないかしら直接話を聞きたいわ」


「かしこまりました。彼女を連れてきますね」


 藍介は花茶と一緒に蔦で拘束されている右眼に傷跡が残っているスズメバチを連れてきた。


「貴方が北の長ね。どうして、東の長を襲ったのかしら」


「へっ! なんであたいが、あんたに話さなきゃいけないわけ? てか、あんた誰よ! あたいよりも偉いってわけ?」


 北の長はまさかのヤンキーだった!? うわっ、私ヤンキーと話すの初めてだからなんて言ったらいいんだろう? でも、私の方が森の主人なんだから、長達よりも偉いわよね? ヤンキーに舐められると面倒事になりそうだから、これは強気に行くしかないわね!!! 頑張るのよ私!!!


「私はこの森の主人となった凪と言うわ。主人なんだから貴方よりも私の方が偉いと思うのだけど違うかしら?」


「主人様、こんなナヨナヨした人間があたい達の主人様なんて笑えるんですけど!!! クワジィはこんな弱そうな奴があたい達の主人でいいわけ!!!」


「儂は主人様から銀次と言う名を貰った。北の女王よお主の言葉と本音は違うのであろう。主人様、すみませんが、彼女と話すのはここではなく森の中で2人きりで話してもらえませんかね」


「ん? どうして森へ行って2人きりで話さないといけないの?」


「主人様どうかお願いします。さすれば、彼女は本音を言えますから」


「うーん、分かったわよ。それじゃあ、北の長は私と一緒に森へ入るわよ」


 私は森は歩き始めた。


「なんで、あたいがこんな奴なんかと話さなきゃいけないのよ!」


「ほら、北の女王早く主人様に着いて行かんか!」


「そんな、怒らなくてもいいじゃない」


『それと、クワジィありがとう』


「ほんと、難儀な性格よな」


 私が歩いていると紫水が付いてきた。


「紫水はあっちで藍介の手伝いをしてあげて頂戴」


「え〜、主人様を1人で行かせるのは危ないよ〜」


「大丈夫よ。私だって強いんだからね」


「でも〜」


「心配してくれてありがとう。でも、彼女は蔦で自由に動けなくなっている訳だし、攻撃されても自動魔石防御壁オートクリスタルウォールがあるから大丈夫! ほら、ネルガルが金色丸に攻撃されそうになっているから助けてあげて」


「え〜、って! ネルガルなんで金色丸と戦おうとしてるの〜!? 仕方ないな〜、俺が助けに行ってくるね〜」


 私は些細の頭を撫でてあげて紫水は金色丸に槍を構えているネルガルを助けに向かった。


 私と北の長は森へ入り、彼女の話を聞くことになった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 孫に甘いおじいちゃんの図♪ [気になる点] 女性と観れば!なんでしょうね、このおバカさんは。で、それを守る……便利な盾?かな。 [一言] ようやく本音で話せる……コマッタさんですね(笑)
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