表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

162/593

俺はもうやらねぇ!!!

 俺がパンツ一丁でベッドで寝ていると、何かが俺の体に乗っかってきた。重い、でも、このフワフワな感触、もしかして緑癒の野郎がまた俺の上に乗りやがったな!!!


「おい! 緑癒! てめぇ! 急に俺の体の上に乗るんじゃねぇぞ!!!」


 俺は目を開けると、予想通り緑癒が俺の体の上に乗って俺の体の上で寛いでいやがった。


「おや、大声あげなくても起きてくれましたか」


「おやじゃねぇ! 重てぇから降りろよ!」


「解呪してあげた恩人に対して冷たくありませんかね」


「重てぇんだよ」


 俺は体を必死に動かして緑癒から離れることに成功した。すると、隣の部屋にいたネルガルが大声をあげた。


「うわぁっ!? 急に水掛けるなよ!!!」


 俺の方がまだマシだったかもしれねぇな。


「紫水容赦ないですね。紫水よりも僕の起こし方の方が良いと思いませんか」


「あぁ、重たかっただけだからな。あのよ、緑癒何で俺達を起こしにきたんだ?」


「それは、藍介さんが2人の朝食を作ってくれるみたいでして、それで起こしにきたのですよ。ついでに、呪い残っていないか確認しにきました」


「呪いの確認がついでかよ。あのゴキブリって飯作れるのかよ、おにぎりはまぁ、茶碗使ってたから食えたが、ダメだ、どうやってまともな料理が作られるか全く想像できねぇ」


「藍介さんの料理はとっても美味しいと評判なんですよ。僕は食事を摂りませんか、主人様も毎日藍介さんの料理を口にしてきますよ」


「あの女、やっぱりすげぇやつなんだな」


「あの女というのはやめて欲しいですね。主人、様は付けなくても許してあげますので、僕達の主人様を呼ぶ時は主人と呼んでくださいね」


 緑癒は俺の頭をペシペシと前足で叩いてきた。痛くわねぇんだけどよ。なんか、うざいなこれ。


「分かったって、主人って呼べばいいんだろ! 俺の頭を叩くなって」


「呪いは確認できなかったので、完全に解呪が成功していますね。まだ、朝食が出来るまで時間があるので、ゆっくりと身支度できますよ」


「すまないが、俺の部屋から出ていってくれないか」


「えー、それは嫌ですね」


「何でだよ!」


「人型の身体を観察したいと思いまして」


 俺は咄嗟に体を手で隠した。


「お前! メスなのかよ!」


「いえ、僕はオスですけど?」


「じゃあ、何で俺の身体を観察してぇんだよ!!!」


「僕は人型に憧れていまして、どうにかして人型になれないのかと考えているのですよ。それで、肉体を観察したいなと」


「人型憧れている? なんで、憧れているんだぁ?」


「主人様と交尾をしたいからです!!!」


「ブハァ!!!!まじか! 直球すぎるな!!! 主人の事が好きなのかよ」


「えぇ、僕にとっての主人様は心の癒しであり、拠り所、僕は主人様と愛しあいたいのです」


「今の体じゃ無理なのは分かってるんだな」


「そりゃあ、この身体の陰部は主人様の体に適していないので今の状態で交尾できない事はわかっています。ですが、そこで諦め切れる訳がないですからね」


「笑わせてもらったお礼だ、俺の身体を存分に観察しやがれ!!!」


「ライネルさん、ありがとうございます!!! それなら、かっこいいポーズをしてくれませんか?」


「いいぜ! これはどうよ!」


 俺はパンイチで色々なポーズをとっていった。


 コンコンと俺の部屋のドアを叩く音がした。


「ライネル、入るぞ」


 俺が緑癒の為にカッコいいポーズを決めている最中にネルガルの馬鹿が勝手に俺の部屋に入ってきやがった。


「うわっ、ライネル何やってるんだ。ぷっ、ふふ、あっ、ごめん、取り込み中だったんだな」


 ネルガルの野郎、俺のこの姿を見て笑いやがったな!!! 同じ目にあったら、俺もめっちゃくちゃ笑ってやるからな!!!


「うげっ〜! 魔人君パンツ一丁で何やってるんだよ〜。そんなに自分の体に自信があるんだねぇ〜。まぁ〜、魔人君の部屋だし〜、パンツ一丁でもいいけどさぁ〜。主人様の前ではちゃんと洋服着てね〜。それか〜、俺がお洋服着せてあげようか〜?」


 俺はこの状況に恥ずかしくなってきた。そこまで言わなくてもいいんじゃねぇか!!!


「ライネルさんには僕のお願いを聞いて貰っていたのですよ」


「へぇ〜、どんなお願い〜?」


「人型の身体を観察したいなと」


「緑癒〜、そんな趣味があったなんて〜。俺知らなかったな〜。魔人君ごめんね〜。魔人君は変な趣味があったんだな〜って考えちゃったよ〜」


「緑癒、俺はもうかっこいいポーズなんてしねぇからな!」


「え〜、カッコいいポーズ良かったよ〜。もっと緑癒の為にやってあげてよ〜。そうだ〜! 魚君にもやってもらおうか〜! ほら〜、魚君服脱いで〜」


「俺で遊ぶんじゃねぇ!!!」


 ネルガルは服を脱ごうとしなかったから紫水の野郎に強制的に服を脱がされていた。


「俺の服を脱がそうとするんじゃない!!! こら! 俺の服を返せ紫水!!!」


「ははは!!! ざまぁねぇな!!!」


 パンイチ状態の俺とネルガルは同時にポーズを決めた。すると、紫水と緑癒はゲラゲラと笑っていた。


 なんで、朝からこいつらの機嫌取りをしなきゃあいけねぇんだよ!!!!

 


ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] おもちゃにされている……なごんでますね~♪ [気になる点] この二人を観察してみて解るの?魔族だけど? [一言] 次はG兄妹が起こしに来たら……面白いと思いません♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ