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侵入者対策会議

 魔王軍の人達が帰った後、私は虫達を集合させて侵入者対策会議を開催した。


「それでは、引き続き私が司会進行役を務めさせていただきます。今回の議題は侵入者が現れた際の対処法となります。何か意見のある方は挙手をお願いします」


「あのよぉ」


 ライネルが手を上げた。


「はい、ライネルさんどうぞ!」


「いや、俺とネルガルが参加してるのっていいのかよ」


「別に問題ないわよ」


「ないのかよ!」


「主人様が問題ないとおっしゃっているので大丈夫です。何か名案がありましたらどうぞ話してください」


「手ぇ上げちまったから言うしかねぇか」


「ライネルさんどうぞ!」


「俺は洞窟を全て知っている訳じゃねぇが、ムカデしかいなかったのはどうしてなんだ? ムカデ以外にも強い奴はいるのに固まりすぎなんじゃねぇか?」


「それは、ムカデ達の住処が一層目となっているので、固まってしまうのですよね」


「一層? それなら、このダンジョンは何層に分かれているんだ?」


「魚君〜、俺が教えてあげるよ〜」


 紫水がダンジョンの構造の説明をしてくれた。


「ダンジョンがこいつらの家かぁ。そうだな、今思うとダンジョンに出てくる魔物は大体同じ種族だよなぁ」


「どうしてダンジョンに入ると襲われるのか納得できたな」


「魚君の家に〜、知らない人が〜勝手に入ってきて〜、家にある物を盗もうとしてたら〜怒るよね〜」


「あぁ、そうだな。気絶させて兵士に突き出すな」


「家に入ってきたら倒すのか、それとも家に入る前に倒す。どっちを考えるんだよぉ。それによっては、対策方法が変わるぜ」


「そうね。それなら、家に入られる前に倒したいわね。だから、私考えたのだけど、偽のダンジョンを作ってみない」


「ダンジョンを作るのですか!? 主人様の力なら出来なくも無いですが、どこに作るのですか?」


「おいおい、ダンジョン作るっておもしれぇこと言いやがんな! そんな事出来る訳ないだろがよぉ」


「それは、つまり、魔蟲の洞窟と同じ洞窟を作るって事だよな。洞窟を掘るのに時間が掛かるしその労働力はどこで補うんだ」


「そこなのよね。土を掘るのが得意な子ってどのぐらいいるのかしら?」


「土を掘る、藍介さんあの方達なら魔蟲の洞窟と同じ洞窟を作ってくれそうではないかしら」


「紅姫さん、あの方達との交渉するのは大変ですよ」


「藍介、紅姫が言っているあの方達って誰のことなの?」


「あー! 花茶知ってるよ! 蟻さん達だよ!」


「蟻。蟻なら土を掘るの上手よね! でも、私1年間暮らしてきたけど、一度も蟻を見たことないわよ?」


「主人様、蟻達とは一度衝突をして以来、交流していないのです」


「衝突って何があったの?」


「それはですね」


 藍介が話すには、ある日3層目に知らない横穴が出現して、そこから大量の蟻達が洞窟に侵入。蟻が子供を育てるのに必要以上の狩をし始めたせいで蟻達と衝突。それ以降は蟻達と関わらないようになったみたい。


「蟻達と交渉できるのか些か疑問ですね」


「ですが、わたくしは洞窟を作るのには蟻達が適任なのではないかと思いますわ」


「おい、偽のダンジョンを作ったとしてもここの入り口を知られていたら意味がないんじゃ」


「魚君の言うとおりだと思うな〜。それなら〜、毎日入口を守る人を決めればいいんじゃない〜?」


「でも、入口を守ると言っても守れる限度があるし、偽のダンジョンなら罠を仕掛けても他の子達には影響がなくなるでしょ。魔蟲の洞窟には毒の罠と蜘蛛の巣しか無いわよね」


「主人様私が蜘蛛の巣沢山作ってあげるわ!」


「白桜ありがとう。でも、蜘蛛の巣だと他の子達が自由に動けなくなっちゃうから程々にして欲しいわ」


「やはり、蟻達に頼んでみますか?」


「できる事ならお願いしてみたいわね」


「その場合、蟻達の住処を探さないといけませんね」


「そうね。他にも何か案があれば話してみて頂戴」


 その後、1時間ぐらい話し合った結果、偽のダンジョンを作ることになった。その為には、蟻を見つけないといけないのだけど、捜索に時間が掛かりそうね。それなら、森の中をまだ探索していなかったから丁度いいわね。蟻を探すついでに、森を探索してみましょうか! でも、今日は帰って休むわよ!

帰宅途中のイデアとクティス


 イデアはある疑問が湧いた。イデアは、兵士を乗せた荷車を引っ張っているクティスに聞いてみた。


「私は凪さんと離れるのが辛かったのに、クティスはどうして凪さんから簡単に離れる事ができのですか?」


「ガウウガガルルガガウルゥ(沢山撫でてもらえたからだよ)」


「他には」


「ガウ? ガルガルガガウルゥガウ(他? 凪と一緒に布団で寝たからかな)」


「布団で寝た!? どうして、凪さんはクティスには甘いんだ。私ならもっと激しく甘い夜を提供できると言うのに!」


「ガウガ、ガウルゥ(多分、それが原因だと思うよ)」


「何が原因なのですか? 教えてください!!!」


「ガウ、ガウガガルガル?ガウルゥ!ガウガルルガガウ!(どうして、分からないのかな? そうか! 仕事のストレスのせいで頭がおかしくなったのか!)」


「まぁ、それは否定できませんか。ですが、クティスそれは言い過ぎではないでしょうか」


「ガウガ!(どんまい!)」


「はぁ、早く凪さんへのプレゼントを考えなくてはいけませんね」


 その間、兵士達は空の旅を楽しめる訳がなく恐怖で震えている者が多かったと言う。イデア達は無事に帰還したが、空を飛べる荷車は魔道具管理局、局長ドーレーラムが空を飛べる原理が知りたいと荷車をイデアから奪おうとした。イデアが抵抗した結果。荷車は、現在イデアの屋敷で保管することになった。


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