イデアの提案
「それでは、友好関係を結ぶという事で私から提案があります」
提案ってそれはどういうものかしら?
「それはどんな提案なのでしょうか?」
「それでは、ネルガル君とライネル君を匿ってもらえないでしょうか」
「匿うってどういう事なの?」
「さっき緑癒さんが話した事を踏まえると2人を軍へ戻るのは危険だと思ったからです」
「えっ!? 俺たち帰れねぇのかよ!」
「俺はリリアーナ様に直接話をしたいです!」
「ネルガル君、リリアーナに話した場合、君はリリアーナに殺される可能性がありますが、それでも帰りたいですか?」
「どうして、俺がリリアーナ様に殺されるのですか」
「あー、そういうことか。俺はここに残らせてもらうわ」
「ライネル!? お前どうしたんだよ!」
「おや、ライネル君は案外物分かりがいいのですね」
「ネルガル、緑癒様が話していた時に俺は言ったぜ。仕方ねぇ、俺がまとめて話してやんよ。まず最初に、俺たちよりも遥か格上がいるのに関わらず、リリアーナ様はそんな情報を俺達に伝えなかった。しかも、相手が弱いから簡単な仕事っていたのに、俺達に究極霊薬を渡したって事はよぉ。俺達が虫達よりも弱ぇから、これでも使って強くなれって事だろぉ。リリアーナ様が呪いを知っていたのなら、そんなの、死にいけと言っているって事じゃあねぇか。おい、ネルガルお前らしくねぇぞ、こんな簡単な事がわからねぇ訳じゃねぇだろ」
「ライネル君、貴方の脳は筋肉でできていると思っていたのでしたが違っていたのですね。貴方への評価を私は変えなければいけませんね」
うん、私もそう思ってた。
「イデア様それって、俺が馬鹿だっていいてぇのか」
「えぇ、貴方は暴れる事しか考えていないと思っていました」
「まぁ、普段の俺は暴れればいいって考えていたからな」
「ライネルが馬鹿にされて怒らないだと、明日雨降るんじゃないか!?」
「おい、ネルガル俺が言ったこと理解できたよなぁ? それなら、俺達はここに残るしか生きる道がねぇ。だから、魔蟲の洞窟の主人! 凪! 俺とネルガルをよろしく頼む! 住まわせてもらう以上、その分の仕事はする。力仕事なら自信があるから頼ってくれ」
「ええ、ライネルさんとネルガルさん魔蟲の洞窟に住む事を許可します。他の虫達には私から話を通しておくわ。それじゃあ、ライネル、ネルガル、これからよろしくね」
「おう! よろしくな!」
「魔人さんよろしくね!」
「おう! 花茶よろしく頼むぜ!」
「何勝手に俺を置いて話進めてるんだよ!」
すると、紫水は椅子に座っているネルガルの足に頭を乗せた。
「ちょっ!? 紫水! なんで、俺の太ももに頭乗せてるんだよ!」
「いや〜、魚君可哀想だから〜。俺が〜、慰めてあげようかなって〜」
ネルガルは涙が少し目から溢れた。
「紫水、ありがとうな」
ネルガルは作り笑いをしたが引きつっていた。
「俺が〜魚君の友達になってあげるね〜。それなら〜、寂しくないでしょ〜」
「さっきまで俺はお前の敵だったんだぞ」
「主人様が〜、許しているみたいだし〜、残るのが獣君じゃなくて〜、魚君と魔人君だから安心したよ〜」
「安心したってどう言うことだよ」
「それは後で話すよ〜」
「それでは、ネルガル君とライネル君はここに残ると言うことで、私は兵士を連れて戻らなければいけないので話し合いを終わらせてもらってもよろしいでしょうか」
「なぜ、貴方が仕切るのですか。進行役は私なので、勝手な事を言わないでください」
「私もそろそろ話し合いを終わらせてもいいと考えていたからいいわよ」
「主人様、かしこまりました。今回の話し合いはこれにて終了いたします」
イデアは兵士を集めて何か話しているようだった。
ふぅ、やっと終わった。めっちゃ、疲れたわ。
ネルガル、ライネルがまさかここに残るなんて、彼等の住む家用意してあげないといけないわね。それに、二人を攻撃しないようにって虫達に伝えなきゃ。それに、侵入者対策も考えないといけないわね。
考えないといけない事が多くて頭が痛くなりそうだわ。
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