猫被りのリリアーナ
私はリリアーナがどうしてイデアの仕事の邪魔をしたのか聞くことにした。
「どうして、リリアーナはイデアさんの仕事の邪魔をしたのかしら?」
「それはですね、彼女は現在、魔王様とお付き合いをしているのですが、他にも三翼の雷将ゴウライさんと不倫していますし、七翼のラックル君は彼女に惚れてしまっていて、彼と付き合うのも時間の問題ですね。私は一度、リリアーナに告白されましたが振りました。流石に魔王の恋人に手を出すことなんて、馬鹿がやる事です。それに、彼女は私の好みのタイプじゃないのでね!そう、私の好きな人は凪さん!です!」
「えっ!? 魔王の恋人なの!? 他にも付き合ってる人がいる!?」
私はイデアの告白をスルーする事にした。それにしても、まさか魔王の恋人になっているなんて驚いたわ。まぁ、私も初めてリリアーナを間近で見た時は綺麗だと思ったわよ。でも、あの性格よ。初対面の人に向かって不細工とかよく言えるわよね。あー、あの時を思い出すとムカついてきたわ。てか、魔王の恋人なのに不倫とか凄すぎない!?
「リリアーナ様が、魔王様の恋人!?」
ネルガルは知らなかったみたいだった。
「えぇ、それと貴方達の上司ゴウライさんと不倫している事をゴウライさんの妻、五翼のカーラーさんから直接聴きました。彼女から、不倫の話を聞いて私も耳を疑いましたよ。本当かどうか調査をした結果、ゴウライさんはリリアーナと不倫していましたからね」
「まじかよ。カーラー様可哀想すぎるだろ」
ライネルは上司の不倫の話を聞いて引いていた。
「そんな筈はない!リリアーナ様は純粋無垢でとっても優しい人だ! 不倫なんかしている訳ないだろ!」
「リリアーナが純粋無垢? ネルガルさんは一体誰の話をしているのですか? リリアーナは他人の物を欲しがる女であり、平気で嘘をつく精霊ですよ」
藍介はリリアーナに虐められてきた経験があるから、ネルガルが言う事が理解できないと言った感じだった。まぁ、藍介の態度は私も分かるわ。何度、リリアーナの愚痴を聞いたことか。気に食わないから湖に投げ飛ばされた話を聞いた時はそこまでしなくてもって思ったわよね。
「リリアーナは猫を被っているってことね」
「そんな、俺リリアーナ様の事」
「まさか、ネルガルがリリアーナ様に惚れていたなんて知らなかったぜ。まぁ、どんまいだな」
ライネルはネルガルを励ますように肩を叩いた。
リリアーナが猫を被っているのは分かったけど、リリアーナはイデアに気があるからイデアの仕事を手伝おうとしたのかしら? でも、藍介から聞いていたリリアーナならそんな事しないわよね? それなら、他に目的があるって事なのかしら?
「リリアーナはイデアさんの好感度稼ぎで仕事を手伝おうとしたのでしょうか? 私はそのような事であの女が動くとは思えないのですよ」
藍介が私が考えていた事を言ってくれた。ナイス藍介!
すると、緑癒が前足を挙げた。
「藍介さんすみません、僕気になる事があるので、ちょっと魔王軍の方に質問してもよろしいですか?」
「えぇ、話してみてください」
「それはですね」
急に緑癒どうしたんだろう? 何が気になるのかしら?
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