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羨ましがる獣

 朝の日差しで私は目が覚めた。


「あー、よく寝たわー」


「主人様、おはようございます!」


 挨拶をしてくれたのはエプロンを付けた藍介だった。


「藍介、おはよう」


 紫水はまだ、眠っていた。 起こすのは可哀想だから寝かせてあげましょうか。


「主人様おはよう!」


「花茶おはよう」


「うっ、もうたべれま」


 黄結姫は寝言を思念で周りに送ってしまっていた。

黄結姫、寝言を思念伝達で送れるって器用ね。


 クティスは仰向けてお腹を出ながら眠っていた。


「この子、警戒心がないのかしら?」


「どうなんでしょうか、私にもよく分からないですね。主人様、朝食の準備できてますよ」


「藍介ありがとう、お腹ぺこぺこよ。身支度したらすぐに行くわね」


 私は朝の身支度を済ませて藍介が作ってくれた朝食を食べた。


「主人様、魔王軍の方達をどうしますか?」


「出来れば、リリアーナの情報を聞き出したいわよね」


「えぇ、私のスキルを持ってしてもリリアーナが居る『魅惑の監獄』の場所が分からなかったですからね」


「どうしてリリアーナは監獄に行ったのかしら?」


「さぁ? その所の情報を聞き出せれば良いですが、彼らは話してくれるのでしょうか?」


「話してくれそうな人はいるじゃない」


「変態ですか」


「彼とはもう争いたくないわね。不死なんて、チートよチート!」


「あまり、主人様の側にいて欲しくないのですが、彼が主人様に向ける好意を使うしか無さそうですね」


「クティスが私を守ってくれるから多分大丈夫よ」


「油断は禁物ですよ」


「油断なんてしないわ」


 私達は魔王軍の人達が泊まった小屋へ向かった。


「主人様! おはようございます!」


 緑癒は床で倒れているライネルの上に乗っていた。


「どうして、彼の上に乗っているの?」


「掛け布団が一枚なかったので、僕が掛け布団代わりをしてあげているんです」


「重てぇ、フカフカたけどよ、重てぇよ」


 ライネルの目の下に濃い隈ができていた。


「凪さん! おはようございます! 凪さんは今日もとても美しく可愛らしいですね!」


 イデアは最高の笑顔で私に挨拶をしてした。


「イデアさんおはようございます」


「凪さんにおはようと私に言ってくれた! はぁぅうあ!!! 朝からこれは心臓に悪いです。はぁ、はぁ」


 イデアは心臓を抑え始めた。


「ガウウガ!(変な事するなよ!)」


「クティス、貴方、今まで何処にいたのですか?」


「ガウルゥガウウガガウ!(凪の家に泊まってた!)」


「はい? 今なんと?」


「ガウルゥガウウガガウ!(凪の家に泊まってた!)」


「えっ? 私が床で倒れている間に貴方は凪さんの家に泊まったと」


「ガウルゥガウウガ(凪と一緒に寝てた)」


「えっ? 凪さんと一緒に寝た。えっ、あの、どうしてクティスが凪さんと一緒に、私、床で」


「ガウガ!(どんまい!)」


「凪さん! どうしてクティスと寝たのですか!!!」


 イデアは私に迫ってきた。


「みんなで一緒に寝たのよ!」


 イケメンの顔が近いよぉ。


「クティス、貴方、くそぉ! 貴方は私のはずなのにどうして、凪さんと仲良くなっているのですが!!! 凪さんと仲良くなれる秘訣を教えてください!!!」


「ガウ、ガウガガウウ、ガウルゥグルルルル?(秘訣、そんなの分からないよ、イデアの行動が気持ち悪いんじゃない?)」


「気持ち悪い、ちょっと、言い過ぎじゃないですかね」


「ガウルグルル(冷静に今までの行動を思い返してみな)」


「そこまで、言わなくても。それにしても、羨ましい。凪さんの側で眠れるなんて、凪さん! 私と結婚を前提に付き合ってください!」


 唐突にイデアは告白してきた。


「結婚とか考えていないので、友達なら良いですよ」


 そもそも、貴方と出会ったの昨日なんですけど。


「友達ですか、出来れば、恋人からでどうでしょうか?」


 どうして恋人? 私、友達ならって言ったわよね?


「友達からで」


「私は魔王軍一の愛妻家です。私と結婚したら、貴方を一生幸せにして見せます。貴方を幸せにする力を私は持っています。権力、富、この体、全てを持って、貴方を全身全霊で幸せに」


「友達からで」


「はぅうぅう! はい! 友達からでも十分です!」


「それで、友達であるイデアさんにお願いがあるのですが良いですが?」


「はい! 貴方のお願いはすべて叶えてみせますとも!!!」


「それなら、貴方達と話し合いがしたいので魔王軍の皆さんに集まってもらっても良いですか?」


「かしこまりました。眠っている者を叩き起こしてきますね!」


「外で待ってるのでお願いしますね」


「はい! 任せてください!」


 イデアは眠っている彼らを叩き起こしに行ってくれた。


 よし! 話し合いする場の準備でもしましょうか!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ワンちゃん、リラックスできて良かったですね(笑) 泊めてもらっているのだから文句を言わない♪ [一言] お友達から……目の前のエサに食いつきました(笑)
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