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いただきます

 私達は、魔王軍の人達に完成したムカデスープを配った。


 ムカデスープは素材のどくをそのまま味わうことのできる。ムカデ達の執念が集まった。最高の毒スープとなっていた。


 うん、これ、私絶対に食べたくない。


 ムカデがそのままの姿で入ってる為、足とか触角がそのまま。見た目がグロすぎる。それに、何故か調味料とか入れていないのに、スープの色が紫色で禍々しいオーラーを放っていた。


「俺はこんなの食べねぇぞ!!!!」


 ライネルが器に入ったムカデスープを見て暴れ始めた。


「ライネル君は苦痛を味わいながら死にたいということでよろしいでしょうか?」


 暴れているライネルを見て、イデアはライネルに向けて殺気を放っても、ライネルは駄々を捏ねていた。


「これ、絶対毒入ってるよな」


「俺、死ぬのかな」


 兵士達もムカデスープを見て、食べるのを躊躇していた。


「魔王軍のみなさーん、毒が入ってても僕が治してあげますよ! まぁ、毒で何度か苦しんだ後に治してあげますよ!」


「このままじゃ拉致があかないな。俺が先に食うからお前達も俺に続け!」


 ネルガルは鼻をつまみながらムカデスープを飲んだ。


「うげぁっ! がはぁっ!」


 ネルガルは毒で顔が真っ青になり苦しみ始めた。ネルガルが毒で気絶しかけた時に緑癒はここぞとばかりに毒を治してあげた。


「ほら、貴方達! 死にたくなかったら食べなさい! それと、自身の糧になるのだから、感謝をこめていただきますと言ってから食べなさい!」


「皆さん、凪さんの言うことが分からないのですか。なら、死にたいようですね」


 イデア殺気を放った。


「いただきます!!!」


 兵士達は死に物狂いでムカデスープを食べ始めた。


「うげっ!」


「ごぼぉぅっ」


「ぶぎゃぼへぇっ」


 兵士達は悶え苦しみながらもムカデスープを食べた。


 食べ終わった兵士はライネルにムカデスープを食べされる手伝いをしてもらった。


「ほら、食べてください!俺達完食しましたよ!」


「死ぬかと思った、俺、魔王軍辞めて実家帰る」


「ライネル食べなきゃ殺されるから食べろ!」


 ライネルは必死に抵抗していた。


「俺はこれを食べるなら死を選ぶ!!!」


 これは、時間がかかりそうね。それなら、花茶に彼の事お願いしようかな?


「花茶、お願いがあるんだけど、彼と一緒にムカデスープ食べてくれない?」


「えっ! 食べていいの!?」


「食べていいよ。あっ、でも、全部は食べちゃダメだからね。彼に食べさせながらよ」


「やったー! お腹ぺこぺこだったんだー」


 花茶は嬉しそうにライネルの側に向かった。


「主人様がスープ食べていいって言ってくれたの! だから、魔人さんスープ頂戴!」


「お前、俺の分食べてくれるのか」


 ライネルは嬉しくて涙が溢れた。


「全部はダメって言われたけど、魔人さんは1杯食べて、残りは花茶が食べてあげる!」


「全部食べてくれないのか」


「それだと、弔いにならないでしょ」


「分かった。食えばいいんだろ! 食えば!」


「いっただきまーす!!!」


「ん? いただきますって何だ?」


「いただきます言わないの? えーと、お兄ちゃん!」


「はいはい、主人様もさっき仰っていましたが、いただきますは命に敬意と感謝を表す言葉なのです」


「感謝と敬意。わぁかったよ! いただきます!」


 ライネルはムカデスープを食べた。


「魔人さんこれ美味しいね。ちょっと身体ピリピリするけど、それも、面白いね!」


 花茶の食べるスピードはめっちゃくちゃ早かった。それほど、お腹が減っていたのね。


「ぐはぁっ、はぁ、はぁ、俺は獰喉どうこうのライネル!こんな所で負けるかよぉぉおおお!!!」


 ライネルは花茶が9杯食べた後にやっと、ムカデスープを完食した。


 ライネルは口から泡を吹いて地面に倒れていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そうだよね~。食材に感謝の念を送らないと。 [一言] それでは一言。   『アーメン♪』
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