絶望
私は疲労で頭が回らなくなっていた。
気持ち悪い、もう、こんな事したくない。
でも、これで終わったのよね。
私は仰向けで倒れている男の胸から魔石を消した。
貴方が私達を攻撃したのが、悪いのよ。
私はすべき事をしたまでだわ。
そう考えないと心もたなかった。
そうだ、壁、消さなきゃ。
私は洞窟へゆっくりと歩いた。
疲れた。
藍介、大丈夫かな。
お風呂入りたい。
布団に入って寝たい。
涙が頬を伝った。
怖い、辛い、誰か、私を。
洞窟を封鎖した魔石に触ろうとしたら、みんなの思念が送られてきた。
「主人様!!! 後ろ!!!」
一斉に送られてきた思念によって頭痛がした。
「後ろ!!!」
「後ろ!!!」
「主人様!!! 今すぐ逃げて!!!」
後ろってどういうことなの?
逃げてって誰から?
私は振り向いた。
ありえない光景がみえた。
地面に転がっていた男の亡骸がなくなり。
私に向かって血まみれの男が走ってきてきた。
私は恐怖で体が固まってしまった。
逃げなきゃ、殺される。
でも、体が言うことを聞いてくれない。
動かない。
男は両手を広げて走ってくる。
魔石の壁を。
自分で壁を作る時間がなかった。
でも、私には自動魔石防御壁がある。
だから、大丈夫。
男が目の前に来た。
自動魔石防御壁が発動すると私は思っていた。
だけど、自動魔石防御壁は起動しなかった。
なんで、まさか、魔力が足りなかったの。
私は死ぬの。
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