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覚悟はしていたが

 藍介の庇護プロテクトが9枚割れ、私は魔石の壁を作り魔力爆発を防いだ。


 危なかったわ。庇護プロテクトが2枚割れた時に壁作っといてよかった。じゃなきゃ私、死んでたかもしれないわ。でも、藍介、魔法を使って魔力を使い切った筈なのにまだこんな威力の魔力爆発を出せるぐらい魔力残っているなんて凄いとしか言いようがないわね。私みたいに魔力が無限なら分かるんだけど、どうやって短時間に魔力補給できたのかしら? 謎だわ。


 敵はと言うと、イデアは燕尾服が焼け、シャツ姿になっていた。クティスは口から煙をプハァッと出して、背中の毛が燃えていたので消化しようと地面に転がり始めた。


「まさか、クティスの毛で作った服が燃えてしまうとは、すごい威力でしたね。クティスもう火は消えてますよ」


「ガウガガガウガ!(こいつ殺していいかな!!!)」


「クティス、ダメですよ。凪さんが悲しんでしまいます」


「ガウガガウガ、グゥガウ(綺麗な人が悲しむのは嫌だな)」


 イデアは地面にひっくり返って気絶している藍介を拾おうとした時、私はフヨフヨさんを球体に変形させて、藍介をフヨフヨさんの中に入れて洞窟の中に避難させた。


「あの魔石も凪さんが作ったものなのですかね?」


「ガウガ、グガルガウ(僕に聞かれても、分からないよ)」


 あいつら、何度も私の想像を超えれば気が済むのよ!!!

どうしよう、これは、どうやって倒したらいいの、私が藍介の魔法を越えられるわけないじゃない! どうやったら、倒せるの、どうやったら、ん? 普通の攻撃だとダメージは入らない、それなら、内側から攻撃すれば、流石にダメージを負わす事できるわよね! そもそも、内側を攻撃されたら、生き物なら即死するよね? あの男も生き物よ。それなら、有効かもしれない!


 でも、内側から攻撃ってどうすればいいの? こう言う時に藍介の知識を借りたいのに。もう! なんで、1人で戦おうとするのよ! 無事に帰れたら説教決定ね!!!


 内側、内側、魔石を内側に入れることができたら、魔石を変形させて内側から攻撃いけるのでは!


 その攻撃を想像したら、私がこんなに恐ろしい事を考えたことに驚き、自分自身が怖くなった。


 こんな、怖いこと、私がやるの。でも、倒せるビジョンが見えたのはこれだけ‥‥。本当に私は出来るの。


 黄結姫が死にかけて時に私は相手を殺す覚悟ができたと思っていた。でも、実際は違っていた。私は覚悟が足りていなかった。


「この先どうなるか分からないし、やれることはやらなきゃ!!!」


 私は覚悟を決めてまず最初に洞窟を壁を作って封鎖、捕まえた人達を入れた家にも何も入らないように閉めた。あっ、ワンちゃんが連れてきてくれた魔人も家の中に入れたわ。後は、空気だけは通れるように魔法をかけておいたわ。だって、酸素なくなったら死んじゃうでしょ。その後、私は脆い魔石を大量に作った。


「凪さん! 今度はどんな風に楽しませてくれるのですか!」


「あんたを楽しませたくてやってるんじゃないけど! これでも喰らえぇぇぇぇええええ」


 私は脆く作った魔石達をイデアに向けて発射した。


「魔石での物理攻撃ということでしょうか?」


 イデアは大鎌を振り魔石を弾いていたが、今までの魔石の崩れ方とは違っていた。


 魔石達は大鎌に当たった瞬間に粉々になり、攻撃を防いでいると、辺りに一体に魔石の粉が充満していた。


 呼吸をしない生き物なんていないわ。魔石の粉が体の内部に入ったら後はこっちのものよ。


 私は砂みたいに小さくなった魔石達に集中した。


 あいつの中に少しだけ魔石の粉が入ったわね。でも、これだけじゃ塊を作ることはできない。もっと、中に入れないと。


「ガウガ! グガルガウガ!(楽しい! 簡単に壊れるね!)」


「凪さんは一体何を考えているのでしょうか?」


 男の内部に魔石の粉が十分に入った事を感じた私は男の内部にある魔石を変形させた。


「これでおしまいよ!!!」


 私は魔石の粉に魔力を送り、男の内部に入った魔石の粉が集まり、男の胸の辺りから魔石が内部から外へと体を貫いた。


「ぐはぁ!」


 男は口から血を吐き、仰向けで倒れた。 男の胸から生えている魔石は男の血で真っ赤に染まっていた。


「ガウガ?(イデア?)」


 5つ目の獣も吐血しその場で倒れた。


 私は自分自身で作ったこの光景を見て、自分自身が怖くなった。ゲームとかだと人を殺す事もあるじゃない、ゲームだから何も感じないだけで、実際に起きたら、きつい。


 私はその場で吐いた。

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