愛(胸)フルパワーで大爆発!!!
私は飛ばされかけていた藍介をすんでのところで捕まえることに成功して、飛ばされないように藍介を服の中に入れた。
これなら、飛ばされることはないでしょ。虫がましてやゴキブリが服の中に入っているなんて一年前の私だったら気絶ものよ。本当に、触ることに抵抗無くなってきたわね。これも、努力の賜物ってことよね!
藍介は私の服の中で悲鳴をあげていたけど、服の中なんて嫌だと思うけど、貴方の魔法が終わるまでの辛抱よ!
藍介を服の中に入れて5分程度かしら、フヨフヨさんは元の虹色に輝き、私の元に戻ってきた。真正面で超重力球を受けていた男は服についた埃を払っていた。
強力な魔法を目の前で受けたのにダメージ負ってないって怖すぎるんですけど!? 一方、魔法を放った本人はというと。
私は藍介を服から出して、藍介を手に乗せた。
「あるじしゃま。あるじしゃま、はううぅぅううう」
「ほら! 藍介! 次はどうするのよ!」
「はっ!!! 主人様!? ふぇぇえ、あるじしゃま」
「しっかりしなさい!!!」
森の中から戻ってきたワンちゃんは、私の元に走ってくるなり、青髪の魔人を目の前に置いて頭を下げ、嬉しそうに尻尾を振っていた。
えっと、これは撫でて欲しいのかな?
藍介を左手に乗せて右手で5つ目の獣の頭を撫でてあげた。
触ってみた感想は、ワンちゃんの頭は骨で守られているからゴツゴツしているわね。私に撫でられて、さっきよりも嬉しそうに尻尾をブンブンと振り始めた。
「ガウガ!!! ガウガ!!!」
「クティス!!! どうして、凪さんに頭を撫でてもらっているのですか!!! 私は何処か遠くへ飛ばされかけていたと言うのに酷いです!!!」
「グガルガウ!(頭撫でてもらってる!)」
「彼女とは今は敵対関係なのですよ。今すぐに戻りなさい!」
「ガゥ(わかったよ)」
クティスはあれほどブンブンと振っていた尻尾がショボンと下がり、一歩離れる度に私の方に振り向きながらイデアの元へ向かった。
「クティス、甘えたいのはわかりますが、今は堪えてください。私だって、仕事じゃなかったらこんな事したくありませんよ」
「グガル、ガウガ(仕事したくないけど、わかったよ)」
「わかれば宜しい」
「ガウガ! グガルガウガ!!!(よし! 仕事しようか!)」
「そうです、仕事が終われば遊べますから頑張りますよ!」
イデアとクティスが話し込んでいる間、私は藍介を正気に戻すために優しく藍介の体を叩いていた。
「しっかりしなさいよ!!!」
「あるじしゃま、しゃいこう」
「何言ってるが分からないんだけど、早く戻りなさいよ!」
ベシベシと藍介の背中を叩いた。
「ふぇ!? 主人様痛いですよ!」
「やっと、正気に戻ったわね、ほれ、藍介、あの人貴方の魔法を目の前で受けたのに全くダメージ負ってないわよ!」
「そんなことありませんよ、あの魔法は闇魔法の中で最上位魔法、呑み込まれたら最後、永遠に闇の中へ押し潰されながら体なんて消失する程の恐ろしい魔法だと言うのに」
「ほら! 見なさいよ!」
私は藍介を男の方に向けた。
「えええええええええ!!!! 目の前に放ったと言うのに何故ここにいるのですか!? こうなったら本当に最後の手段。魔力補給は十分に出来ていますので、主人様!!! 見ていてください!!! 私があの男を倒して見せます!!!」
藍介は私の手から飛び出した。
「あっ、ちょっと、藍介勝手に動かないでよ!!!」
「三重庇護、三重庇護、三重庇護!3回かければ大丈夫でしょう」
藍介は私に庇護をかけてくれたけど、何をするつもりなの!?
「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!」
「おや、また貴方ですか、次はどんな魔法で楽しませてくれるのでしょうか」
「ガウガ? (こんな奴居たっけ?)」
イデアは大鎌を構え、クティスは頭を傾げていた。
「愛大爆発!!!」
藍介から青色の光が放たれた瞬間、藍介は大爆発した。
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