表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/589

落ち着くのよ私!

 私は座椅子に座り、昨日の私に託された虫達を触れるようになる為には、どうすべきかを考えていた。

そんなの簡単よ!慣れるまで触ればいい!

なんて、できるか!

虫好きでもない私が虫を触る?

小さい虫でも嫌がる私が?

そんなの!むーりー!

んっ?

私、昨日普通に虫達と話してなかった?

「おはよう」

私は紫水口調を真似をした。

「おはよう〜」

って会話したよね。

話すっていうか虫達は思念を飛ばして私と会話しているのだけど、側から見ると私が虫に向かって一方的に話しかけている変人‥。

え?私、人間としての感覚麻痺してる?

最初は虫達を見ただけでも気絶をしていた私が?


「主人様!おはよう!」


とても元気な少女の声がした。

私は障子を開け庭に出た。


「花茶、おはよう」


「主人様!遊びに来ちゃった!何して遊ぶ?」


 花茶は嬉しそうに足をパタパタしていた。

花茶は嬉しいと足が動いちゃうのね。

可愛いわねぇ。って、私!巨大なゴキブリをみて可愛い?

私は両手を顔に当てた。

そんなわけないでしょ!ゴキブリよ!ゴキブリ!

女性なら皆んな嫌いのゴ!キ!ブ!リ!


 なのに、なのに、どうして私。

可愛いって思っちゃうのぉぉーーーー!!!!

花茶が足パタパタしているのめっちゃ可愛いぃ。

私の目がおかしくなっているぅ。

最初見た時は本当に怖かったのにどうしてぇぇぇ。

可愛いよぉ、可愛すぎるよぉ。

私は情緒が不安定になった。


「主人様?」


 花茶が私の顔を見ようと顔を低くして私の顔を覗いてきた。

あぁ、クリクリお目目が可愛い!

ゴキブリなのに、ゴキブリなのに、どいうことよぉぉお!

私は冷静になるために深呼吸をした。


「すぅーはぁー落ち着け、私」


「すぅーはぁー」


「ねぇ主人様は何しているの?」


「深呼吸をね」


「深呼吸?どうやるの?」


「息を吸って、吐いてを繰り返すのよ」


「かちゃもやる!すぅーはぁーすぅーはぁー」


私は花茶と一緒に深呼吸をした。


「あの?何をやっているのですか?」

藍介の声がした。

藍介は花茶の背中に登った。


「深呼吸だよ。おにいちゃん」


「深呼吸、それは人が落ち着くためにする行動ですね。それなら、私もやってみましょう」


人間1人とゴキブリ2匹は庭で仲良く深呼吸をした。



短いのでもう一本投稿します


ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 極限状態で精神が崩壊して自分に親しくしてくれる虫が可愛く見えてきたのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ