雷光千花
ボールを森へ飛ばしたらまさかの5つ眼の化け物がボールを取りに行ってしまった。まぁ、私の作戦が上手く行ったということよ! あとは、こいつを倒すことを考えないと。
「クティスが森へ行ってしまいましたが、気を取り直して、次は私の番ですね」
イデアはピッチング君を大鎌で切り壊し、20台いたピッチング君が残り5台になってしまった。
やばいやばい、ピッチング君が壊されてきちゃった。もう一回、同じの作る? いや、あんまり効果無さそうだしな。それなら、魔石の中に封じ込める? 私が魔力を込めて強化した壁を簡単に切り裂く男よ。無理に決まっているわ。あれ? もしかして詰んでないかしら? そうだ! 藍介が使っていた魔法とっても強力だったからそれを真似て作ればいいんじゃない!
私は魔石生成を使い辺りに5センチ程の魔石を千個準備した。魔石達を5つの花弁の花に形を変えて、花の形をした魔石達に雷属性を付与。辺りは黄色の花が咲き誇り美しく光り輝いていた。
「次は何を見せてくれるのでしょうか。楽しみですね」
「それなら、いい物を見せてあげるわよ!!!」
私はひし形の魔石を男の真上に生成した
「雷光千花!!!」
男の真上にあったひし形の魔石が高速回転をし始めた。ひし形の魔石から雷が溢れ始め、辺りに漂っている花達に雷が伝わり、目が潰れてしまいそうな光を放っていた。
私はすぐにサングラスを作り光対策をした。
「これは、眩しいですね。目眩しといった所でしょうか?」
男は花に当たらないように花達の間をすり抜けながら私に近付いてきたが、花と花の間を通った瞬間、男の体に強力な電気が通った。
「ん? 少しピリピリしますね?」
花一つだけでは弱いけど、花の数が増えればその分威力が上がるわよね。千個ならどうなると思う? しかも、増幅装置付きだったら、威力は一気に跳ね上がるわよね!!!
ひし形の魔石が回転をやめた瞬間、一斉に花達は男に向けて雷を落とし始めた。雷の音が鳴り続け、花はより一層美しく輝いていた。花がセンサーの役割になり、動けば動く程雷に撃たれ続ける、藍介が使った雷牢屋の威力をより強くした私バージョン雷魔法! 藍介のそのまんまパクるのはなんか嫌だったからお花の形にしてみたわ!
「これは! 効きますね! この頃、仕事のせいで肩こりが酷かったのですよ」
男は雷光千花を受けても尚、余裕の表情、いや、それよりも、彼の長年の悩みであった肩こりが和らぎ、彼にとっては最高の電気治療になってしまっていた。
「はぁぁぁあああ、効くぅぅぅ!こんなに肩が回せるようになるとは! 凪さん貴方は私の恩人です!!!」
イデアは嬉しそうに肩を回していた。
「あれ? なんで、あいつ魔法をもろにくらっているのに、嬉しそうにしてるの?」
私はまた、彼の行動に困惑した。だって、私が出せる全力の魔力ぶち込んで編み出した魔法よ。それなのに、なんであんなに平気そうにしているのよ!!!
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