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魔王軍最高幹部『八翼』

 私は紫水と黄結姫が洞窟へ逃げる時間を稼ぐことに成功したが、黄結姫を殺そうとした事に怒りが湧き上がってきた。

私の友達になんてことするのよ。許さない。私、人殺ししたくないから穏便に済ませようとしてたけど、もうそんなの関係ないわ!そっちがその気なら私だって本気出してやるわよ!!!


「藍介! 花茶!貴方達も洞窟へ行きなさい!」


「主人様! 私は戦えます! お供させてください」


 藍介は私と一緒に戦おうとしたが、私はそれを許さなかった。


「ダメよ! 私は本気で戦うから貴方達を巻き込みたくないのよ」


「花茶だって戦えるよ!」


「こういうことしたくなかったんだけど、藍介、花茶! 洞窟に行きなさい! これは命令よ!」


「そんな、主人様!」


 藍介の意思に反して体が勝手に洞窟へ向かった。


「花茶戦えるのに!!! 体が勝手に動いちゃう!? どうして」


 花茶は体が勝手に動くことに驚いていた。


 これで、巻き込むことはなくなったわね。


「なんと、味方を全員逃すとは、貴方は1人で私と戦うということなのでしょうか」


 魔石の壁の奥から男の声が聞こえた。


「えぇ、私の本気に巻き込みたくないからね」


「本気ですか、もうそろそろ、ここから出てもよろしいでしょうか?」


「出れるものならやってみなさいよ!!!」


 私は魔石の壁に手を当て、魔力を流し込んだ。


「それでは、お言葉に甘えて、あの危ないので少し離れた方がよろしいかと思います。私、貴方を傷付けたくないのですよ」


 私が手を当てていた魔石の壁が縦に切れ目が入り、砕け散った。


「うそ」


 そんなことない、私の魔力を流して強度を増したのに、簡単に斬られるなんて。


 砕け散った魔石の中から、黒い大鎌を持った男がいた。魔力爆発をモロに喰らったのに服は少しだけ焼けていたが、男は無傷だった。


「どういうことなの」


「それでは、自己紹介を私は魔王軍最高幹部『八翼はちよく』の一人、『二翼によく』のイデア•ラヴァーズと申します。貴方のお名前を伺ってもよろしいですか?」


 何よ! 肩書きめっちゃかっこいいじゃない! 私もかっこいい感じに言いたいわね。


「私は魔蟲の洞窟の主人! 凪よ!」


 うん、私、ただ単に堂々と言っただけね。


「凪さん‥‥。素敵なお名前ですね」


「あっいえ、ありがとうございます」


 なんか変な空気になったから攻撃を仕掛けましょう。


 私は20台のピッチング君を作り出し、魔石を充填、そして、魔石を発射させた。


 魔石には属性付与を行い、火・水・土・風・雷・闇・光の7種類の属性攻撃。この攻撃で彼の弱点が分かればいいんだけど、そんな簡単じゃないわよね。


 イデアは魔石を回避しながら、私を観察しているようだった。


「素晴らしい! 全ての属性を操れる人間がいるとは、凪さんは人間ですが、何か混じっていますね? 魂が少し変質している。こんなにも美しい魂に変えるとは、相手は、精霊ですか」


 ピッチング君フル活動させて魔石を発射させているのに、こんなにも当たらないものなの? そんなはず無いわよ、ピッチング君の最高速度よ。私は目で追うのもやっとなのに。


「なんで当たらないのよ!!!」


 もっと、強力な魔法を考えなきゃ。


「精霊なら、寿命はどうなるのでしょか、もしかして、人間よりも長く生きられる可能性が‥‥」


 イデアはぶつぶつと何かを話しながら、鎌を振り魔石を撃ち落としていたが、私に攻撃する素振りは無かった。


「おや、クティス貴方も遊びたいのですか? 仕方ないですね」


 イデアは右眼の仮面を掴むと仮面を剥ぎ取り、仮面を放り投げた。仮面は、動物の頭蓋骨みたいな形に変化していった。あれは、犬なのかな? それとも牛? なんだろう?


 仮面の形が完全に動物の頭蓋骨になると、浮かび上がり、深緑の毛が生え、体を形成していた。


 たった1分で身の毛がよだつ大きな化け物が現れた。


 顔には眼は5つあり、金色の瞳で私を見つめ、四足歩行で、尻尾には棘みたいな突起が沢山あった。この化け物に似ている動物だと、犬かしら?


 私は犬の化け物をみて、恐怖で体が固まってしまった。


 これは、やばい、怖い、怖いよ。何あれ、目が5つある。

怖いよ。どうしよう。どうしよう。どうしよう。

誰か助けて‥‥。


 いや、私が倒すって決めたんだ! 怖気付いてどうするんだ私!!! 私がこの洞窟、友達を守るんだ!!!

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