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魔王軍幹部

「主人様〜!!! 見てみて〜!!! 魚くん捕まえたよ〜」


 森から紫水が帰ってきた時、私達は洞窟の入り口近くで、赤髪の魔人と花茶と黄結姫が捕まえてくれた兵士達を魔石で作った牢屋に入れている最中だった。


 私は森の方へ振り返り、紫水が無事に帰ってきて安堵した。


「紫水、良くやったわね。偉いわよ」


「主人様に褒められちゃった〜♡ これぐらい余裕だよ〜、魚くん弱かったし〜」


『お前が強すぎるだけなんだよ!!!』


 水の球体にいる青髪の魔人は口をパクパクして何か言っているようだった。


「魚くん〜、俺のことを褒めても〜、何もないよ〜」


『褒めてねぇ!!!』


「また〜、また〜」


 紫水は青髪の魔人と仲良くなっていたみたいだった。

仲良いなら、外の情報聴き出せるかな?


 すると、空からパチパチと拍手する音が聞こえた。


「なに!?」


 私は上を見上げると、空には燕尾服を着た男が拍手をしていた。


「どういうこと!?」


「新たな敵ですか!?」


「ふぇぇえ!? お兄ちゃん! 人が空飛んでるよ!!!」


「僕だって空飛べますけど、あの人羽ないですね」


「なんか嫌な予感がします」


 男は拍手をしながら空から降りてきた。


「素晴らしい! まさか、隊長クラスを簡単に捕まえるとは思いもしませんでした! 素晴らしい! 本当に素晴らしいです! ですが、魔王軍としての面子が丸潰れになってしまいましたね。第3先鋭部隊隊長ネルガル君。私の仕事を代わりにやってくれるのはいいのですが、失敗するなんて、はぁ、これ以上私の仕事増やさないでください」


 空から降りてきた男は、私が今までの人生の中で一度も会ったことのない程の美男で顔面が整いすぎて、逆に怖い、瞳は金色、髪の色は深緑、右眼には白い仮面を付けていて、背丈はまぁ、180はあるんじゃないかしら? なんか、赤髪の魔人も熱血系のイケメンだと思うし、青髪の魔人も爽やかな系のイケメンよ。そして、この美男。この世界、イケメンしか生息していないのかしら?


 水の球体に入っていた。ネルガルって呼ばれていた魔人は必死に球体を叩いていた。


「ちょっと〜、急に暴れてどうしたんだよ〜」


『おい! 今すぐ逃げろ!!! あの方は魔王軍幹部!!! お前達じゃ勝てる相手じゃない!!! 今すぐ俺を連れて逃げてくれ!!!!』


「魔王軍幹部〜? へぇ〜、魚くんの上司ってこと〜?」


「おやおや、私から逃げようとするなんて連れないことを言いますね。私の仕事を邪魔をしただけではなく、私から逃げようとするとは、これは、罰が必要ですかね」


 美男はいつの間にか紫水に近付き、水の球体にいたネルガルを殴った。


 水の球体はパァッンと割れてネルガルは森の中へと殴り飛ばされた。


 あの、細腕でただ殴っただけなのに、あの威力、これはやばい人だわ!!!


「魚くん!? ちょっと〜、お前の仲間じゃないの〜?」


「初対面の相手に、お前と言うのは礼儀がなっていないですね」


 紫水は男目掛けて水を噴射した。男は水を避けると紫水を殴った。紫水は水を使って防御をしたが、水の防壁はすぐに割れてしまったが、紫水は攻撃を回避することができた。


「何こいつ〜!? 俺の〜、壁破られたんだけど〜!?」


「紫水!!! 逃げなさい!!!」


 黄結姫は紫水を助けに向かった。


 紫水は男と睨み合っていた。


「避けられてしまいましたが、1番貴方が厄介そうなのでさっさと潰しておきたかったのですが」


「へぇ〜、お前、なんで人間の真似事しているんだよ。獣は獣らしくいればいいと思うけどな〜」


「おや、貴方は私の正体がわかるのですか?」


「さぁ〜、獣がめんどくさいことやってるな〜って思っただけだよ〜」


「すみませんが、貴方、魔王軍に来る気はないですか? 今、魔王軍は人材不足でして、ここよりも良い待遇で」


「魔王軍なんて知らないし〜、俺は主人様の命令しか聞く気ないからごめんね〜」


「いえ、貴方を従えることのできる主人ですか」


「紫水から離れなさい!!!」


 黄結姫は体を鞭のようにしならせ男に体当たりをした。

男は片手だけで黄結姫の攻撃を受け止めた。


「えっ!? 受け止められた!?」


 黄結姫は攻撃を受け止められたことに困惑した。


「母さん!!! 危ないから逃げて!!!」


「そちらが、攻撃してきたのですから、正当防衛ということで」


 男は黄結姫を殴り飛ばし、彼女の体の一部が欠損した。欠損した所から黄色の体液が流れ出て、紫水は黄色の体液に触れてしまった。


「母さん!!! あぁぁああああ!!! どうしよう、母さんの血、触れちゃった。どうしよう、どうしよう。うまく水が操れない」


「紫水! 黄結姫連れて逃げて!!!」


 私は男の周りに厚さが3メートルもある魔石の壁で囲い、紫水と黄結姫が逃げる時間を稼いだ。


「緑癒!!! 今すぐに黄結姫を回復して!!!」


「ほぅ、魔石ですが、この強大な魔力量、貴方が魔蟲の洞窟の主人ですか?」


「私はこの子達の主人よ!!! これでもくらえぇぇぇえええ!!!」


 私は男の周りに300個の魔石を生成し、魔石の魔力を暴走させて魔力爆発を起こした。


 魔石の壁の中は爆発によって出た煙で中が見えなくなっていた。これぐらいやれば、ダメージは負わせることできたわよね?

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― 新着の感想 ―
[一言] フラグを建てちゃった(;´Д`) ここは切り札の出番ですよね。行け、愛のバクダン!
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