前の姿
沢山ご飯をくれた魚くんには、特別に俺が前に生きていた時の姿を見せてあげることにした。
俺の体に前の姿を思い出しながら水を纏わせた。
「おい、なんなんだよその姿は、まるで蛇じゃねぇか!!!」
「蛇じゃないよ〜、もう〜、魚くん〜知らないの〜、これは龍っていうんだよ〜」
ネルガルと対峙していたムカデは紫色の水を纏い、ムカデの長い触覚は龍の髭となり、ネルガルの前に紫龍が現れた。
「龍? ドラゴンなら見たことがあるが、こんな生物見たことがねぇ」
「え〜、そうなの〜、なんか〜、ちょっとショックだな〜」
「水を纏わせただけで何が特別なんだよ! 千水槍!!!」
「もう〜、いい加減さ〜、馬鹿の一つ覚えに同じ魔法使っても意味がないんだって〜、父さんから聞いたんだけど〜、龍はねぇ〜神秘を司っていて〜、ドラゴンよりも貴重な存在なんだよ〜、俺はね〜、水を司る神様みたいなものかな〜。父さんもそうだし〜」
「虫が神なんでありえねぇだろ!!! 爆水槍!!! 槍魚伍の型 闘魚乱!!」
ネルガルは体勢を低くし新たな槍を使い、紫龍の髭、ムカデの頭に狙いを定め、槍を振った。
紫龍は、その攻撃を水壁で防御したが、水槍が水壁当たった瞬間、槍の先端が爆発して水壁が消えてしまったが、それでも紫龍には傷を負わせることができなかった。
「爆発するなんて〜、驚いたよ〜、他の魔法もあったんだねぇ〜、俺もなんか〜、かっいい技でも考えようかな〜。そうだな〜俺のこの姿を使って考えようかな〜、龍〜、龍〜、紫つけたいなぁ〜。う〜ん、爆発かっこいいなぁ〜」
ムカデの余裕の態度にネルガルは苛立っていた。
「紫龍水爆」
紫龍は紫の水球を10個作り出し、ネルガルの周りに配置した。ネルガルが水球から逃げようとした時、紫の水球は連鎖爆発をし始めて、ネルガルは爆風によって木に叩きつけられた。
「ぐはぁ」
「あれ〜? これぐらいの威力しか出なかった〜。魔法って威力調整〜、難しいな〜」
ネルガルは圧倒的な力の差に嘆き悲しんだ。
「リリアーナ様、どうして、こいつがいることを教えてくださらなかったのですか! どうして、どうして」
「魚くん〜、うるさいから黙っててね〜」
紫龍はネルガルを水球に閉じ込めてネルガルを拘束した。
ネルガルは水の中でも呼吸はできる為、水球を叩いていたが、水球は割れる様子がなかった。
「あ〜あ。魚くん弱すぎて〜、この姿にならなくてもよかったじゃん〜。でも〜、無事に生きたまま〜、魚くんを拘束できた〜。よかった〜、死ななくて〜。まぁ〜、俺が〜攻撃したら〜、魚くんすぐに死んじゃいそうだったから〜、何もできなかったけど〜。主人様褒めてくれるかな〜。キスしてくれたりして〜。そんなぁ〜、もう〜、主人様ったら〜、そんなに褒めなくても〜いいんだよ〜。あ〜、そんなに撫でられたら〜、俺〜、俺〜」
紫龍は体を左右に揺らしながら、妄想をし始めた。
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