心強い仲間
侵入者を洞窟から追い出すことに成功した時、主人様から思念が送られてきた。
「黄結姫!!! 緑癒連れて行くから待ってて!!!」
はぁ、はぁ、なんとか、侵入者を外に出せました。
頭銀達は弱い、頭赤と頭青は強い、仲間をこれ以上戦わせても頭赤と青を倒さない限り、仲間が殺され続けてしまいます。
私1人で、あの2人を倒せるでしょうか。いいえ、私は長として、戦わなくてはいけません。あぁ、私よりも強そうな2人が怖い、怖い、私は死ぬのが怖い。でも、怖くてもやらなければ、紫水に戦わせたくない、主人様を護らないと。私にできる事をやらなければ、まず最初に相手の戦力を削がないと。
頭銀達は私の攻撃で傷を負っている者がいたのに、頭赤と青は無傷の様だった。
「おい! お前なかなかやるな!」
「俺が手伝えば戻されることなかったのに、どうしてくれるんだ!」
「うるせぇな、俺だって驚いたんだって」
私は2人に思念を飛ばした。
「貴方達はどうして洞窟に入ってきたのですか」
2人は私の思念に驚いたのか、目を丸くしていた。
「おい、リリアーナ様が言っていたこと本当だったのかよ」
「まさか、知能の低い、低級魔物が言葉を理解しているとは」
「私の質問に答えてくれない様であれば、もう死んでください」
私はあまり使わない影魔法を使うことにした。
今日は日差しが強いから操れる影は沢山ある。影を使って私の分身を作り出せば、後方にいる頭銀達なら一掃する事はできそう。
私は影魔法『影傀儡』で私に似た影を創り出し、影には頭銀達を襲わせた。
「闇魔法系統の魔法が使えるのか、ライネル、こいつは殺さず生け捕りにしよう」
「だが、まず最初に躾をしないといけねぇな」
頭赤が私の腹を殴りかかった。私は咄嗟に、自身の影を使い攻撃を防御した。
「こんな使い方もあるのかよ! 殴り甲斐のあるオモチャだなぁ!!!!」
頭赤は何度も私を殴ってきたが、私は攻撃を防御することしかできなかった。頭赤の拳は防げば防ぐほど重くなっていき、影が攻撃に耐え切れずに一撃で消えてしまっていた。何度も私は影を出しが、魔力の限界も近かった。
やはり、頭赤は頭悪そうですけど、筋力に優れている。頭青は私達を見ているだけ、頭青の方が怖いと思うから頭青の方が頭赤よりは強い。でも、私が押されてしまっている。こういう時、私に藍介さんぐらいの賢さがあればもっと、いい選択ができたと思うのですが、どうすれば‥‥。この方、主人様より少し大きいだけなのにどうして冒険者といい、頭赤といいなんで強いの!
「これじゃあ、拉致あかねぇな」
「ライネル、全くダメージ負わしてないじゃないですが、これだから、脳筋は」
「ネルガル俺を怒らせてねぇのか!!!」
「それなら、ダメージを負わせてさっさと気絶させてくれよ、人員を補給する為に、遥々こんな所に来たんだから、何匹か捕まえないと割に合わないって」
「あんた達!!! 私の友達に何しているのよ!!!」
私が主人様の声で洞窟の方に振り向くと、洞窟の入り口には主人様、紫水、花茶ちゃん、藍介さん、緑癒さんが居た。
「お前達、なに母さんに攻撃しているんだよ。殺すぞ」
紫水は相当怒っているみたいで、早くも水の球体を沢山出していた。
「黄結姫さん! 僕が回復しますので思いっきりやっちゃってください!!!」
主人様から貰った帽子を被っていた緑癒さんは、辺りに緑色の鱗粉を振り撒いていた。
「花茶も戦う!!! あいつらを攻撃すればいいんだよね」
茶色のリボンを付けた花茶ちゃんは足をバタバタさせて臨戦体制。
「まず最初に皆さんに、『筋力・中』『防御力・中』『素早さ・中』選択強化魔法庇護は重ねがけしましょうか、三重庇護」
今までに見たことのない七色に輝く魔石が藍介さんの側でフヨフヨと浮かんでいます。あの魔石は、何なのでしょう?藍介さんは本を取り出して、私達に補助魔法を掛けてくれました。私、強くなった気がします!
「それなら、僕も鱗粉で皆さんの筋力上げときますね!」
緑癒さんは緑色の鱗粉から赤色の鱗粉を振り撒いた。
「私だって! 一緒に戦うわよ!!!」
主人様はバズーカーを侵入者に向けていました。
どうやら、主人様も戦う気があるみたいです。出来れば、主人様は後ろで隠れていて欲しいのですが。でも、皆さんが集まれば、侵入者に勝てますよね!!!
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