子供に教えるのは難しい
私は現在、白桜と交戦中です。ことの経緯は、主人様が私を抱きしめてくれたことによって、白桜が嫉妬をしたのが原因。私が主人様からお願いされた授業中に白桜は、私を糸で拘束しようとしたので、応戦したのですが、子供なのに強い! 子供ぐらいなら勝てるだろうという考えが甘かった。強い、何でこんなに強いのですか!!!
「白桜、貴方はもう少し理性を持つべきですね」
『藍介様は筋力を持つべきなのでは』
このが、おっと、言葉が汚くなってしまうのは私ではありませんね。危ない、危ない。私は大人なのです。冷静にならなくてはいけませんね。
「筋力があったとしても賢さがなければ意味がないのです。筋力も力ですが、賢さも力となるのです」
『力も賢さもある主人様はやはり、この世で一番美しい方!』
白桜はたまに1人だけの世界に行ってしまうのですよね。なんか、紫水に少し似ていますね。今度、主人様に似ているかどうか尋ねてみましょう。
「白桜、主人様を敬愛しているのは良いことですが、私の授業中に攻撃するのはどうかと思いますよ。主人様が、この状況を見たら貴方にガッカリしてしまいますよ」
『ねぇちゃんやめなよ。せっかく藍介様が、数字を教えてくれているのに』
『そんな数なんて、余裕で数えられるわよ。あたしを馬鹿にしないでちょうだい』
「それなら、1+1は?」
『によ』
『に!』
「白桜、青雷正解していますね」
『ほら、あたしは天才なのよ!』
『僕だって当たったもん!』
「それなら、二桁の計算はどうでしょうか。15+24は?」
『えっと、さんじゅうきゅう!』
『さんじゅうご!』
「白桜正解です。青雷間違えていますよ」
『あれー? ご、ろく、』
『ふん、こんな計算も出来ないなんて馬鹿なんじゃない』
「いいえ、青雷は馬鹿ではないですよ。貴方達2人は、他の子達よりもとても賢いです。ですが、賢いと言って他人を馬鹿にしてはいけませんよ」
『なんでよ、あたしより賢くなかったら馬鹿でいいじゃない』
「白桜、今の考え方のままだと将来、貴方は独りになってしまいますよ」
『独り? あたしが? そんなわけ無いわ。あたしには主人様がいるんだから!』
『すぐに人を馬鹿扱いする人が、側に居たら嫌になるよね』
『青雷、あんたあたしと喧嘩したいわけ』
『いや、藍介さんが言っていることは、そう言うことなんじゃ無いかって』
すると、襖が開き、主人様が部屋に入ってきました。
「藍介勉強どんな感じ?」
『主人様♡ あたし二桁の計算できたんです!!!』
「へぇー、白桜凄いわね!それじゃあ、10+42は?」
『えっと、待ってくださいね。よん、ご、で、に! ごじゅうにです!』
「正解よ!!! 白桜貴方天才だわ!!!」
主人様は白桜を手に乗せて頭を撫でてあげていた。
私だって、計算ぐらいできますよ。足し算、引き算、掛け算、割り算、できますとも。
『主人様! 僕! 足し算できます!』
「藍介、青雷は二桁いける?」
「いえ、さっき間違えていましたからね」
『僕!二桁の計算できます!』
「それなら、10+21は?」
『えっと、じゅう、たす、にじゅういち、さんじゅう、いち!さんじゅういちです!』
「青雷!正解よ!』
「ほら、こっちに来なさい! 撫で撫でしてあげるわ」
『やったー!』
主人様は白桜を降ろすと、青雷を手に乗せて青雷の頭を撫で始めました。さっきは、間違えていたのに今回は正解しましたね。2人は賢い、教え甲斐があるのですが、白桜は性格に難がありますね。青雷は負けじと言い返していますが、押されてしまっています。うーん、どうしたら良いものか。花茶の場合は教えるのが楽だったのですが、子供に教えると言うのは難しいことですね。
「藍介もよく頑張ったわね。私がおにぎり作ったから、みんなで食べて」
『やったー! 主人様の料理!!!』
『主人様♡ ありがとうございます』
「主人様ありがとうございます。2人とも食べる前に手を洗ってくださいね」
『はーい』
白桜と青雷は手を洗いに洗面台に向かいました。
「ねぇ、藍介、蜘蛛っておにぎり食べるのね」
「蜘蛛は雑食ではなく、肉食の筈ですが、あの2人には通用しないみたいですね」
「まぁ、緑癒に聞いてみたけど、健康には害はないみたいだし、いいわよね」
「本人達が喜ぶのであればいいのではないでしょうか」
主人様と話しているうちに2人が帰ってきました。
もう少し、主人様と2人っきりで話したかったのですが、お腹も減りましたし、主人様のおにぎり食べましょうか!
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