クモクモ大パニック!? 後編
「主人様と一緒に寝るために〜! みんな歩くのに邪魔だからどいてよ〜!」
紫水は子蜘蛛達のいる部屋に突撃した。
うわっ、家の中凄いことになってる。
前見て子蜘蛛、右見て子蜘蛛、左見て子蜘蛛。
多分天井も凄そうね。
庭では、藍介と花茶は子蜘蛛達に捕まっていた。
「こら! 子供達大人をからかうんじゃない!」
藍介の体は蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされ、子蜘蛛達が藍介を上に投げて遊んでいた。
「目が回って気持ちがぁ。うぷっ」
「お兄ちゃん! 花茶が助けてあげ‥‥。うわぁぁあ、一斉に糸出さないでよ」
「花茶! 子供達!うぷっ、これ以上ふざけるのであれば、紅姫さんに抗議しますよ! やばい吐きそう。うっ」
『お母様は今疲れているのよ。だから、あたし達で主人様に挨拶に来ただけなのに、何で怒られなきゃいけないのよ』
「それなら、私は何で投げられて遊ばれているのですか!」
『ナゲルノタノシイ。タノシイ。タノシイ』
『あたし達の主人様を何処かへ隠したんでしょ、そのぐらいしないとこっちの気が治らないわ』
『ねぇちゃん、このぐらいにしようよ。藍介さんって確か長なんだよ、そんなに凄い人をこんな扱いして大丈夫なの?』
『長の癖に弱すぎるのよ。長ならお母様みたいに強くなくっちゃ』
『うん。ねぇちゃんの言っていること分かるっちゃ分かるけど』
『はぁ。早く主人様に会ってみたいわ。どんなに美しい方なんだろう。楽しみね!』
『美しいかどうかは分からないじゃないか。でも、面白そうな方なのは確かだよね』
『どうして面白そうな方なのよ。絶対に主人様は美しい方よ!』
『えっ、だって、母様が好きなパーティーグッズって言うの主人様が作ってくれたんだよ。あんなにへんてこな物を作れる主人様は絶対に面白い方に違いないよ!』
『美しい方!』
『面白い方!』
『あんた、あたしに逆らう気? それなら、痛い目みるわよ』
『ねぇさんの方こそ主人様を一目見てないのによくそう言うこと言えるね! 僕の方が正しい!』
『あたしが正しいのよ! 剛炎糸!!!』
白い子蜘蛛は真っ赤な糸をお尻から青色の子蜘蛛目掛けて糸を飛ばした。青色の子蜘蛛はすんでのところで糸を回避した。
『うわぁぁああ!!! あっぶなかった』
庭の地面についた糸は燃え上がり、周りにいた藍介を投げて遊んでいた子蜘蛛達は藍介を担ぎながら逃げ出した。
「ひやぁぁぁぁぁぁあ。たすけてー。ちょっと、どこまで逃げるのですか!?」
「お兄ちゃん!? どこ行くの!? 待ってて今すぐ花茶が助かるから!」
花茶は連れ去られる藍介の後を追った。
『ねぇちゃんこれは、やり過ぎだよ。流石に僕怒るよ』
『ふん、あんたなんか、あたしの前では雑魚なのよ』
『言ったな!!! 剛雷糸!!!』
青色の子蜘蛛は白色の子蜘蛛に向けて青白い光を放つ糸を放った。回避に失敗し、白色の子蜘蛛は糸が直撃した。
『ぎゃぁぁぁああああ。痛い。痛いよぉ。あんたやったわね!手加減してたのにもう怒った!!!』
『ねぇちゃんは運動神経ないから僕には勝てないよーだ!』
『剛炎糸!!! 剛炎糸!!! 剛炎糸!!!』
白色の子蜘蛛がそこらじゅうに糸をばら撒いた。
庭は火の海と化してしまった。
「こら!!!! 何やっているのよ!!!! 紫水! 今すぐに火を消すのよ!」
「は〜い。これはやり過ぎだよね〜」
私は庭が火の海状態を見て、隠れることをやめて消火活動を優先した。私は水の魔石を使って、紫水はスキルを使い、大量の水で何とか消火することができた。
「あなた達! 庭を燃やして何やっているの!」
私はこれをやったであろう白色の子蜘蛛と青色の子蜘蛛に説教をすることにした。
『その、あたし、主人様に会いたくて』
「私に会いたくて庭を燃やしたのかしら。どうしてなのかな?」
『それは、あの、つい、弟と喧嘩になって』
『おねぇちゃんが先に攻撃してきたんです! 僕は怒られる様なことしてないです』
『あんたもあたしに攻撃してきたじゃない!』
『それは、ねぇちゃんが先に攻撃したからだよ』
白色の子蜘蛛と青色の子蜘蛛がまた喧嘩し始めた。
「はい! 喧嘩はそこまで! 2人ともいけないことしたのは分かるわよね」
『はい』
「庭を見てごらんなさい」
2人の子蜘蛛は辺りを見渡した。
『ごめんなさい。ごめんなさい』
『あたし、その、あの、ごめんなさい』
「わかれば宜しい」
私は庭をスキルを使い元に戻した。
紅姫の子供達産まれたばかりなのよね? なのに、これだけ強いなんて、将来どのぐらい強くなるんだろう。頼もしいっちゃ頼もしいけど、わんぱくな子達の面倒をしないといけない、紅姫は同情するわ。私も何が手伝ってあげようかな?
この子達賢そうだし、学校でも作ってみようかな?
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