目が覚めたら
私は布団の中で目が覚めた。
あれ? 確か変顔大会の最中だったわよね?
あっ、そうか、私気絶しちゃったんだ。
煩くて気絶するってどういうなのよ。まぁ、凄く煩かったのは間違いないけどさ、でも、パーティーを台無しにしちゃって罪悪感半端無いわ。どうしよう、皆んなにお詫びのプレゼントする?
「主人様! 皆さん! 主人様がお目覚めになりましたよ!」
「主人様! おはよう! 主人様なかなか起きてくれなくて、花茶とっても心配したんだよ!」
「主人様〜!!! 俺とっても心配したんだよ〜」
藍介がお盆にコップを乗せて運んでいた、花茶は庭一杯に花を出し、黄結姫は上半身を左右に振り喜んでいるみたいだった。やっぱり、黄結姫と紫水は親子なのね。喜び方が一緒だわ。そして、紫水は私の体に巻きついてきた。ちょっと、巻き付かないでよ!
「よかった〜、本当によかった〜」
「主人様、お目覚めになられてよかったです。その、主人様、緊急とは言え主人様の思念に私の思念を結んでしまって、本当にごめんなさい。勝手に私の思念なんかを結んちゃって」
「黄結姫? 思念を結ぶってどういう事?」
「私の特殊固有スキル『祀念結び』というスキルを使い、私の思念を主人様の思念に結びつけて、主人様の思念伝達範囲を縮小しました」
黄結姫‥‥。私は黄結姫の事ドジっ子ママだと思っていたけど、一年暮らしていたのに、黄結姫がそんなスキル持っているなんて知らなかったわ。
「ありがとう、黄結姫のおかげで頭の中うるさく無くなったわ」
「お役に立てて良かったです」
「母さん〜良かったね〜」
「失敗しなくて良かったぁ」
「そうだ、昨日のパーティー台無しにして本当にごめんなさい」
私は藍介達に頭を下げた。
「いえ、パーティーより主人様が大切ですからね。頭をあげてください」
「ありがとう。あれ? 紅姫と緑癒、灰土はどこ?」
「紅姫さんは産卵時期になった為、巣の中にいますね。緑癒はもうそろそろ来る頃だと思います。その、灰土さんは緑の牢から出てこなくなってしまって」
「そうなのね」
すると、緑癒が物凄いスピードで私目掛けて飛んできた。
「主人様! お目覚めになられたのですね! 5日間昏睡状態だったので凄く心配したんですよ」
「5日間!? えっ!? 私ってそんなに寝てたの!?」
「はい。その間に紅姫は産卵時期になって主人様の側に入れないのが悔しいと嘆いていました。灰土さんは3日前に緑の牢から出てこなくなってしまって」
「虫籠から出なくなったの?」
「緑の牢は虫籠というのですか?」
「うん、そうだけど。紅姫と灰土の様子みたいわね」
「ですが、主人様は5日間も眠っていたのですから、家でゆっくりしていた方がよろしいのでは」
「藍介さん、僕がいますから大丈夫ですよ! 体力回復ならお任せあれです!」
「主人様に俺着いて行くよ〜。それとも〜、俺の〜、背中乗る〜?」
「花茶も主人様乗って! 乗って!」
「今回は紫水にするわね。花茶ありがとうね」
「はーい」
「主人様〜やっぱり俺の事〜♡」
「紫水背中乗るわね。よっいしょっと」
私は紫水の背中に乗り、家から出た。
まず最初に私は虫籠にいる灰土に会いに行くことにした。
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