とある魔石精霊達
俺様と姉のアはパーティーの準備をしている虫達を観察していた。やる事がなくて、観察ぐらいしか暇つぶしが無いんだよなぁ。
「やったわ! 花茶ちゃんが私が持つスキル百花奏乱を使用したわ!!!」
「ア、うるさいぞ、俺様のプレゼント気付いてくれるかな?」
「あんな回りくどいやり方じゃ無理なんじゃない」
「仕方ないじゃないか、俺様の事を知らないわけだし」
「この前の名前申請ダメになったからじゃない。もういっその事、シンカ様が言っていたと言う名前にすればいいじゃない?確か、ウンだっけ? いい名前じゃない」
「ウンは嫌だ」
「それなら、何がいいのよ」
「それは、ボブ・カリューン・アスベス・うんちょ・レイボルト・田中・ヘッケルー」
「長くなるからやめなさい! きゃー!!! 花茶ちゃんが驚いてる可愛い!!!」
「可愛いのか?」
「私が可愛いと決めたら可愛いのよ」
「はぁー」
凪は俺様のプレゼント気に入ってくれるかな?
虫達のパーティーが始まった。
「おお!!! 俺様が魔石を加工して作ったティアラに宝石を付けるというアレンジを加えるとはな、藍介の器用さは驚くばかりだ」
「そう言いながら、藍介に工具を作ってあげたの貴方でしょ」
「俺様の意図を汲み取れるとはな、俺様が自由に動けたら俺様の側近にしよう」
「貴方の言うこと聞いてたら面倒こと多そうだからすぐに辞めるんじゃない? 貴方の言う事はもう出来ません! 貴方1人でやってくださいってね」
「むっ、アよ、それは言い過ぎだぞ」
「間違えってはいないじゃない。それにしても、凪ちゃんは花茶ちゃんに何をあげるのかしら? 私もスキル発動記念に何かプレゼントしようかしら」
「プレゼントいいんじゃないか」
「そうよね! 何あげよう? そうだ! 私の体の一部を加工してアクセサリーを贈るってどうよ! 良いアイディアだと思わない?」
「体の一部ね、それは魔力が強すぎて危険じゃないか?」
「そうかしら? 私の力を少しだけ貸してあげれば、花茶ちゃんなら私と同じ豊穣の歌姫になれる日も」
「思念伝達でしか話せないなら歌えないんじゃ」
「思念伝達でも、歌は歌えるのよ!」
「はいはい」
アは相当花茶に入れ込んでいるみたいだな。
まぁ、自分の力と類似した力を持っていると分かればそうなる気持ちも分かるが、本当に自分の体を加工してアクセサリー作るのか? 花茶が魔力に耐え切れるか心配だな。
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