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主人様、1年間お疲れ様です。これからもよろしくお願いします。パーティー 前編

 庭には洞窟の長達がパーティーの準備を終え、パーティーが始まった。


 豪華な椅子の頭上には『主人様、1年間お疲れ様です。これからもよろしくお願いします。パーティー』と書かれていた。


 このパーティー名、長くない? お疲れ様会で良くない?

でも、ここまで素敵なパーティーを開いてくれてとっても嬉しいわ。本当に色々あったわね。


「それでは、今回のパーティーの司会進行役の6層目の長である。この私、藍介と」


 藍介はマイクを握り、赤い蝶ネクタイを首に付けていた。


「3層目の長、わたくし紅姫が務めさせていただきますわ」


 紅姫は赤いアフロを被りマイクを通して話していた。


 藍介、蝶ネクタイ案外似合うわね。紅姫は何故にアフロ?


「それでは、まず最初に私達から主人様への感謝の気持ちをお渡ししましょう。紫水! よろしくお願いします」


「は〜い」


 紫水は紫色の蝶ネクタイを身に付けて、大きな葉で包まれたプレゼントを器用に足で持ち上げ、私の目の前まで歩いてきた。


「主人様〜、1年間お疲れ様〜、これからもよろしくお願いします〜。これ〜、受け取って〜」


 私は紫水からプレゼントを貰った。

私は感動してしまって、涙が溢れてきた。これ、何が包まれているんだろう?


「ありがとう。ねぇ、プレゼント開けていいかしら?」


「いいよ〜」


「それじゃあ」


 私は葉が破れないように慎重に葉を広げた。

葉の中には魔石で作られたティアラが入っていた。


 どぅえぇぇぇぇ!!!!!!!

藍介これどうやって作ったのよ!!!!

とっても素敵ね、透き通った魔石の青に7種類の宝石達。

まさに至高の作品!


 いや、何でこんな素敵なものがゴキブリの手から生み出されているのよ!!!

藍介が手先が器用なのは知っているわよ。でもね、これは、手先が器用を通り越している気がするわよ!

マジック? マジックなの!?

あっ、魔法があるか。いやでも、これ作れる魔法あるの!?


 私がティアラを見て困惑していたら、紫水が私の顔を覗き込んできた。


「主人様〜、プレゼント気に入らなかった〜?」


「そんなことないわよ!!! とても、凄く気に入ったわよ!」


「それじゃあ〜、俺が主人様に〜、ティアラを載せる役だから〜、主人様じっとしてて〜」


「あっ、うん、ありがとう」


 紫水は私の頭に魔石で作られたティアラを載せてくれた。

あとで、藍介にティアラ作り方聞いてみよう。


「皆んな! とっても素敵なプレゼントありがとう! それじゃあ! 私からも貴方達にプレゼントを渡す番よ!」


「えぇ! 進行表には何も書いていないのですが?」


「言っちゃったらサプライズじゃなくなるじゃない! それじゃあ、まず最初に黄結姫こっち来てくれないかしら」


「あ! はい! 主人様に呼ばれちゃったわ。みんな見てるぅぅ。転ばないようにしなくちゃ」


「母さん〜、リラックス〜リラックス〜、落ち着いて〜ゆっくり歩いてね〜」


「そうよね。リラックス、リラックス」


 黄結姫はゆっくりと私の前まで歩いてきた。


「黄結姫、屈んでくれないかしら?」


「はい!」


 私は巨大な黄色のリボンを出して屈んでくれた黄結姫の頭にリボンを付けてあげた。


「主人様ありがとうございます! 大切にします!」


 このリボンには追跡魔法が付与されていて、黄結姫が転んで自身の体を結んでしまった時、たまにどこに居るのか分からない時があったのよね。あの時は、本当に大変だった。だから、私は黄結姫がどこに居るのかを分かるように、リボンに追跡魔法を付与することにした。この事は、黄結姫には内緒にしておこうと思うの。リボンの追跡魔法に気付いて身につけてくれなくなるのはリボンの意味が無くなっちゃうからね。


「次は紫水!」


「は〜い。主人様は何をくれるのかな〜。もしかして〜俺だけキスだったりして〜。きゃ〜。もう〜、最高じゃん〜」


「何を言っているのよ。紫水にはこれよ!」


 私は紫水に紫色の抱き枕をあげた。紫水には寝具をあげたいと考えていた。でも、布団と掛け布団あるし、普通の枕は必要かと言うとうーんって感じなのよね。それで考えついたのが抱き枕。私も抱き枕よく使っていたわね。シュト君、懐かしいわ。


「主人様〜、ありがとう。でも〜、これ〜?なに〜?」


「抱き枕よ」


「抱き枕〜?」


「抱きしめる枕ってことよ」


「う〜ん、俺は主人様の抱き枕になりたいな〜」


「その抱き枕には魔法付与がしてあってね」


「魔法〜?それって何の魔法〜?」


「寝ている時に好きな相手を抱き締めているような感覚がする魔法が付与されているのよ!!!」


「えっ!!!! 何それ〜最高じゃん〜!!! 主人様〜本当にありがとう〜。俺〜、抱き枕大切に使うね〜」


 司会席にいた藍介は抱き枕に付与されている魔法を聞き羨ましいと何度も呟いていた。


「次は緑癒!」


「はーい!」


 緑癒は私の所に歩いてきたが、緑癒は黒く長い付け髭を付けていた。


「緑癒にはこれよ!って、何で付け髭付けているのよ!」


「この後、開催される変顔大会で灰土と一緒に出場するのですが、灰土さんがこれを付けて出て欲しいとお願いされたので付けてきたのです」


「それって、大会中にって事で今じゃないんじゃ」


『あー! 緑癒様付け髭付けて行っちゃっている。はぁー、折角、皆んなを笑わせようと考えていたのにこれじゃあ意味がないじゃないか』


「糸吹きさんどんまい!」


 私は緑癒には蚕の形をしたブローチをあげた。うん、可愛いわね。ブローチには回復能力上昇効果の魔法を付与しているわ。他には信者に向けての証みたいなのが欲しいって言われていたのだけど、私の姿をしたアクセサリーがいいって言われてそれは拒否したのよね。私を崇める宗教ができて、なんか変な感じがするわ。私は、普通の人間なのになぁ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 皆にプレゼント♪仲良しさんですね(笑) [一言] いるんですよね、フライングする方が(笑)
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